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ヒプノシスマイク、それはひとことで言うと、公式サイトに書かれているように「音楽キャラクターラッププロジェクト」である。(昔は「男性声優キャラクターラップバトルプロジェクト」だった気もするが、ある時点で変更になっている)

私たちは彼ら彼女らの繰り出す音楽と言葉、巧みなラップ歌唱に右往左往、一喜一憂、ハラハラドキドキと楽しませてもらっていた。

 

そんなヒプマイのキャラクターたち、実はヒプノシスアビリティーという力を持っている。

公式ガイドブックから引用すると、

ヒプノシスマイクを使い続け、スキルを向上させた一部の者だけに現れるといわれている特殊な力。個々人でその効果は異なる。

と書かれている。具体的にどういうものなのかを少しだけ引用します。

 

山田一郎/Critical Blow
通常時の数倍もの攻撃力を誇る、会心の一撃を放つ

山田二郎/Rally

ディビジョンメンバーの精神力を借り、強力な攻撃を放つ

山田三郎/Delete

相手の攻撃力を無効化する

イケブクロだけ挙げてみたが、キャラクター性がでていて面白い!

一郎は自分自身のチカラのみを信じるパワー型であり、二郎は攻撃力がメンバーに左右されそうな危なかっしさもありつつ、結束が強ければかなり強そうな、良くも悪くもチームメンバー依存型。三郎は自分ではなく相手側に干渉するというチカラ。

このあたりは、施設を出てもあくまで自分で稼ぎ三兄弟だけで暮らそうとした一郎の姿だとか、陽キャで兄弟大好きで人懐っこいけど無意識的に長らく一郎の影響化にあった二郎だとか、兄ふたりとは毛色が違う(兄たちは選ばないペスカトーレ!)才能を持つ三郎の姿なんかが染み出していて、ヒプノシスアビリティーと彼らのキャラクターの話だけでうまい酒が呑めそうである。

さてこのヒプノシスアビリティー、男たち18人は明かされているのだけど中王の女たち3人については明かされていないのだ。残念。しかし、中王側の人間でただひとりそのチカラが明かされている人物がいる。それは中王刑事局特殊部隊【言浚】の隊長、みんな大好き邪答院仄仄である。

仄仄のチカラはやばい、あいつは問題児だが中王にいなくてはならない人材だ⋯的なことは中王側から折りにふれ語られていた。仄仄さんは確かにずっと強かった。シンジュク3人がかりで挑まねばならないほど強かった。しかしそのチカラの具体性については謎のままだった。そしてついに7連続CDの最後、ドラマトラック『Stay Gold』で仄仄さんのチカラが明かされた。仄仄さんが初めて彼女のチカラを使ったのである。

 

彼女のチカラ、それはなんと「相手の声を奪う」というものだったのだ。

なんということだ。このチカラは最強である。相手の声を奪うことができたらそれだけで勝ち確である。なぜならヒプノシスマイクは、彼ら彼女らの戦いは、音楽とラップ歌唱によって進められている「音楽キャラクターラッププロジェクト」であるのだから。相手の音楽の電源を切ってしまうように、音を、声を止める。それは悪魔的な反則行為であるが、最強のアビリティーだろう。

しかも仄仄さん、物語上でこのチカラを使ったのは最後の最後の1回だけである。使えば勝ち確、男たちどころか総理大臣の乙統女様だって倒せそうなこのチカラを仄仄さんはずーっと使わずにラップバトルしていたのだ。仄仄さんはずっと世界相手に舐めプしていたのである。怖い話である。そして仄仄さんはこのチカラを使い、また物語の外、檻の中に戻っていった。

ところで、映画ヒプノシスマイクことヒプムビのラストナンバー『MIC AS ONE』。本当に感動的で、まさにヒプマイを、ヒプムビの最後を飾るにふさわしい素晴らしい楽曲なんだけれど、この曲は男たち18人と中王の3人が共に歌う曲になっている。ヒプムビで描かれた大団円エンドそのままの多幸感あふれる楽曲である。そのサビを引用すると

