HYPNOSISMIC-Division Rap Battle- 2nd D.R.Bどついたれ本舗VSBuster Bros!!!感想

 

 

2/24発売となったヒプマイのセカンドバトルCD、どついたれ本舗VSBuster Bros!!!の感想です。2/23が祝日のため発売二日前の2/22にはフラゲできる状況となり、まったく心の準備が出来ていなかったので配送メールが来た時はビビりました。

 

楽天ディビジョンで買ったのですが(理由:クリアポーチという特典がめずらしかったから。出荷が早そうだから)大きくてしっかりめのクリアポーチが届いて大満足です。f:id:pyonkospica:20210222233632j:image

でかい

 

ということで感想を書いていきます。

 

 

ドラマトラック

Aikata(s) Back Again

オオサカディビジョンのドラマトラック。

冒頭で無花果がさらっと「決勝トーナメントの枠も二つ増やした」と言っていたけれどこれはどういう意味なのか。

単純にオオサカ+ナゴヤで2枠なのか、それとも前回バトル決勝が

A-B

のひと枠だったのに対して今回は3ディビジョン勝ち上がるため

A-B

B-C

A-C

の三枠になるということか?

 「決勝トーナメント」がどの段階を示すのかよくわかっておらず不甲斐ない。ライブ投票でチームを選択するときに「決勝に進むべきディビジョンはどっちか?」みたいな文言を見た気がするので、無花果は3チームの決勝の話をしているような気もするけれど・・・

 

身近にいたがこの世にはいないという天谷奴零の尊敬する人(妻かな?)なんかも明かされましたが、やはり中心は白膠木簓と躑躅森盧笙の物語。

暗躍する天谷奴零のヒントにより、ふたりは子どもの頃の辛い過去と向き合います。

両親の離婚で人心のはかなさを知ってしまい自分以外を信用しなくなった簓は、盧笙を信頼する気持ちを持つようになりました。

親の過度な期待につぶされ期待されるのが嫌いになった盧笙は、簓には自分のことを期待してほしいと思い始めました。 

 

そんなわけで「俺がお前をテッペンまでつれていったる」という簓の壮大な意気込みは「俺はお前と対等でいたい」という等身大の声に変わり、Aikata Back AgainはAikata(s) Back Againになりました。

簓と盧笙が対等な運命共同体になったことで、どついたれ本舗は相方「たち」の物語となり、やっと簓と盧笙の複数系になれたということでしょう。天谷奴零どこいった。

 

 

笑オオサカ!~What a OSAKA~

どついたれ本舗の新曲だけど最初聴いた時には正直ハマらなかった笑オオサカ。あゝオオサカdreamin’nightで見せた上方のエレガンシーからあまりに遠くてコテコテで、違和感が半端なかったけど今は無茶苦茶好きです。

 

イントロの簓のセリフ

ええやん?ええやん?

笑福亭鶴光「ええんか?ええのんか?」のリスペクトかな?

 

もう天谷奴零が最高に素晴らしく上手くて、

ああでもないこうでもない

からのくだりが好きすぎる。

その後の

夢がある!上がある!馬力ある!

も中毒性が高い気持ちいいライムに合わせたトラックで、ウルフルズはすげえわ。

 

笑オオサカはなかなか問題意識にあふれた立ち位置のような気がする。

つまりこの一連のバトル、じつは中王区が主催した単なる見世物なので深い意味なんて無いっちゃ無いんですよ。勝ったら1億円と領土の支配権と栄誉はもらえるけれど、それだけ。勝ったからといって中王区の統治する現状を変えられるわけではない。

それを見抜いて

わてらドアホが天下をとりまんねん

と道化に徹してるんだったら彼らはとってもかっこいい。

ついでにどついたれ本舗は勝つか/負けるかのバトルに笑えるか/笑えないかという独自の尺度を持ち込み、バトルを無効化する気まんまんです。

 

 

