ヒプノシスマイクsideF.P&M3巻とsideB.B&MTC3巻感想

 

 

大好きなヒプマイのコミカライズが発売されたのですが、以前から思ってたけどなぜヒプマイは同日に別々の2冊のコミックスを出すのか。供給が重なって忙しいではないか。しかも今回は両方ともオリジナル楽曲付きなものだから、盆と正月が一緒に来たように咀嚼に大忙しではないか。

というノロケはさておき、コミカライズと楽曲の感想を書いていきます

 

sideF.P&M3巻感想

『マリオネットの孤独と涙と希望と』あたりのストーリーの漫画化です。懐かしいなぁ「秘密の共有」。当時の音声ドラマパートではあまりよく理解できなかったけれど、この時(セカンドバトル前)は飴村乱数がただただ自己保身のために幻太郎と帝統を利用していたことがきちんと描かれている。

ヒプマイのドラパっておそらく、「圧倒的に尺が足りていない中で怒涛のように物語を進めなきゃいけない」という制約があるので、脚本が大変な仕事だと思うんだけど、コミカライズ担当の城キイコさんは補完が圧倒的にうまいから毎回感動する。ろくでもない飴村乱数をきっちり描くことで弱い立場の彼の哀しみが浮き彫りになり、そこからのフリングポッセの結束と勝利がカタルシスになるんだよねぇほんと漫画がうまい…この先の優勝シーンが楽しみだ。

そして本編では、襲い来るクローン乱数たちをフリングポッセの三人がボコって飴を奪い取る…という倫理的になかなかワイルドな展開だったが、城キイコさんは巻末のおまけ漫画でそこに少しの救いとエクスキューズを入れ、クローン乱数たちもフリングポッセの三人もフォローしていたのが本当に良かった。

 

飴村乱数のソロ曲は『drops』というんだけど、乱数がまんまるな涙をいくつも流すシーンはまさにdropsでしたね。これは涙のしずく(tear drops)とキャンディ(drop)のダブルミーニングだと思っています。

 

また、血を吐いた乱数を見た幻太郎のリアクションとテキパキした様子からすると、以前幻太郎は兄が同じように血を吐いた場面を見ているんじゃないかなぁ。幻太郎兄はヒプノシスマイク関係の事故のために昏睡を続けているんじゃないかと想像してしまう。

 

あとは学生時代の寂雷と獄の体操服姿でしょう…!もう大好き。寂雷の美少年ぷりと獄のしましま靴下にたぎりまくりです。

 

greeting from the god of shinjuku/HOT GAME

一二三と独歩のドラマトラックと新曲です。あんまり予備知識なく聴いたらいきなり軽快なリズムでホッケ!ホッケ!と流れてきて、焼き鮭に続くおさかなリリック曲なのかと思ったらHOT GAMEって言ってたんでした。

酉の市に行ってスーパーボールすくいをしたがる独歩がかわいい。オムライスが好きだったり祭りで遊びたがったり、独歩ってほんと29歳児って感じだからなんかいいよねぇ。

二人は結局熊手を2つ買ったんだけど、熊手って1年毎にだんだん大きく買い替えていくものなので、たぶんふたりは家に帰ってからそのことに気づき、また来年一緒に酉の市に行く羽目になるだろう。マンションでだんだん大きく存在感を増していく2つの熊手、なかなかシュールでいい。

 

 

sideB.B&MTC3巻感想

山田兄弟、MTCのクリアカードがニ枚もついていて楽しい。

 

個人的に気になったのは

真正ヒプノシスマイクをちゃんと使いこなせる人間を見つけるに越したことはねぇだろ?

という天谷奴零のセリフ。えっ、中王区は真正ヒプノシスマイクを使いこなせる人間を見つけたかったのか、今ってそういう話になってたのか…すっかり忘れてた…

確かに、同日発売されたsideF.P&M3巻には、神宮寺寂雷が真正ヒプノシスマイクの欠点(=使用者が死ぬ)を克服するパーツとして中王区に協力を約束させられるシーンが描かれているので、つまり現在の中王区の目的はハードソフト両面での真正ヒプノシスマイクの完成ということなんだろう。あっ、こういうぼんやりした読者が筋を追い直すためにコミカライズは同じ日にでているのかもしれないな…

 

ところで真正ヒプノシスマイクを使いこなせる人材として個人的におすすめなのは山田三郎です。なぜかというと三郎のソロ曲のタイトルは『New star』だから。

New star

=新星

=シンセイ

=真正

ということでどうだろうか。

 

あと、うまみザウルスさんって躑躅森盧笙を描くの無茶苦茶うまくないですか?うまみザウルスさんって清潔でクリーンな線が持ち味だと勝手に思ってて、だから洗脳された碧棺合歓とか毒島メイソン理鶯みたいな生硬なキャラに説得力持たせるのうまいなぁと嘆息してるんだけど、だからか躑躅森盧笙もすごくいい。盧笙の生真面目で硬い感じにすごくぴったりで感動しました。万が一ロショーツツジモリのスピンオフが出るならばぜひぜひうまみザウルスさんに描いてほしい。

 

男たちの誄歌/We Are Untouchable

ドラマトラックと楽曲。

誄歌とは何か?