誰もが声を奪わない そんな惑星へ行って

誰かのため韻踏みたい そんな故郷へ夢見て

止めどないその夢とも欲ともいえないけど

その言葉が世界を救うと

声と声 壁越えて 分かち合うと

詠い繋いで amplified

となっている。

「誰もが声を奪わない」。それは仄仄さんのチカラと真っ向から対立する概念である。仄仄さんの強さは誰かの声を奪うことにあるのだから。

6ディビジョン+中王の最終的な願いが

誰もが声を奪わない そんな惑星へ行って

誰かのため韻踏みたい そんな故郷へ夢見て

になるのだとしたら、それを完全に否定するスキルをもった仄仄さんはやっぱり物語から退場するしかないのだ。彼女の存在はヒプノシスマイクという物語において、全く祝福されていない。

いや、仄仄さんはチカラを使わなければよいのでは?という意見もある。アビリティーを使わず、普通のラップだけで戦えばいい。それでも彼女は十分強いのだから。だったら仄仄さんだってヒプノシスマイクの世界で主要キャラクターとして仲良くやっていけるだろう。そのカリスマ性と人気で中王の4人目のメンバーにだってなれるかもしれない⋯

でも、これも変な話である。主要キャラクターの中で仄仄さんだけ彼女本来のチカラを発揮できないなんて変である。一郎が、二郎が、三郎が、彼らのヒプノシスアビリティーをもって力いっぱい戦っている横で仄仄さんだけアビリティーを封じられている。誰もが声を奪わない惑星で、彼女の声が奪われている。

結局、元から仄仄さんの居場所はあの世界のどこにもなかったのだろう。仄仄さんはそのアビリティーが発現した時から、いずれは物語から退場するしかない運命を背負ってしまったのだ。彼女は「音楽キャラクターラッププロジェクト」のゴールテープを切るキャラクターにはなり得なかった。だからヒプムビには彼女の姿はなく、その存在の匂わせすらなかったのかもしれない。というのは穿ちすぎなんだろうけど。

 

ところで、私は物語には余白があると嬉しいタイプである。なので、那由多の話や幻太郎兄の話や、よつつじくんの今後の話、乱数の元となったのは誰なのか?という謎の話は、もう語られ終わったんだな〜と受け止めているんだけど(でもヒプムビ円盤のドラマトラックで語られる気はする)、それはそれとして中王の3人、乙統女さま無花果さん合歓さんのヒプノシスアビリティーは何なのかというのは気になるので、明かされたら嬉しい。それは、チカラを明かされると同時に退場することになってしまった仄仄さんへの、鎮魂歌となるはずだから。

 

 

2025年に発表されたヒプノシスマイクの個人的に好きなリリック語り

みなさまこんにちは

年末年始に連休がある(嬉しい)ということで、2025年のヒプノシスマイクの、主にリリックについての振り返りをやってみたいと思います。

2025年、それはまさかのヒプムビ大旋風の年でした。ヒプムビがあそこまでバズると予想していたヒプの民はいたのでしょうか。私はムビチケを7枚買ったのですが、これはもしかして使い切れないんじゃないか?と思っていました。

しかし蓋を開けてみると大バズリです。興行収入25億達成、いまも上映館が存在しているロングラン。(東浦という愛知県の映画館がずっと上映しているらしい。一度観に行ってみたい)なんなら私の近所の映画館は5月で1回上映が終わったけれど9月に再上映して客席を常に埋めていました。ていうか私も埋めました。結局ムビチケ7枚じゃ全然足りなかったよ!

ムビがどれくらいバズったかというと、ヒプマイのちびぐるみの価格高騰によく表れています。ちびぐるみはちょうどムビ前に市場に出回りましたが、当時ヒプマイ自体の人気がかなり低調だったこともあり中古市場では数千円もしない価格で取り引きされていました。それがあれよあれよと上昇し、最近まで余裕の1万円超えで取り引きがなされていたようです。すごい。なお、ちびぐるみは最近再販が決定したのでバブルはこれで終了となることでしょう。

さて、ヒプムビについてはねっとりと感想を書いてあるので、インターネットでオタクの文章を読むのが好きな方はどうぞ。

https://pyonkospica.hatenablog.com/entry/2025/03/10/185558

また、エンディング曲『MIC AS ONE』という最高の楽曲についてもじっとりと感想を書いてあります。

https://pyonkospica.hatenablog.com/entry/2025/06/16/200659

 

というわけで個人的に好きなリリックを、今年(2025年)に発表された楽曲縛りで紹介していこうと思います。Twitterでも同じ内容をやっているのですが、どうしても短文や画像にしないといけない縛りがあるのでこういう話は本来はブログの方が向いていると思う。

 

イケブクロ

災害級の

あのマイマイ

少し不思議な Sci-Fi

(『MIC AS ONE』より)

