ヒプマイヨコハマディビジョンMAD TRIGGER CREWのアルバム「-Before The 2nd D.R.B-」感想

 

 

2020年1月29日にヨコハマディビジョンMAD TRIGGER CREWの新アルバムが発売されました。

10月から毎月新アルバムが出てCDは増え(連動特典早く見たい)、毎週異様に熱量の高いラジオが放送され、しかも3月にはライブが控えているのです。ヒプノシスマイクの民は盆と正月とクリスマスと夏休みが一緒に来たような祝祭の日々を過ごしているかと思います。みなさまお元気ですか。

そんな日々も後半戦となり私はさびしいです。

 

ではいつものように感想を書いていきます。

 

 

 

Gangster’s Paradise 碧棺左馬刻

 

「ここは中王区以外の場所」というシンプルなメッセージが、どことなくユーモラスでコミカルでありながらまっすぐな正しさを併せ持つ碧棺左馬刻にぴったり。

まず歌詞がよくて、この曲の歌詞の特徴はあえて言葉数を少なくしていることでしょう。同じ歌詞の繰り返しがとても多いんだけど、それがかえって左馬刻様の気迫を引き立ててます。上質な食材はシンプルな味付けで勝負、みたいな。(焼き鳥?)

ひとつひとつのセンテンスも短く単刀直入。

歌詞カードを見ても入間銃兎の半分くらいの印刷量となっていますね。インクの量が少ないよ。

多くを語らない男・碧棺左馬刻ってイメージでしょうか。格好いいです。

 

あと、やはり「ここは中王区以外の場所」というパンチラインがとにかく最高。早くも今年のヒプノシス流行語大賞に名乗りをあげた感があります。

もちろん「ここは中王区以外の場所」以外にも強い歌詞があって、個人的に好きなのは「ママには内緒」。この言葉の存在が、暴力的なような/優しいような/可愛いような/背徳的な/不思議なリアリティをこの曲と碧棺左馬刻に与えているなー、と感動しました。

楽曲も間違いなく素敵です。軽快でのびやかなパートあり、低音を生かした任侠パートあり、仕掛けが多くて楽しい~!左馬刻様が気持ちよさそうに歌い上げていて、それも良い~!

 

 

 

Uncrushable 入間銃兎

 

銃兎にぴったりの洒脱な曲が来ました。

この女性は何と歌っているのか何十回聴いてもわからない。ただ、銃兎って単体だと歌声のインパクトが強めの人なので、女声と合わせたのはナイスアプローチだと思いました。相乗効果でおしゃれな空気感も出て両得な感じ。

またタイトルの「Uncrushable」が面白いです。

歌詞にも出てくるとおり「砕けねぇ」って解釈でいいと思うんですが、ナゴヤディビジョンのドラマトラックも「不退転の心は撃ち砕けない」でした。H歴では「砕けない」という言い回しがはやってるのかもしれません。

 

さらに言うと山田一郎のソロ曲は「Break the wall」といいます。一郎は「砕く」んですね。

 

砕けねぇ入間銃兎、砕く山田一郎。

 

防御の精神としての「砕けねぇ」、

攻撃の意思としての「砕く」

2人の対比的な心のあり方が興味深い

 

2人の方向性の違いはいろいろ要因があるでしょう。年齢(29と19)、仕事(公務員と自営業)、あとは性格の違い・・・とか

もちろんタイトルが似ているのは偶然なんですが、山田一郎と入間銃兎というあまり接点のない組み合わせ、その生き様のベクトルの違いがうかがい知れて面白いなー、と思いました。

 

 

 

2DIE4 毒島メイソン理鶯

 

Q.左馬刻は尖った牙。では銃兎は?