 死者の生前の徳をたたえ、その死を悼む歌。

だそうです。物騒だ。

これはすごいドラマと曲で、なんと丸々劇中劇なんだなー!先日はシブヤが『奇術館の殺人』という劇中劇曲を出していたけど、今回はヨコハマに出番が回ってきた。

確かに違和感はあって、銃兎と理鶯がお互い「お前」と呼び合っているのは明らかにおかしかった。銃兎はともかく理鶯は基本的にお前って二人称使わないし。

じゃあ楽曲『We Are Untouchable』はどうなのかというと、これも銃兎と理鶯ではないような気がする。「ノワール」「指はトリガーにかかってる」は映画のシチュエーション・言葉をまんま使用している。

竹馬のダチが今じゃBack Stabbers

という歌詞があって、Back Stabbersは裏切り者って意味なんだけどこれも劇中の二人の設定なんじゃないかなぁと思う。だって銃兎と理鶯って竹馬のダチじゃないし。大人になって出会ったチームメイトだし。

たぶん劇中の二人はあの後お互い引き金をひき、二人とも死ぬんだろう。そして『男たちの誄歌』(=死者を悼む歌)というタイトルが回収されるんじゃないかと考えています。

 

 

家にあるヒプマイのコミックス(たぶん各巻1冊ある)を数えたら23巻になりました。『鬼滅の刃』と同じ冊数です。『うみねこのなく頃に』が50冊、『ジョジョの奇妙な冒険』が134冊なので、ヒプマイもそれぐらい長大な大河ドラマになったらいいなぁとギチギチの本棚を眺めながら願っています。



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兄ちゃん、ツチノコ型のネコだ!

 

白膠木簓の将来についての一考察

 

 

ヒプマイライブでトリをかざる曲として定番の

『SUMMIT OF  DIVISIONS』に

無形の文化財にはなる予定

という白膠木簓のリリックがある。

そうか、簓は無形の文化財になる予定なのか…

 

じゃあ「無形の文化財」とはいったいなに?

 

ということで調べてみた。

 

結論からいうと「無形の文化財」はいわゆる人間国宝のことでした。

人間国宝(にんげんこくほう)は、日本の文化財保護法第71条第2項に基づき同国の文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者として各個認定された人物を指す通称である(wikipedia)

 

 

だけど人間国宝になるには条件があります。

人間国宝は芸能と工芸にわかれており、さらに芸能分野は、雅楽能楽文楽、歌舞伎、組踊、音楽、舞踊、演芸の8つの種別に分かれているのです。

つまりこの8種類の芸以外は国宝になれない。今のところ。

 

さて、では簓はどの分野で国宝になるつもりなのだろうか。

1.雅楽

2.能楽

3.文楽

4.歌舞伎

うーん、そういう訓練を受けている描写はありません。

 

じゃあ

5.組踊

6.音楽

7.舞踊

音楽なら音楽原作キャラクターラッププロジェクトにふさわしいかも!…と思ったら、ここでいう音楽とは琵琶や尺八、義太夫節などのことであり、めっちゃエレガントな口八丁、出汁のきいたライムとはまた別の技能の話でした。

 

というわけで残ったのが

8.演芸

です。

あっ、ナニワの漫才師白膠木簓にぴったりな予感。演芸分野での歴代の人間国宝を見てみましょう。

 

・五代目柳家小さん

・三代目桂米朝

・十三代目柳家小三治

 

落語家の名前が並びます。

そう、落語家ならば演芸部門で人間国宝=無形の文化財になれるのです。

いやいや簓は落語家じゃなくてお笑い芸人だよという話なんですが、実はお笑い芸人から落語家になるケースはたまにあり、有名なのは山崎邦正月亭方正、あとは世界のナベアツことジャリズム渡部鐘が桂三度になりました。

 

 

ということで「無形の文化財になる予定」と宣言する簓。そのために恐らくいちばん近道なのは落語家になることだった。白膠木簓、ひょっとしたら将来的に落語家への転身を考えているのかもしれないぞ…という可能性がSUMMIT OF  DIVISIONSの歌詞から浮かび上がったのだった。

 

 

(もちろん、ろくろ回したり漆塗ったり、工芸部門を狙っている可能性も。なんでもありなH歴ならラッパーも無形文化財になれるのかもしれない。)

 

 

 

 

 

 

 

アベマでヒプマイ生ライブこと NO TICKET LIVEのざっくりとした感想

 

2022年6/25土曜日、アベマでヒプマイ生ライブことNO TICKET LIVE(すごいタイトルだ)、楽しかったですねー!
三時間もあってわりとボリューム具だくさんでした。ほんとに少しだけざっと感想書いておきます。

 


イケブクロ

・三郎の声優さんがむちゃくちゃ顔がかわいくて、旬の人特有の発光感があってまぶしすぎた。人生充実してる時期の人ってあんな感じになるよね…などと思わず胸に手を当て、自分の人生について考えさせられる。そういや自分はどんな顔をしてるんだろうと鏡を見たらくすんだ干し芋みたいなものが映っていた。

 

・三郎の声優さん(アマサキさんというお名前のようだ)、関西出身の人らしいのに関西弁が下手になっていてチャーミング。自分のイメージについて「とっても可愛いみんなの末っ子」と言い放った時、トド松好きだった過去の自分が最高だよアマサキ!と飛び出してきたから抑えるのに苦労した。

 

・二郎の声優さんがサッシャさんに名前を忘れられた(というコント)が始まった時、二郎声優さんがどう対応していいか迷っていたのが印象的だった。たぶん瞬時に、ガチで忘れられてる可能性のほうをイメージしてしまったんだと思う。わりと優しい人なのかなー


