ヒプノシスマイクsideF.P&M3巻とsideB.B&MTC3巻感想

 

 

大好きなヒプマイのコミカライズが発売されたのですが、以前から思ってたけどなぜヒプマイは同日に別々の2冊のコミックスを出すのか。供給が重なって忙しいではないか。しかも今回は両方ともオリジナル楽曲付きなものだから、盆と正月が一緒に来たように咀嚼に大忙しではないか。

というノロケはさておき、コミカライズと楽曲の感想を書いていきます

 

sideF.P&M3巻感想

『マリオネットの孤独と涙と希望と』あたりのストーリーの漫画化です。懐かしいなぁ「秘密の共有」。当時の音声ドラマパートではあまりよく理解できなかったけれど、この時(セカンドバトル前)は飴村乱数がただただ自己保身のために幻太郎と帝統を利用していたことがきちんと描かれている。

ヒプマイのドラパっておそらく、「圧倒的に尺が足りていない中で怒涛のように物語を進めなきゃいけない」という制約があるので、脚本が大変な仕事だと思うんだけど、コミカライズ担当の城キイコさんは補完が圧倒的にうまいから毎回感動する。ろくでもない飴村乱数をきっちり描くことで弱い立場の彼の哀しみが浮き彫りになり、そこからのフリングポッセの結束と勝利がカタルシスになるんだよねぇほんと漫画がうまい…この先の優勝シーンが楽しみだ。

そして本編では、襲い来るクローン乱数たちをフリングポッセの三人がボコって飴を奪い取る…という倫理的になかなかワイルドな展開だったが、城キイコさんは巻末のおまけ漫画でそこに少しの救いとエクスキューズを入れ、クローン乱数たちもフリングポッセの三人もフォローしていたのが本当に良かった。

 

飴村乱数のソロ曲は『drops』というんだけど、乱数がまんまるな涙をいくつも流すシーンはまさにdropsでしたね。これは涙のしずく(tear drops)とキャンディ(drop)のダブルミーニングだと思っています。

 

また、血を吐いた乱数を見た幻太郎のリアクションとテキパキした様子からすると、以前幻太郎は兄が同じように血を吐いた場面を見ているんじゃないかなぁ。幻太郎兄はヒプノシスマイク関係の事故のために昏睡を続けているんじゃないかと想像してしまう。

 

あとは学生時代の寂雷と獄の体操服姿でしょう…!もう大好き。寂雷の美少年ぷりと獄のしましま靴下にたぎりまくりです。

 

greeting from the god of shinjuku/HOT GAME

一二三と独歩のドラマトラックと新曲です。あんまり予備知識なく聴いたらいきなり軽快なリズムでホッケ!ホッケ!と流れてきて、焼き鮭に続くおさかなリリック曲なのかと思ったらHOT GAMEって言ってたんでした。

酉の市に行ってスーパーボールすくいをしたがる独歩がかわいい。オムライスが好きだったり祭りで遊びたがったり、独歩ってほんと29歳児って感じだからなんかいいよねぇ。

二人は結局熊手を2つ買ったんだけど、熊手って1年毎にだんだん大きく買い替えていくものなので、たぶんふたりは家に帰ってからそのことに気づき、また来年一緒に酉の市に行く羽目になるだろう。マンションでだんだん大きく存在感を増していく2つの熊手、なかなかシュールでいい。

 

 

sideB.B&MTC3巻感想

山田兄弟、MTCのクリアカードがニ枚もついていて楽しい。

 

個人的に気になったのは

真正ヒプノシスマイクをちゃんと使いこなせる人間を見つけるに越したことはねぇだろ?

という天谷奴零のセリフ。えっ、中王区は真正ヒプノシスマイクを使いこなせる人間を見つけたかったのか、今ってそういう話になってたのか…すっかり忘れてた…

確かに、同日発売されたsideF.P&M3巻には、神宮寺寂雷が真正ヒプノシスマイクの欠点(=使用者が死ぬ)を克服するパーツとして中王区に協力を約束させられるシーンが描かれているので、つまり現在の中王区の目的はハードソフト両面での真正ヒプノシスマイクの完成ということなんだろう。あっ、こういうぼんやりした読者が筋を追い直すためにコミカライズは同じ日にでているのかもしれないな…

 

ところで真正ヒプノシスマイクを使いこなせる人材として個人的におすすめなのは山田三郎です。なぜかというと三郎のソロ曲のタイトルは『New star』だから。

New star

=新星

=シンセイ

=真正

ということでどうだろうか。

 

あと、うまみザウルスさんって躑躅森盧笙を描くの無茶苦茶うまくないですか?うまみザウルスさんって清潔でクリーンな線が持ち味だと勝手に思ってて、だから洗脳された碧棺合歓とか毒島メイソン理鶯みたいな生硬なキャラに説得力持たせるのうまいなぁと嘆息してるんだけど、だからか躑躅森盧笙もすごくいい。盧笙の生真面目で硬い感じにすごくぴったりで感動しました。万が一ロショーツツジモリのスピンオフが出るならばぜひぜひうまみザウルスさんに描いてほしい。

 

男たちの誄歌/We Are Untouchable

ドラマトラックと楽曲。

誄歌とは何か?

 死者の生前の徳をたたえ、その死を悼む歌。

だそうです。物騒だ。

これはすごいドラマと曲で、なんと丸々劇中劇なんだなー!先日はシブヤが『奇術館の殺人』という劇中劇曲を出していたけど、今回はヨコハマに出番が回ってきた。

確かに違和感はあって、銃兎と理鶯がお互い「お前」と呼び合っているのは明らかにおかしかった。銃兎はともかく理鶯は基本的にお前って二人称使わないし。

じゃあ楽曲『We Are Untouchable』はどうなのかというと、これも銃兎と理鶯ではないような気がする。「ノワール」「指はトリガーにかかってる」は映画のシチュエーション・言葉をまんま使用している。

竹馬のダチが今じゃBack Stabbers

という歌詞があって、Back Stabbersは裏切り者って意味なんだけどこれも劇中の二人の設定なんじゃないかなぁと思う。だって銃兎と理鶯って竹馬のダチじゃないし。大人になって出会ったチームメイトだし。

たぶん劇中の二人はあの後お互い引き金をひき、二人とも死ぬんだろう。そして『男たちの誄歌』(=死者を悼む歌)というタイトルが回収されるんじゃないかと考えています。

 

 

家にあるヒプマイのコミックス(たぶん各巻1冊ある)を数えたら23巻になりました。『鬼滅の刃』と同じ冊数です。『うみねこのなく頃に』が50冊、『ジョジョの奇妙な冒険』が134冊なので、ヒプマイもそれぐらい長大な大河ドラマになったらいいなぁとギチギチの本棚を眺めながら願っています。



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兄ちゃん、ツチノコ型のネコだ!