山田一郎のリリックです。試写会で聞いた時にドラの者として悲鳴をあげそうになったのはいまも新鮮な記憶です。

まずSci-FiというのはSFのことです。そして、「すこし・ふしぎ」というのは偉大なる藤子・F・不二雄大先生による有名なSF解釈です。ヒプノシスマイク・ディビジョンラップバトル編、最後の最後(たぶん)で明確に匂わされた藤子・F・不二雄テイストに滂沱の涙が流れてしまう。なぜここで藤子不二雄神が出てくるのかというと、山田一郎とジャイアンは声優さんが同じだから、なんですね。

これまでヒプマイはあんまりドラえもん山田一郎の繋がりを前には出してこなかった。

山田一郎のソロデビュー曲のタイトルが『俺が一郎』なのはジャイアンのソロ曲が『おれはジャイアンさまだ!』なのをリスペクトしているのかな?とか

・イケブクロvsオオサカ曲『Joy for Struggle』の

絶妙なトリオや

ほんわかぱっぱ

の、「ほんわかぱっぱ」は吉本新喜劇のジングルと同時に『ぼくドラえもん』の「ホンワカパッパ」でもあるのかな?というくらいか。

・また、ARB山田一郎ハロウィンジャイアンコスプレの話があったけれど、ARBは限りなく原作に近い存在でありながら本編ではないのでギリギリセーフなんだと思う。

そんな流れでの「少し不思議な Sci-Fi 風」ですからね、これはもう純度100%の直球藤子不二雄イズムです。ついに王様の耳はロバの耳!と叫んだのです。ああ、ヒプマイ、やりたいことをやりきったんだな⋯という感想で胸が一杯である。

 

ヨコハマ

くすねたコインの裏表

社会相手に

イナイ・イナイ・バア

(『MIC AS ONE』より)

またMIC AS ONEより、左馬刻様の歌詞。H歴と現代は違うという前提があるとしても、左馬刻様って反社会的勢力という職業的に、表舞台には出てこれないお方なんですよね。将来、たとえば合歓さんが政治家になったとしても、兄が反社会的勢力であるという事はいつか対抗勢力に突かれるポイントとなります。もちろん合歓さんは政治家にならなくても、普通に結婚とかする場合でも、親族が反社会的勢力の一員だというのは将来的にハードモードな展開になり得ます。H歴はどうなっているのかはわかりませんが、現代社会というのはわりとそういうものなのです。碧棺兄妹って実はヒプマイ中で一二を争う大変な立場にいる人たちだといっても過言ではないはず。だから左馬刻様は混乱した世界が安定したこの先は、合歓さんのために今よりさらにうまく立ち回らないといけなくて、出てきたり隠れたり、まさに彼は火貂組にいる限りは社会に向かって一生イナイイナイバアをしないといけないのです。(ところで左馬刻様はファイナルバトル前に組に暇乞いをして認められたけれど、その暇乞いがどこまでのレベルの話なのかが未知なのも解釈が分かれる部分だと思う。一時的なものなのか恒久的なものなのか?)

このリリックはそういう難しい未来と、それにまつわる決心を短くコミカルにさっぱりと表現したんだと思っていて、とても左馬刻様らしいなぁとしみじみしている。

 

シブヤ

Stick To My Mic全篇!

『Stick To My Mic』、これはどこも沼すぎてリリックを選べないので全篇。(そんなのありか?)

この楽曲には2017年から2025年までのシブヤ(とシンジュク)の歴史と因縁が詰まっている。全員分の格言元の偉人やその言葉が組み込まれているのがすごく楽しい(下図)。

シンジュクが

どんな色もillな灰で帰す

牙の再来だ

と、寂雷のMCネームイルドックを織り込んでいるかと思えば、シブヤは

意地悪だね

可哀想

と乱数のMCネームイージーアールを盛り込むという最高展開。他にもいろいろあるはず。テキストを読み込むタイプのオタクと相性が抜群で、リリックを紐解くだけで涙と時間が溶けていくこと必至の曲です。

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シンジュク

そのBig沼 

(『HYPSTER』より)

シンジュクもStick To My Micにしようかと悩んだけれど、2025年最後の衝撃リリックのこちらで。我らがヒプマイのファンクラブの名前「ヒップスター」と韻を踏むために選ばれた言葉が、「Big沼」というユーモラスで非常に今風の単語だったのがすごく面白いし、それを発言したのが意外なあの人だという事実もすごく面白い。Big沼という字面も謎に面白い。2025年の年の瀬にキャッキャッと大はしゃぎしている。あまりに良すぎてTwitterの位置情報をすぐさま「Big沼」に変更したのは秘密。

 

オオサカ

進んどるようでムーンウォーク

昔話うるさいっちゅうの!