ヨコハマ

・二番手トークの時に思ったけど銃兎役の人すごく空気読むし頭の回転はやいし優しいですよね?ちょっと好きになりそうで危なかった。しかしながら、プロテイン大好きという盧笙声優さんの発言に対し、自分はプロテインに頼らないと表明したのはなかなか意志が強そうで見ていてハラハラした。

 

・左馬刻様の声優さんが46歳だというのが本当に信じられない。ビジュアルが良すぎる。あの髪型の完璧なスタイリングよ…!!!
左馬刻様は曲中に隙あらば中腰になろうとするのがものすごく可愛くてほっこり

 

シブヤ

・とりまget on the floorの“ピョンピョン”の時に乱数が開脚でビヨ~ンと大ジャンプしたのが忘れられない。なんという体幹の強さ。ライブのたびに乱数声優さんの身体能力に感動している気がするし、スカウトマンの目で見てしまう。あの子は伸びる。

 

・帝統の人~!大喜利むちゃくちゃうまいじゃん~!!!「東京に魂を売った人」「倍音のお兄さん」「1000人に1人の逸材」とか笑って声が出たよ~!最初は芸人志望なんでしたっけ?M1も出てたもんね。ラップのうまいシンデレラボーイ声優みたいなイメージだったけど大喜利側の人だっていうのもわかって、今回ライブ見て大収穫でした。


シンジュク

・『シンクロ・シティ』が音源よりライブのほうが良くて嬉しかった。曲自体が3人が語りかけるみたいな構成だから、演劇っぽく生身の人が歌うと映える曲だったようだ。シンジュクはパピヨンもライブで見るほうが素敵な気がする。シンジュク声優さんたちは場を支配する力が強いのかもしれない。

 

・4thデスリスペクトの時のひふみ声優さんの鬼気迫る迫力に胸が熱くなる。やはり4thライブは伝説だ…


オオサカ

・とにかく天谷奴声優さんのパーフェクトぷりよ。歌ってよし、トークもよし、走攻守揃った大活躍ぶり。ほんとにヒプマイに参加してくれてありがとうという気持ちでいっぱいになる。「理鶯声優さんはツイッターをトゥイッターというからイライラする」の下りで大爆笑してしまった。
天谷奴声優さんといえば可愛いというイジりに対し「ぶっ殺すぞ!」と答えるのが持ちネタ(?)なんだけど、今回何人かがぶっ殺す狙いで絡みに行ったのに一度も言われなかったので、おそらく自主規制したんだろう。コンプライアンス的なものだろうか、ちょっと寂しい時代だ。


ゴヤ

・十四くんの声優さんの4thライブ初登場シーン、化粧も薄く黒髪で地味な服装だったけどものすごく可愛くて、これは原石だわ…とため息が出た。

 

・また、同じく4th初登場シーン、天国獄役の声優さんがよりによって「俺には我慢ならんもんが二つある」の下りを噛んでしまうという、現地で見ててドキドキしたあの場面がまさかの再放送されてしまい悶絶した。おもしろめんどくさいじられおじさん天国獄伝説はあそこからすでに始まっていたのかもしれない。

 


まだまだ気になるところはあるけれどこんな感じでしょうか。そして9月からの各ディビジョンライブの開催も決定されました!!!ライブ!行きたすぎる!
少なくとも毎月ライビュには行けそうなので生きる張り合いができました。生でヒプ男ヒプ女を拝むと寿命が伸びる思いがする。

やっぱりヒプマイって楽C~!

 
 

ヒプマイ2ndアルバム CROSS A LINE感想

 

 

耳の鼓膜をどついたれ~

 

ヒプノシスマイク2019年4月ぶりの新アルバム『CROSS A LINE』です。f:id:pyonkospica:20220614202905j:image

楽天発送は特製ケースがかわいい

 

発売10日くらい前から、各ディビジョンの新曲が毎日1曲ずつYouTubeにて公開されました。そもそもYouTubeプレミア公開のカウントダウンの音楽がむちゃくちゃ好きなのでそれだけでテンション上がりまくり。

さらにファンクラブではドラマパートが毎日お披露目されました。しかも今回は18人がシャッフルされるとなったからもう大変。組み合わせにドキドキ、内容にハラハラと充実したヒプマイライフを送ったのであった。個人的にはシャッフル、いつかやるだろうしやってほしいなぁと思っていたのでニッコニコでした。 
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これは2022年のヒプマイカレンダーなんだけど、今年はこういう風に自分で組み合わせが作れるやつだったんですよ。これが出た時点で今年はシャッフルやるんだろうなぁと思っていた。

 

というわけでCROSS A LINEの感想です

 

CROSS A LINE

実はアルバム『CROSS A LINE』というのはヒプマイの屋台骨インビジブルマナー様々の全員用の新曲『CROSS A LINE』と同じタイトルであるわけです。しかしながら新曲CROSS A LINEについては話の流れの都合で最後に感想を書こうと思います。とばします。

 

IKEBUKURO WEST BLOCK PARTY

なんとヒプマイファミリー(?)DJ U-ICHIさんの作編曲。DJ U-ICHIさんは2ndバトルの6ディビジョンミックスメドレー曲を手がけているんですが、これがもうエモと甘と辛の塩梅が完全にヒプマイを理解している人の作品だったのでこれはすごい人だと思っていたら、この新曲もやっぱりすごかった。試聴の時点でもいい曲だったけどフルで聞いたら最高に盛り上がるし気持ちいい!

