ライ麦畑でつかまえて 麻天狼と完甘についての考察

いま(今さら?)自分の中で完甘が熱いです。

 

寂雷、完甘、神奈備で医療ディビジョンにならないかな・・・

理鶯、頸木、五百雀で軍ディビジョンも結成できるし、対抗馬としてどうでしょうか。

神奈備くんはラップをもっとがんばろう。

 

 

 

 

完甘とは?

 

完甘は名前もなく公式設定すら存在しないので、わかる範囲で設定と流れを書きました。

 

完甘(ししかい)

35歳

リョウゴク総合病院の医師

・昔は神宮寺寂雷と共にシンジュク総合病院で働いていた。

・腕は良いが寂雷とは格が違うと噂されており、本人もその噂を知っていた。

・寂雷への対抗心から難易度の高い手術室を執刀し、失敗。寂雷が手術を引き継ぎ患者の生命を救った。

・その手術の失敗を寂雷のせいにしようと金をばらまいたが、即バレ。病院を異動になった。

・寂雷を困らせるために自分の担当である独歩の心電計に難癖をつけ、寂雷を呼び出す。

・寂雷にラップ対決で負ける。寂雷の手を振り払う。

・医師としての腕は寂雷も評価している。

 

こんなところでしょうか。

 

 

 

 

完甘と寂雷

 

この完甘の物語を読んでいて、私が最も印象に残ったのは、バトルに負けて床に転がった完甘に神宮寺寂雷が手を差し出したシーン。

で、完甘はその手を振り払うんですね。バシッと。

 

ここで、もし寂雷の手を完甘が握っていたら二人の関係はどうなっていたか・・・

 

 

 

 

 

たぶん、完甘は観音坂独歩になったはずです。寂雷はもちろん伊弉冉一二三です。

 

 

 

 

独歩と一二三

 

完甘と独歩は共通点があって、それは生きづらさを心の奥に抱えているという点。

きっと二人は自分と社会に軋轢を感じていることでしょう。なぜなら独歩は傾向として自罰的で、完甘は傾向として他罰的だからです。お互いに認知がゆがんでる。

 

ただ、それで独歩が毎日どうにかやりくりしているのは隣に一二三がいるからですね。気心の知れた友達がいるから独歩は社会と自分をすり合わすことができている。

完甘の嘘のクレームのせいで鬼のような残業をしている時も、独歩の隣にはまさに一二三がいて手伝っていました。(でも寂雷が話をつけてくれるならその仕事は放り出して帰ったほうがいいですよね。独歩は頑張るところがずれていると思う)

 

 

一二三は一二三で女性が怖いという問題を抱えています。

一二三の女性恐怖症はなかなか深刻で、家に来た宅配便の配達員が女性だったら出れなかったり、病院のナースに驚いてカーテンに隠れる描写があります。日常生活に支障が出ているレベルで、そんな人と一緒に暮らすっていうのは実際いろいろ大変なはず。

でも独歩は一二三の隣にいることを選んでいます。

公式設定にも書かれているように、

一二三は唯一の友人、なんです。

 

 

いつか一二三が差し出した手を、独歩は握り返したんですね。それは実際に握手をしたとは限らないし、精神的な、比喩的な出来事だったかもしれません。

一二三が伸ばしたのは、独歩と友達になりたくて差し出した手かもしれないし、あるいは救いを求めてもがくSOSの腕だったのかもしれないけれど。

 

昔、一二三は手を差し出し、独歩はそれに応えた。そして現在の二人があるんです。

 

 

 

完甘と独歩

 

独歩は握手に応え、完甘は握手をしなかった。

誰かの右手を握り返したら独歩になり、はねつけたら完甘になる。

完甘は一二三の手を握らなかった独歩で、独歩は寂雷の手を握った完甘。

独歩と完甘って1枚のコインの裏表のような存在なのだと考えています。

 

 

寂雷と完甘だって、友達になれる可能性はあったんですよね。でもなれなかった。少なくとも今はまだ、なれない。

完甘は独歩がちょっと羨ましかったんだと思うんです。自分と似たところがあるのになぜか満ち足りている独歩のことが。

だから独歩にも意地悪をしたんですよ、きっと。