ヒプマイのアルバムEnter the Hypnosis Microphoneの感想 イケブクロとヨコハマ

ヒプマイの新アルバム『Enter the Hypnosis Microphone』が出ましたね。
つい癖でアマゾンで頼みましたが、タワーレコードなら1日前にフラゲできたようです。シンジュクのクリアファイルももらえたみたい。ツイッターでそれを知って、己の『持ってなさ』に泣きました。非売品のクリアファイルがほしかった。



各ディヴィジョンの新曲が収録されたので、それについての感想を書きます。


1.おはようイケブクロ

イケブクロディヴィジョン新曲です。
まず、タイトルがいいですよね。ヒップホップというジャンルのためなのか、ヒプマイって英語の曲タイトルが基本で、それが結構ダークで硬派なイメージを醸し出していたんですが、イケブクロディヴィジョンはあえてのひらがな。そしてカタカナ。
肩の力が抜けていて今回の新曲随一のクールさです。

で、曲は・・・
やりたいことはなんかわかるんですが・・・
このラジオ仕立て、いる?
普通に1曲にしたほうがよかったことない?

イケブクロは謎のオッドアイやほくろといい、二郎のサッカー優勝といい、三郎の数字オリンピック優勝や一郎のラノベ好きといい、よくわからない設定を盛りすぎる傾向があります。策士策に溺れる系ディヴィジョンです。
今回の『おはようイケブクロ』も、奇をてらいすぎて謎の曲になってる感がある・・・。

確かに山田三兄弟は見た目も地味っちゃ地味だし、ヒプマイ界のHoodstarとしてはもっとも若手の19、17、14歳というティーンエイジの3人なのでドラマも作りにくいと思われます。高校と中学で舞台も離れてしまうから3人まとめての話が難しい。だから設定頼みになってしまうのはわかるんですが、私たちが山田三兄弟に求めてるのはもっと普通の王道のラップだと思うんです。
直球の一郎、それをトレスする二郎、10万年前から解ってるサブローザ。
イケブクロはそれだけでいいんです。だって若さとジャイアンの実力があるんだから。


曲の向く方角は素敵でした。
『地べたを見てるやつに一生いいことなんて起きない』
という山田一郎のキーワードを生かした、前向きなメッセージにあふれています。
あと、『二郎ちゃん お手て繋いで 児童館』はエモいです。実際に小さな二郎と小さな三郎は手を繋いで児童館に行ってたんでしょうね。





2.シノギ

ヨコハマディヴィジョンの新曲です。
出ました珍曲『ハマにハマれ』

前々からヨコハマはコメディ枠だと思ってましたが、この曲を聴いて一層それを確信しました。

まず左馬刻様はコメディアンだと思うんです。
しかも、真顔で面白いことを言うタイプの一流のコメディアンです。
だって今の時代でヤクザですよ。歌詞カードも伏せ字になるレベルのアンタッチャブルな職業です。もうスクワットしただけで勝ち確の存在です。何をやっても面白い。

次は銃兎です。銃兎って天才バカボンの『目玉のおまわりさん』的じゃないですか?自分に楯突く人をすぐしょっぴこうとするあたりは、目玉のおまわりさんが侮辱されるとすぐ銃を乱射するのと行動原理が同じ。たとえが昭和で申し訳ないです。

最後は毒島メイソン理鶯
名前がもうパンチありますね。
しかも彼にはサバイバルクッキングという必殺の持ちネタがあり、これを出されると場が確実にコメディ空間になるんです。
しかもワンダースで一番、良い意味で天然ボケ。

この3人がいるからバランスのいい愉快なグループではあるんですが、残念ながら歌声のバランスが悪い。左馬刻はいいとして、銃兎の癖のある声とセリフ回しに、理鶯の超低音が協和しない。
どちらも12人の全体曲の中では個性的で、とてもいいフックになってるんですが、今回の曲ではちょっと噛み合ってないと思いました。

ハマにハマれ・・・ハマに・・・ハマれ・・・