Go Go Go Go My Way

Step Step Step Step by Step

の中毒性よ。

略すとIWBPとなり、神曲IWGPの大向こうを張る大胆なネーミングなんだけど全く名前負けしてない素敵な楽曲でした。私はこっちの方が好き。

 

Scarface

ヨコハマの新曲はScarface。アル・パチーノ主演の同名の映画があるそうだけど観ていないので何ともいえない。言葉としては「傷のある顔」という意味で、その名の通りこの楽曲は

流れる血は水に流されない

だとか

痣だけのこる

だとか

心の痣が消えていく

といった傷を連想するリリックが多い。

ヨコハマ、虫を食べてギャーみたいなおもしろディビジョンでもあるんだけどその一方で、おそらく暴力を受けて育った左馬刻、両親を一度に事故で失った銃兎、軍隊で生死を生業にしていた理鶯と、暴力と死の匂いのするメンバーの集まりでもある。この曲はそういう傷だらけなMTCをすくい上げたとことんビターな楽曲となっていて、そういうのもアリだなぁヨコハマだよなぁとうなってしまった。

また、理鶯が

cross the line

というCROSS A LINEを連想させるようなリリックを使っているのを聞いて、いま一番ヒプノシスマイクという物語(CROSS A LINE編か?)とのシンクロ率が高いのは理鶯なのかな…となんとなく思った

 

とりま Get on the floor

フリングポッセの新曲はなんと弥之助さんが登板。PCCSやStellaなど、ヒプ男ヒプ女がバッタバッタと五体投地しながら倒れていく名曲を生み出してしまうでらすげぇお方です。

今回の曲もかわいい!

そうそう、シブヤ優勝記念CDで夢野幻太郎がこの世のものとは思えないカエルの真似をしながら言ってたゲロゲーロゲが曲中の

Get on get on Get (on the floor)

で使用されていてにやりとしする。

そして私がいちばんいいなぁと思ったのが、この濃ゆい仲良し曲を歌い終わった最後の最後で飴村乱数が

なんてね

といったこと!!!

乱数ってわりとこういう茶化し癖というか、場の平行感覚を保ってしまう癖みたいなのがあると思ってて、ヒプマイGODの乱数パートでもうざいやらクソやらさんざん悪態ついた後に

なんちゃって冗談! 騙された? フザケ過ぎだよねホントもう… 

って自分でツッコミを入れているのでもうそういう性格なんだと思うんだけど、今回も最後に冷静になってしまっているのを見て最高だな飴村乱数うおおおおと興奮した。やはり弥之助さんはキャラ解釈が強い。

 

シンクロ・シティ

同じ連想をした方がいると思うんだけど、入間銃兎と毒島メイソン理鶯の楽曲『Private Time』のシンジュク版のような雰囲気の曲。今回Private Timeもアルバムに収録されたので聞き比べると面白いかも。

この曲を聞いているとくるりの『春風』をおもいだす。『春風』を聞いてるとはっぴいえんどの『風をあつめて』をおもいだす。だけど『風をあつめてを聞いても『シンクロ・シティ』はおもいださないので音楽というのはふしぎである。

全体的にaiで踏んでいるんだけど、神宮寺寂雷のaiの発音の美しく豊かでセクシーなこと!至福でした。

 

縁-ENISHI-

耳の鼓膜をどついたれ~

どついたれ~

どついたれ~

 

今回耳に残る度ナンバーワンリリックかもしれない縁。耳の鼓膜というなんかムズムズする表現が優勝です。仕事中隙あらば鼻歌で歌ってしまう恐ろしい曲。

白膠木簓の内省的なリリックや躑躅森盧笙の長いパートも見せ場だけど(盧笙ラップ上手くなったなぁ…)、天谷奴零が中心になっているのは間違いない。

Let me hear the voice sing again

(もう一度歌声を聴かせて)

と言っているので、原初のヒプノシスマイクの開発自体が妻の声を取り戻す目的から始まったのかもしれない…などと読みたくなる。一ヶ所だけ引っかかったのは

そこに理屈や理論は

という食い気味のリリックで、天谷奴零ってものすごく賢い人のわりに絶対そういう部分を見せない人だと思っていたからこの知的っぽいリリックはちょっとドキドキした。今回のドラマパートでも「俺はただの酒好きのおいちゃんさぁ」って言ってたし。

どちらかというと、DRB+の天谷奴零初登場時のリリック

本邦初公開

やHoodstar+で見せた

肝っ玉が冷やっこい

といったとぼけた雰囲気の、人を食った引き算のリリックを聴きたい天谷奴零…心臓に悪いので…

 

ところでunity(団結)はレゲエに宿る大切なメッセージらしい。だけど白膠木簓も天谷奴零も

地球の住民それぞれのUnity

という概念、頭では理解していても心の底ではあまり信じることが出来てなさそうなところがいい。一方盧笙は団結とか結束なんかの持つ力や可能性をわりかし真剣に信じてそうでいい

 

 

でらすげぇ宴

この曲は同じくナゴヤのR.I.Pとそっくりだと思っていたらなんと作曲の方が同じでびっくり。作詞作曲を同じ方がされていて、歌詞がとても素敵でした。

要は好きにやっちゃって

明日は明日でどうにかなんだろう

般若波羅蜜多なんちゃってな

とかのゆるい感じいいよね。

天国獄さんの

みてろ大人の無礼講

金ならあるぞ

という大人げないリリックが最高に好きすぎる。全体的にけだるく投げやりな雰囲気でこの曲がナゴヤ曲で1番好きかも

 