ドラマトラック

Life is what you make it

1年2ヶ月ぶりに一郎がオオサカから帰ってきて、イケブクロディビジョンは山田一郎の隠し事があらわに。

・山田零は山田三兄弟の父親

・山田母は死んだ

・一郎が知っていることが必ず真実とは限らない

・一郎は母が死んだ理由を聞いて父とは相容れないと思った

 

おそらく一郎は母の死にまつわる真実の全容を知らず、天谷奴零が何を考えて動いているのか理解していない。そこで両者に軋轢が生まれている様子です。「死」だってなにかの比喩かもしれない。何者なんだ山田母。

 

(天谷奴零と山田母については以前からあれこれ想像していますが、つまりはエヴァっぽい話になるのかなーと思っている)


山田一郎のお父さんとお母さんについての仮説(ヒプノシスマイク生命倫理編) - pyonkospicaの日記


失楽園 天谷奴零考察またはヒプノシスマイク考察 - pyonkospicaの日記

 

一郎が一人で隠し事をしていたのにショックを受けた山田二郎は、山田一郎は英雄やヒーローではなく単なる兄なんだと気付くのでした、というほろ苦いお話。ここにきて二郎がなぜ「低脳」なのかという伏線が回収されていて、つまり自分の頭で考えることをせずに盲目的に一郎の真似ばかりしていたから二郎はバカ呼ばわりされていたのだった。

以前の公式相関図では二郎→一郎の関係が「神」だったのに対し、現在では「兄・尊敬」となっているのはこの展開を折り込んだからだったんだね。

というか二郎の低脳呼びにちゃんと意味があったことにびっくりで、ヒプノシスマイクすごいわ、きっちりしてるわ。

 

 

個人的に笑ったのが、山田三郎が闇サイト・プランドラーでナンバーナイン(実は天谷奴零)にコンタクトをとったら即返信が来て、あいつ暇なのかとつぶやいた場面。

天谷奴零はラジオ(ヒプナミ簓回)でも「呼んだらすぐ来るから暇なんじゃないか」と簓に評価されておりみんなに暇人おじさんだと思われているようだ。

 

 

Re:start!!!

このドラマトラックを聴いてからバスターブロスの新曲を聴くと興味深いことが見える。

これまでバスターブロスは山田一郎を頂点としたピラミッド型の構成でした。IWGPしかり、おはようイケブクロしかり、一郎の技術に重点をおいたトップダウンな楽曲だった。

しかしRe:start!!!はこれまでとは違います。楽曲の中心にいるのは二郎で、左右に一郎と三郎がいるというフラットな構造になっている。一郎がヒーローではなくなり、ただの人になったことでバスターブロスの陣形が変わったんですね。それが楽曲にも影響を及ぼしバスターブロスの戦法が変わったということがRe:start!!!を聴くだけで伝わる仕組みになっています。

 

 

Joy for Struggle

そしてオオサカVSイケブクロのバトル曲はJoy for Struggle。「闘う喜び」と言う名の通り、

JOY

楽しもう

上がってこう

が繰り返されるバトルとなっています。

右からボケナスカス

岡八朗の「右からべっぴんさん、べっぴんさん、ひとつとばしてべっぴんさん」を思い出した。

ほんわかぱっぱ

ドラえもんではなくて吉本新喜劇のジングルだと思う。

そんな雰囲気の楽しいバトル。簓と盧笙にしても一郎と二郎にしても、三郎と天谷奴零にしても今回でわだかまりがだいぶ解けたのでほっとして、肩の力を抜いて楽しもうぜ!という気分なんだろう。

 

オオサカとイケブクロの今回のテーマは「対等」だと思います。そしてちょっとアダルトチルドレンの気がある簓と盧笙の内なる子どもと、まだまだ本物の未成年である山田三兄弟の成長の物語であり、5人を陰ながら見守る天谷奴零というお父さんの物語だったなぁという印象を受けました。