乙女ゲーへの答辞 ときメモGS4制作決定を知って

ときメモGS4の制作が決定したという。

私はときメモGS1では葉月王子と氷室先生に萌え、ときメモGS2では若王子先生にエナジーを燃やした。青春の1ページはいいすぎだが半ページくらいは捧げたつもりだった。
さっそく特集サイトを見て・・・そして悟った。自分はたぶん買わないな、と。買っても積んでしまうな、と。
もちろんグラフィック等の問題ではないよ。男性キャラクターはみんなシュッとしたすてきなお兄ちゃんだったよ。
なぜか。
あんなに好きだった乙女ゲーをなぜほしいと思えなくなってしまったのか。
それはこちら側に問題があるのではないか。
今回はそれを考えてみたいと思います。





仮説その1 年齢説

正直、いまさら女子高生になって男子高校生とイチャイチャしたいかというと、特にしたくないんですよ。話合わないよ。ファミコンうる星やつらも知らんだろ?昭和って知ってる?上祐×青山とか意味不明だろ。
つまりゲームをプレイする本来の自分と、攻略対象の彼らの年齢が離れすぎてしまったんだ。
思えば1994年、アンジェリークをプレイしていた時、守護聖様はほとんど年上だった。ジュリアス様、クラヴィス様、リュミエール様。当時はルヴァ様が最年長の26歳で、ずいぶん年寄りに描かれていたけれど、ルヴァ様は伊弉冉一二三より3つも年下なんだ。

そして満を持して2002年に発売されたときメモGSシリーズ。8年たってプレイヤー=私も年を取った。氷室先生や若王子先生などの先生キャラを好んで攻略し身悶えたものだった。だけどいま思い返すと、彼らを好きだったのは、先生という属性よりもむしろ単に自分の実年齢より年上だったからなのかもしれない。

(実はアンジェリークは早くからこの年齢問題に対応していて、初代発売のわずか2年後、1996年にはエルンストやヴィクトールといったアラサー枠も追加されている。)


じゃあ攻略対象キャラの年齢をぐっと上げたらどうなるのか。アラサー、アラフォー、アラフィフのスーツ男子が闊歩する『ときメモoffice』、アラサー、アラフォー、アラフィフの保護者や先生が跋扈する『ときメモ親side』ならどうなのか。買うのか。






仮説その2 ときめきの総量説

ときメモoffice』や『ときメモ親side』を想像して、そんなの買わねーよ、と思った人はこちら側かもしれない。
人の乙女ゲーに対するときめきには総量が決まっており、一定量を使い果たすと、乙女ゲー人生は終わってしまうのだ。
一説によると女性ホルモンの分泌は、一生かけてスプーン1杯しかないんだとか。
ときめきの総量もそんな感じだという説である。


私は一生ぶんのときめきを使い果たしたようだ。ありがとうリュミエール様、エルンスト、セイラン、安倍泰明、永泉、源泉水、安部泰継、月森蓮、志水桂一、葉月 珪、氷室 零一、若王子 貴文。あなたたちは私の青春だ。画面の向こうでありながら輝く光だ。私のもっとも暗い孤独な時代、私にほほえみかけてくれてありがとう。共に歩んでくれて本当にありがとう。ありがとう。



・・・

乙女ゲーをプレイすることはなくなったけど、萌えはまだ続くのは不思議なことだ。おそ松にヒプマイに、まだ私は萌えている。『萌え』にも総量があるのかもしれない。いつかスプーンがあふれる日が来るのかもしれない。
だが私は今日もグッズを手に入れるために電動自転車を走らせている。