ドラマパートMixed Up感想

前提として、テレビの企画(Abemaか?)のために18人をくじ引きでシャッフルし前日から密着するというストーリーとなっている。

山田一郎と躑躅森盧笙と四十物十四がたこ焼き屋を開く。盧笙作の黒いたこ焼きを十四がブラックマターオクトパスインフェルノと名付ける。久しぶりにたこ焼きを焼くなんて腕が鳴るなぁとやる気の盧笙に「躑躅森さんはタコを切って下さい」といきなり地味な作業をふった一郎に大笑いしてしまった。

・独歩がオヤジ狩りにあい財布をとられる。碧棺左馬刻と観音坂独歩と天谷奴零がそれを追跡する。財布をとられたり取引先でビンタされたり無限残業したり3500万落としたりとにかくかわいそうな目にあいやすい観音坂独歩はたぶんヒプ界のちいかわ。

・飴村乱数と毒島メイソン理鶯と伊弉冉一二三はフリーマーケットに出店。乱数デザインのシグニチャー柄のスリーピースを着たひふみと、ピンク色の迷彩服を着た理鶯はぜひ見てみたい

・神宮寺寂雷、山田三郎、天国獄という高学歴チームが誕生してしまった。親睦を深めようとおかしとゲームを持ってきた三郎が子どもらしくてものすごくかわいい。中学時代の思い出として天国獄の奇術王ヘヴンのエピソードが語られてしまい、獄の恥ずかしい過去は天国ムーンだけではなかったことがわかる。全天国獄ファン必聴のエピソード。

・人気コーナー「商店街のヌルサラ」はまだ続いていた…白膠木簓と山田二郎と夢野幻太郎が黒門市場でコロッケパンを食べる。最後にはみんな行きたいところに行くのでバラバラになってしまうという自由さ。

・波羅夷空却が入間銃兎と有栖川帝統にラーメンをおごる話。ルナティックナイトメアラーメンのために空却のラーメンは酸っぱく、銃兎のラーメンは辛く、帝統のラーメンは甘かった。メシで遊ぶなという帝統のまっとうな指摘に心が洗われる。同じラーメンを食べた天国獄は泡を吹いて気絶し、十四は三日三晩泣いてたという話がかわいそかわいすぎてたまらん。

・盧笙の芸人時代は「水があれば十分」だった楽屋だが、今回の企画の楽屋には弁当が数種類ありお菓子もあることに驚いていた。盧笙、若手芸人から教師になったと思ったらまたヒプノシスマイクという芸能の世界に引っ張り出されて大変だなぁ。なにげに生き様の高低差がいちばんあるキャラクターなんじゃなかろうか

・理鶯はピンク色の迷彩服だけではなく、その後かわいくスタイリングされたらしく、最終的にどんな格好で戦っていたのかとても気になる。

・山田三郎、天国獄に向かい「お前みたいなめんどくさいおっさんには敬意を払えない」と、これまでヒプマイ界で禁句とされていた使用禁止ワードを言ってしまう。いらだった獄がいつもの“俺には我慢ならんもんが二つある”をやりだすと、「そういうところがめんどくさい」と完封。私が天国獄だったら泣いていただろう。三郎は天国獄の呼び方も最終的に「天国獄」から「弁護士」になり、もはや職業名になってしまっていたのが大変面白く、この三郎と獄のやりとりだけでアルバム代6380円分の爆笑を受け取った気分。

 

…と、さっとした感想だけどとても面白いドラマでした。今回のシャッフルチームで楽曲とか出ないかな聞いてみたいな。

というわけで最後に感想、インビジブルマナーさんの新曲

CROSS A LINE

言いたいことはいろいろあって、

急な夕立

珈琲サイフォン

横目にいつものコーラを注文

時間潰し ジャケ買いの本

という一郎のリリックは文学的な雰囲気がするけどたぶん読んでいるのはラノベなんだろうとか、

平行世界生き延びたイカロス

と歌う十四くんは生き延びた天国天であり、十四が生きていることはそれだけで天国獄の存在証明になっているんだなぁとか、

山田三郎の

兄達は選ばないペスカトーレ

別な方へ

という寂しいようなたくましいようなリリックに目頭が熱くなるとか、

 

あとはもうこれ、観音坂独歩の

お天道さんの下で食べる弁当

途中で買ったコンビニのおでんと

ちょい贅沢が越すラインは

思ってるほどには怖くないんだ

これ。これがつまり今回『CROSS A LINE』の集約のようなリリックで、普段の視点を転換しラインを越すのは怖くないというテーマをこんなにわかりやすく平易な言葉で描くのはほんとうにすごい。

CROSS A LINE、つまり

「通れない…」

場所は

「Skyline!」

というわけで、壊せない壁は飛行して行けばいいじゃんという曲なんですよ、たぶん。

視点の3D化というべきか、歩いて無理なら空飛んじゃえということです。一休さんのとんちみたいだ。

だからMVのモチーフは飛行機だし、

「飛行経路のシグナル了解、越えてけ境界、Pride」

という風に空をフライトする18人の描写で終わるんだろう、と個人的に解釈している。

 

 

ところで新曲『CROSS A LINE』では

マイクを通せないいまだ不完全な理想

って歌ってるし、ドラマでは「ヒプノシスマイクを使わないフリースタイルバトルをやってみたい」って言ってるし、新アルバムには“マイクを使わない”というテーマがあるようにも思える。ヒプノシスマイクの脱ヒプノシスマイク化というか。

最終的には、自分の声というのはヒプノシスのないただのマイクで伝えなければいけないんだ…という物語になるのだろうか。だとしたらヒプノシスマイク、少しほろ苦い成長物語である。

