ヒプマイのコミカライズ、少年マガジンエッジtrack14の感想です
(palcyというアプリを入れれば無料で読めるのでヒプマイの者は読まなきゃ損だよ)
個人的に「おっ」と思ったポイントが、乙統女様の提示したルール説明のモニターですよ・・・!
一郎対左馬刻のチキチキボタンどっちが早く押せるかなゲーム(?)のルールを簡素にまとめてあるやつ!
1つ、扉の先にいる相手をラップで撃破する
2つ、勝利して相手の後方にあるボタン(スイッチ)を押す
3つ、ここにいる理由を相手に話してはいけない
なんだよ「ボタン(スイッチ)」って!?
ふたりでラップバトルをして勝った方がボタンを押す、という謎ルールに加え謎モニターも相まって、非常~~~に安っぽい、たちの良くないバラエティショーか百番煎じのデスゲームのような雰囲気が漂っていました。
山田一郎と碧棺左馬刻にとってはお互いの家族の生命がかかった真剣勝負なのが、舞台の安さとの温度差を感じで無情です。
なんだこの茶番。
だがしかし、これはたぶん「あえて安いショーに仕立て上げてる」のだと思うのです。
おそらくこのショーの目的は、
- ラップの上手い男たちを潰し革命の芽を摘む
- 山田一郎と碧棺左馬刻の価値を損なう
- 反中王区勢力への見せしめ
って感じじゃないかな
1.ラップ能力者を潰し革命の芽を摘むよ
クーデターを起こし政権を乗っ取った東方天乙統女の目的は中王区の永続にあり(どうも東方天乙統女はH歴のあり方が正しいと本気で思っているのだ。好き)、男たちがお互い潰し合ってくれると助かるのだ。
先日終了したコミカライズBB&MTC編の最後のページ、乙統女様は言ってました
「男たち同士・・・・・・
争いの螺旋を永遠に彷徨いなさい」
(争い/彷徨い 螺旋/永遠で韻ふんでて最高)
正義が我にありと信じる乙統女にとって厄介なのは、自分が倒されること。
彼女が恐れているのは全国のラップ猛者の男たちが同調結託して自分を倒しにくること。
かつて自分がヒプノシスマイクを使用したクーデターによって前政府を倒したように。
なのであらかじめラップ巧者をピックアップし1つのチームTDDに集め、念入りに仲違いさせた。そうすれば彼ら(山田一郎・碧棺左馬刻・神宮寺寂雷・飴村乱数も?)が再び志を共にして中王区を倒しにくることはなく、彼ら同士の因縁でお互いが争い続けるだろう・・・そうすれば男たちは疲弊し、中王区に向かってくることはないだろう・・・万が一刃向かってきた際も戦力は削がれ、勢いが落ちていることだろう・・・男たち同士・・・・・・争いの螺旋を永遠に彷徨いなさい
乙統女の計画はこんな感じじゃないでしょうか。
じゃあそもそも国家転覆の武器となるヒプノシスマイクなんて男たちに配る必要ないだろう、という考え方もありますが、話がややこしいのは中王区の思惑には天谷奴零の計画が混ざっているからです。
天谷奴零にはやりたいことがあり、こっそり自分の望む方向に乙統女を誘導しているふしがあるのだ。
非常に社交的だが、自分の計画の為には手段を選ばない。
しかし自分が約束したものは必ず守るという義理堅さを持ち合わせている。
天谷奴零の公式プロフィールより引用しましたが、こんなプロフィールを持ってるってことは天谷奴は何か目的があるのだろう。なかったら嘘だ
天谷奴が乙統女サイドを裏切る伏線としては、「俺はお前たち(東方天乙統女)に余計なことしかしていないぜ」みたいなことをどこかのドラマトラックで独白してたはず。
中王区の施策は東方天乙統女+天谷奴零という微妙に異なったふたりの考えが混ざっているので見ているこちらからすると難解に感じるのでしょう。
2.一郎と左馬刻を貶めるよ
で、ボタン押しショーですが、あれはあくまでショーであり見世物です。なのであのようなゆるい舞台が提供されたのだ。本人たちは真剣ですが、観客にとっては単なる暇つぶしのコンテンツです。そこが道化の哀しいところで、H歴のヤバいところ。
あのTDDの山田一郎と碧棺左馬刻が戦う様子を安っぽいゲーム仕立てにして公開することにより、最強チームTDD、ひいては一郎と左馬刻の存在まで消費されてしまったのだ。
3.反中王区勢力へのアピールだよ
また、この一郎と左馬刻のやりとりを公開することで、TDDの後に控えていたであろう反中王区な男たちのチームにも、貴様らの未来はこういう破滅の可能性がある、しかも公開処刑されるんだぞ、という牽制にもなりました。
ところで、すごーく嫌な可能性として、TDDのメンバーは勝手に盗撮されて、リアリティーショーやドキュメンタリー風に彼らの人生を定期的に配信されていたら最悪です・・・今回一郎と左馬刻の仲違いを記録・公開されていたみたいに。(ご丁寧に、今回の催しをカメラが録画している様子がちゃんと描かれてました)
「碧棺左馬刻、妹のためにヤクザに・・・!?」
「13体目の乱数ちゃん登場だよ!」
とか、中王区が配信していたりして。
あんまり考えないようにしよう。
(まぁ毎回彼らの物語を楽しみにしている私が言えたことではありません)