 

 

 

 

A.Bad boy おまわりさん

 

それはわからん!わからんよ理鶯。

視聴の時点では銃兎の部分は公開されてなかったので、どんなフレーズが飛び出すかやきもきしたんですが「Bad boy おまわりさん」は予測不可能だ。相変わらず独特の言語センスがチャーミング。

「たまには酒でも一緒に飲まないか」は理鶯の敬愛する五百雀閹廠少佐のライフハックからきたものでしょう。ようは仲間を信じろってこった。

あと、完全なる直感なんですが

そのために死ねる何かを見つけていない人間は、生きるのにふさわしくない

って

なんのために生まれてなにをして生きるのか

こたえられないなんてそんなのはいやだ

(アンパンマンのマーチから引用しました)

 

に似てますね。
理鶯も愛と勇気だけが友達なんだろうか

 

 

 

今回のヨコハマは3人ともいいトラックが来てほんとに良かったです。MTCの大人のかっこよさが三者三様味わい深い。

まったく無責任な話なんですが飴村乱数が低音出してこういう曲調で歌ったら似合うだろうな。

 

 

 

気になったこと

 

・碧棺合歓さんあっさり登場。洗脳されてます。

 

ヒプノシスマイクは中王区の外から生産され運ばれており、高額でやりとりされているようです。おそらく首謀者は天谷奴零でしょう。天谷奴は中王区を操りどんな絵を描いているのか。

あと、なんとなくですが「ヒプノシスマイク中王区編」は意外に早く終わってしまうのかもしれない。

 

・ドラマトラックは「All in the same boat

てっきり「呉越同舟」の英訳だと思ってたら少し異なるようです。「お互い様」「運命共同体」みたいな意味らしい。左馬刻、銃兎、理鶯、3人とも持ちつ持たれつお互い様の関係ってことかな。

また、左馬刻が銃兎を口説いた(?)文句は「願いをかなえてやる」でした。

これでHood starの「Division rap battleで願いをかなえてやるぜ」と繋がった。

 

・「ここは中王区以外の場所」でハッとしたんですが、世界は「中王区」と「中王区以外の場所」であり、どこのディビジョンだって「中王区以外の場所」なのだから、結局どこが勝っても中王区にとっては同じなんです。中王区に利用されて憎しみ合ってる場合じゃないんでした。

 

そう考えると

他のdivision覚悟しな こっちはやる事一つ 勝つのみだ

と歌う銃兎、

 

他のDivisionが優勝?ご冗談

と歌う理鶯に対して

 

ここは中王区以外の場所

と繰り返す左馬刻様は2人と視点が違います。

ところで歌詞カード上は6回繰り返しているのですが、これが6ディビジョンに対してのメッセージだとしたらエモですね。

 

どのディビジョンが優勝するか、という話ではなく、中王区以外の全員で結託して中王区を倒さなければならない。まさに一時休戦、再度休戦。そしてsame boatに乗ってるのは実は3人ではなく18人。

ヨコハマディビジョンのリーダー碧棺左馬刻は重要な提言を歌に乗せて伝えていたのでした。

 

 

実はイケブクロディビジョンも

俺が山田家次男

で始まり

俺がMC. Mid Brotherだ!

で終わる山田二郎、

 

僕が葬る

僕を葬る

僕が僕に奏でる

僕がいっぱいの山田三郎

 

と、自分のことを歌いたい弟たちと比較すると山田一郎の歌詞は毛色が違います。

 

I have a dream,one day…

どんなに高い壁もいつか全部崩れ落ちて

勝ち取る本当の自由

この手にMIC掴む理由

ラップの力を俺は誰よりも確信し

倍信じてる

ボーダーなんかぶっ飛ばせ

Don’t stop壁を壊せ!!!

 

スケールが広く視野が広い。

あと一郎も目指すは優勝だけでなくその先の壁を壊すこと≒中王区

みたい。

 

ということで、左馬刻様も一郎もあくまで最終目標は中王区であり、無意識下でうっすらと共闘方面の思考をしてるのは共通しているようなのです。

 

たとえ囚われの身でも

振り解けジャンルやカテゴリー

肌の色やどこの人

どんな言語やリッチか貧乏

関係ねぇ だから一歩も退くな

この絆が俺らの命綱

この絆、っていうのは兄弟間だけでなくディビジョン間のことも指しているはず。左馬刻様も一郎も、連携の必要性を訴えてるっぽいんだよな・・・

 

このリーダーならではの視座の違い、共闘精神の傾向はシブヤ、シンジュクのリーダーにも共通するのか、どうなのか。

また来月のお楽しみです。

(ただ、中王区の壁を壊したらまた別の壁が立ちはだかっている気もする・・・)