 

 

 

沈黙への供物、虚無への供物 少年マガジンエッジ2022年5月号『ヒプノシスマイク -Before The Battle- Dawn Of Divisions』感想

 

 

 

少年マガジンエッジ2022年5月号はフリングポッセの過去回でした。培養槽から生まれたての無機質無感動な飴村乱数が、いかにして今のヤリチン、じゃなかった。人気者になったのか…という秘密が明かされた。

どうやらキーパーソンは舞城華灯という青年で、読書好きなら名前を見た瞬間にワッと思ったはずなんですがおそらく元ネタが舞城王太郎

 

つまりフリングポッセ、

飴村乱数→飴村行

夢野幻太郎→夢野久作

有栖川帝統→有栖川有栖

舞城華灯→舞城王太郎

と、全員日本のミステリー?作家から名前を借りているわけです。シブヤは文学少女(少年)狙い撃ちですよ。こんなの優勝するに決まってるよおめでとうございます。

前々から舞城王太郎要素はヒプマイに噛んでるんじゃないかと薄々思っており、怪文書をしたためていたのでとても嬉しい。


もしかすると山田兄弟の名前の由来って舞城王太郎なのではという話 - pyonkospicaの日記


サリンジャーから『メフィスト』へ、そして『ヒプノシスマイク』へ - pyonkospicaの日記

 

さて、飴村乱数の過去だけでなく他にも明かされたことがある。それは夢野幻太郎のデビュー作のタイトルで、『沈黙への供物』というのだ。またしても読書好きならワワッとなったのではないだろうか。今回のエッジは読むたびにワッワッとなるので我々はもうちいかわである。

『沈黙への供物』、これはもう元ネタが明らかに『虚無への供物』なんです。『虚無への供物』というのは中井英夫氏が書いたアンチミステリーの金字塔のような小説。

しかし恥ずかしながら未読だった。というわけでさっそく読んでみる…

 

ネタバレになるからざっくりした感想だが

・開始3ページ目で黄色い薔薇をくわえた水商売の青年が出てきて伊弉冉一二三のことを思い出し動悸がした。

黄いろの薔薇は花言葉が良くないのよ

という台詞がでてきて、もちろん一二三とは無関係なはずなのに幻太郎の壮大な嫌味みたいで震える。

・わりと前半でいきなり「存在しているのに存在しなくなった兄弟」(夢野兄…)が鍵となるストーリーとなり緊張する。

・主要人物のひとり、亜利夫は名前の近似性からアリスになぞらえられており、アリスガワとの類似にびびる

・ある水難事故が通奏低音として流れており、もしかしたら波羅夷空却(海が嫌い)のお母さんは海で亡くなったのかもしれないという可能性について考えてしまう

 

と、『虚無への供物』自体はアンチ符号的なスタンスの物語であるが、幸か不幸かヒプマイと符号しまくるということがわかったので皆さんもぜひ読んでみてほしい。

そうそう、エッジの5月号では有栖川帝統のお坊ちゃん時代の姿も一瞬描かれていました。白いブレザーを着て今より短い髪をして黒塗りの車で送迎されるという絵に描いたような箱入り息子だった。

 

そしてうっすらと浮かび上がってきた可能性。

飴村乱数は舞城華灯のまねをしている
夢野幻太郎は夢野兄のまねをしている

ということはシブヤはみんな誰かの真似をしており、オリジナルな姿をまだ見せていないのではないかという可能性。

じゃあ有栖川帝統も誰かのまねをして……
るのかと思いきや、実はもうあれは誰かのまねをやめた後の姿だったらいい。あの宿なし風呂なしモッズコートのギャンブラーこそが有栖川帝統の完成形だったりしたらすごくいい。

自分の生きる人生を愛せ、自分が愛する人生を生きろ

というのは有栖川帝統の座右の銘

自分の人生を愛するために羽化した帝統の後には白いブレザーだけが残され、柔らかい光を放っている

のかもしれない。

 

Fling Posseの冒険と伝説(ヒプノシスマイク 2nd D.R.B 優勝に寄せて)

 

音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』

そのセカンドバトルが先日開催され、優勝したのはシブヤ代表Fling Posseでした。

 

さて、今回シブヤが優勝したらすごいことがおきた。

何がおきたかというと、フリングポッセが工場のオーナーになったのだ。
これまで、名前も来歴も何もかも秘密と嘘で彩られた根無し草のようなフリングポッセ。そんな彼らに「工場」という確固たる居場所と、「オーナー」という立場ができたのだ。会社の名前も変わるそうだ。Fling Posse Inc.と名付けられるらしい。

 

これはすごい。

 

何がそんなにすごいのかというと、彼らの関係に名前が与えられ整備されてしまったのである。乱数はちゃんとゴダイさんに契約書を準備するように言った。つまり飴村乱数・夢野幻太郎・有栖川帝統は工場の持ち主という法的な関係になるのだ。

いつか中王区によるラップバトルが終わりフリングポッセが解散したとしても、彼らの関係は終わらない。なぜなら法律が「彼らは関係がある」と保証しているから。

その関係はいつまでも終わらない、
何十年も先の未来へと続く最強の絆なのだ。

 


いやぁシブヤはえらいものを手に入れたものだ。ラップバトルの優勝というのがキャラクターと物語にこんなにものすごい祝福を与えるのだということが解ってしまったら、第3回バトルはえらいことになるんじゃなかろうか。


あまりによくできた流れすぎて、幸せに臆病なオタクとしてはひょっとしてフリングポッセの物語、飴村乱数と夢野幻太郎と有栖川帝統の冒険はここで終わるのかもしれないと思ってしまった。
乱数と幻太郎と帝統はおじいちゃんになっても工場に通い仲良く遊びましためでたしめでたし…というわけである。

 

じゃあ乱数の飴と命はどうなるのか?という話には、「神宮寺寂雷がどうにかする」という一応のゴールらしきものが今回語られた。

 

幻太郎の兄には何が起こったのか?という話には手がかりが提示されている。
双子、鏡、病院、服をいじられると怒る幻太郎。

これらのピースを組み合わせればなんとなく見えてくるものがあって、数年前にブログで自分なりの答えを書いたけれどいろんな説はあるだろう

おれがあいつであいつがおれで 夢野幻太郎考察 - pyonkospicaの日記

夢野幻太郎という虚実のあわいに生きるキャラクターの、そのキャラクター性を守るために、あえてすべては語らず読者に真実を明かさないスタンスもあり得るのかなぁと思うのだ。

 

実はもう有栖川帝統にあまり謎はない。母との関係も語られている。なぜ有栖川の家を出たのか?という秘密が残っているが、本人が「賭場で生誕略歴は以上」と言っているのでそれ以前の過去は存在しないのかもしれない。

 

 

もちろん彼らの謎と真実が気にならないわけでは決してないし、むしろものすごーく気になる。
しかし長く残る伝説というのは、物語の頂点、一番幸せな部分で終わることも多かったりする。桃太郎しかり。シンデレラしかり。新世紀エヴァンゲリヲンしかり。

 


むかしむかし遙かな未来、シブヤに飴村乱数と夢野幻太郎と有栖川帝統がいました。3人はラップバトルで優勝し、そのお金で工場を買い取りました。乱数と幻太郎と帝統はおじいちゃんになっても工場に通い、末永く仲良く遊びましたとさ。

リズムの合間でまた逢う日まで
めでたしめでたし

 

 

 

 

 

いやしかし、「刹那の友」だったフリングポッセが優勝したら「工場の共同オーナー」という法的拘束力のある関係になり、刹那どころではないガッチガチの絆になったのほんとにほんとによくできた話です。すごいわヒプマイ。

 

 

ヒプノシスマイク2nd D.R.B シブヤ優勝CD『キズアトがキズナになる』感想


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わりと長かったセカンドバトル(2020年末から丸1年くらいやってたかな?)を経て、第2回ディビジョンラップバトル優勝チームはシブヤFling Posseでしたおめでとうございます!

 

ヒプノシスマイクはすごい。何がすごいかというと、優勝チームは日本のヒップホップのレジェンドから書き下ろし楽曲がもらえるのだ。前回優勝チーム麻天狼はなんとZEEBRA氏から楽曲が提供され、それがまあすばらしく神曲であった。Champion大好き。

そして今回の楽曲提供者はKREVA氏です。KICK THE CAN CREWKREVAですよ。ヒプ追いかけてて本当に良かった…

というわけで2022年3月16日発売の優勝CD『キズアトがキズナになる』の感想です。

 

 

キズアトがキズナになる

まずはKREVA氏提供の楽曲『キズアトがキズナになる』。ポップで可愛らしいトラックのループがとっても聞き心地がよく、さすがKREVA節という感じ。浮遊感のある雰囲気がフリングポッセにぴったりでした

 

UNITED EMCEEZ -Enter the HEXAGON-

リーダー6人が歌うという、ももクロ歌合戦の時以来ありそうでなかった楽曲。6人をヘキサゴン=六角形になぞらえている。

どうでもいい話なんだけど、『SUMMIT OF DIVISIONS』(2020年)のロゴ、中央の部分にすでに六角形=HEXAGONが描かれている。
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一方中王区のロゴも中央に六角形があったり

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つまりディビジョン側も中王区も六角形なわけです。ヒプマイってヘキサゴン対決なのかなーと思ったり

 

 

六色が交わる時、『』が始まる

ドラマパートその1。びっくりするくらいいろいろなことがおこり、因縁が解決する。バトル後の各ディビジョンの光景が描かれました。

イケブクロは二郎の精神的成長がエグい。完全に三郎をコントロールしているし、下手したら精神面で一郎に並んだかもしれない。

次は根性を努力で鍛えて勝利!その具体的方法は頭のいい三郎にまかせる!と二郎が言うのを聞き、合理的すぎてクレバーすぎて鼻血が出そうになった。

ヨコハマはとてもかわいい。左馬刻は語彙力を強化すべき、と言う銃兎にオレサマが馬鹿だっていうのかとキレる左馬刻。そこに乗っかる理鶯。馬公ウサ公を叱りつけ、馬とウサギは大好物な食材だとスピーチ。これたぶんみんな好きなやつ

シンジュク。一二三はお客さんから電話の嵐、独歩は課長(ハゲ)からの嫌味メールに情緒が壊れている。

オオサカ、ここも良かった。特に天谷奴零の映画の下りが最高に良くて、そうそう天谷奴はこういうキャラでいてほしいんだわ!とにんまり。3人ともマイペースなゆるさがあってしみじみ良い…

ゴヤは爽やかな後日談が描かれた。敗北を悔しがる獄の元にやってきた十四は前向きにランニングを始めることにしたらしい。ついでに走らされる獄。天国獄の十代に混ざって同じレベルで活動している感じ本当に好き

シブヤは夢野幻太郎の快演が光る。ラジオよりヤバいものが聞けるとは思わなかった。頭のネジを全部外した幻太郎はギガントメガント必聴です。ゲロゲーロゲ

 

今回新たな謎として提示されたのは東方天乙統女の目的は何なのか?ということでした。えっ、武力の根絶と男性排除以外にもさらに目的があったの乙統女様?

ヒントも明かされている

・乙統女には理想とする世界がある

・今のままの真正ヒプノシスマイクでは意味が無い

・勘解由小路無花果は何も知らない

・邪答院仄仄は乙統女のやりたいことがなんとなくわかる
・しかし乙統女のやりたいことは退屈だから仄仄は邪魔したい

 

はてさて東方天乙統女は何をするつもりなんだろうか。神宮寺寂雷によると邪答院仄仄の立ち位置は「邪悪」なので、邪悪なる仄仄が邪魔したいということは、乙統女は真正ヒプノシスマイクを使って世界にとってわりと好ましいことをしようとしているのか?

まあしかし、乙統女のやることは世界の未来にとってはいいことかもしれないが人間にとっていいことかどうかはわからない。東方天乙統女は武力の廃止をうたって総理大臣にクーデターを起こしH歴を作り上げた革命家であるからして、もともと思想的にだいぶん過激な人物なのだから…

ところで今回、碧棺合歓が全く出てきませんでした。もしかしたら合歓って「中王区の企みを何もしらなかったキレイな党員」枠になって、中王区解体後の政治を担ったりするのかな

 

クローン飴村乱数たちの気の毒な最期も描かれた。寂雷によると、

・シブヤの乱数の行動には迷いがある、つまり意志がある

・乱数の偽物に意志はなかった

・だから乱数は人間だ

ということらしい。人間と人間以外を分けるのは意志の存在だという、この寂雷式考え方はわりと生命倫理的に深堀りしたら大変なことになりそうなのでそっとしておきたい。たぶんデカルト心身二元論とかド・ラ・メトリーの人間機械論につながるのだろう。

まあとりあえず、この世に残り3体のクローン飴村乱数の生命機能が全員停止したので、飴村乱数は名実ともに世界でただひとりの飴村乱数になったわけだ。量産品から唯一存在となり、彼はクローンではなくなった。だけど結局乱数が助かる方法はわからずじまいで、乱数が絶対助かるかどうかは優勝しても明言されなかったのもよく考えると怖い話である。

 

そしてリーダー6人は和解するのであった。左馬刻はドラマパートになると勘が異様に冴えた人物になるのが良いですね…一郎に歩みよって謝るところもほっこりした。

左馬刻が簓を殴る

寂雷が乱数を平手打ち

勢いで一郎に殴られる空却

左馬刻が簓を殴る(2回目)

と、6人はとにかくどつきあう。簓が人が優しくしてたら調子に乗り腐ってと本音を言うシーンで爆笑してしまったし、良かったなぁと思う。いつも本音を隠して場の空気を読んでいた白膠木簓の本心をはじめて聴いたような気がして謎の感動があった。

あと好きなのは、生き残るためには日々の食生活を変えること…健康的な生活で身長も伸び年相応の性格になる…と寂雷が乱数に諭したシーン。24歳の成人男性が食生活を変えたからといって身長が伸びるのかというとこれは医学的に伸びないはずで、医師である寂雷ならそれをもちろん知っているはず。じゃあこのくだりは乱数に対する盛大な嫌味だったのかという解釈もできてしまったり。

 

Fling Posse Inc.

ドラマパートその2。シブヤの3人が賞金をどう使ったのかというお話。

つまり飴村乱数3500万

夢野幻太郎3500万

東方天帝統3000万→1億

の計1億7000万円でゴダイさんの繊維工場を買い取ったわけだ。

 

この話、

・もともと賞金で生地の開発をしたかった乱数

・ゴダイさんを援助したい帝統

のふたりは、実は賞金の使い道が本意のルートであるのだが、夢野幻太郎はもともとは賞金で貯金をしようと思っていたわけで、それを変更し会社を買い取った幻太郎はなかなか優しい人物のような気がする。

さて、シブヤは優勝してすごいものを手に入れた。彼ら3人は工場のオーナーになったのである。名前も来歴も何もかも秘密と嘘で彩られたフリングポッセに、工場という確固たる居場所と、オーナーという立場ができた。優勝したおかげで、根なし草である彼らの関係が法的に整備されたわけだ。そしてそれは何十年も未来へと続く最強の絆なのだ。

 

 

いろんなことがありすぎて大変なCDでした…リーダーたちは和解したし、ヒプノシスマイク第一部完といった趣だけどまだもう少し続きそうでもある。邪答院仄仄さんの演技むちゃくちゃ良かったですね…鈴を転がす声ってこういう声のことかなぁとドキドキしました。関係ないけど邪答院仄仄の始末書、名前とキスマークしか書いてなさそう。

 

ところでヒプマイのライブって「プレイグラウンド」と「バトルグラウンド」に分かれてるじゃないですか。そしてバトル期間は公式には「バトルシーズン」と呼称されていました。

じゃあそろそろ「下郎ども!興行のテコ入れのための新企画、シャッフルユニットだ!!」なんて「プレイシーズン」の始まりを無花果さんが告げたりするかも…なんて。

 

 

続き


Fling Posseの冒険と伝説(ヒプノシスマイク 2nd D.R.B 優勝に寄せて) - pyonkospicaの日記