今が楽しないんかあほんだら

(『Out of Harmony』より)

これまで対左馬刻リリックとしては『Reason to FIGHT』のラムダパート、

もう怖い顔しちゃって 何その態度

プリプリしてるね毎度毎度

 取られたくなきゃ守んないと

が最強だった。妹を洗脳した乱数が、被害者左馬刻に向かって煽りまくるという最低最悪最強の攻撃力だと考えていたが、白膠木簓も左馬刻攻撃界隈に参戦したらいきなりトップを取った感。これを言ったら相手にダメージが入るだろうなって言葉を的確に選ぶセンスと実際言ってしまう胆力はさすが一流芸人。簓氏、左馬刻様が過去にとらわれやすい性質だってわかって狙ってるよね!?白膠木簓、いざ敵に回ったら怖すぎんか⋯

 

ちなみに次点はこちら『笑門来福』の盧笙パート

ワロテル場合と違う!ってか

たまには泣いてしまう! ってか

腹立つ事ばっかり!もう

頭がパンクしちゃう! ってか?

汎用性が高くて、皆の気持ちを代弁するすごく上手いリリックだなーと思う。ヒプの民100回くらい日常で「たまには泣いてしまう!」「頭がパンクしちゃう!」って脳内再生してそう

 

ナゴヤ

超えてきた

トウカイ道

(『Last Man Standing』より)

これは短いフレーズなんだけど、西側からの遠征民はそれな〜!!と共感の嵐では。映画館でこのリリックを見る度に、東海道新幹線とその駅、駅弁の購入と乗車前のスタバで注文中のワクワク感、外国人観光客のクソデカスーツケース、キャリーの一生続くガラガラガラガラ音、新幹線のホームと流れる車窓がブワッと浮かんで旅情がはんぱない気分になる。それと同時に、ナゴヤという場所と東都の物理的な遠さ、さらには東京一極集中の現実世界の問題のことまで思考を巡らせたくなる名リリック。これまでナゴヤ関係の歌詞で使われてなかったのが不思議なくらいナゴヤチームの在り方をどんぴしゃに表現し要約した、素晴らしい言葉だと思う。

 

中王区

真実も嘘も愛し過ぎたか?

この性格変えないから

明日明後日もアイラインは鋭角

(『MIC AS ONE』より)

まず、無花果さんが嘘を嘘だと知りながら自覚的に中王に所属していたという告白が最高。これは本当に最高。それでなくちゃ無花果さんも乙統女様もキャラクターとして報われない。彼女たちは自分たちがやってることが正しいだけじゃないって知ってても突き進んだんだよね?どこまで行けるか己を試したかったんだよね?そこが中王の一番のキモで、素晴らしい部分で熱く泣けるポイントだと思うので、インビジブルマナー様ありがとうございますの感謝しかない。無花果さん、可愛いもの好きなのがバレたり器用にクッキー焼いたりクローンラムダと同居することになったりして当初よりキャラ付けが複雑になっていったので、無花果さんをかっこよく描くのはだんだん難易度が上がっていると思う。

実妹の棗への愛や合歓さんへの情、クローンラムダたちに居場所として自宅を提供してあげた事実などを鑑みると無花果さんは情が深い愛の人でもあるので、真実も嘘も愛し過ぎてるのはさもありなん。私の中で左馬刻様と無花果さんは同じタイプの人である。そんな無花果さんが自分は情が深いってわかってるのも最高だし、かといって自分の性分は変えられないしな!このまま行くしかないな!って考えてるのも良すぎる。魔女は反省なんかしないのである。

 

 

ということで2025年はこれで終わりです。ストーリー的にはファイナルバトルも終わり、2026年のヒプノシスマイクは一体どうなることでしょう。個人的には2ndで終了しているコミカライズをファイナルバトルまで完結させてもらえたら嬉しいなーとずっと思っているのだけれどこれはもう無理そう。コミカライズCDでしか聞けない曲がまだあるので、それらを収録したアルバムは今年出る気がする。じゃないと名曲「夜光虫」がサブスクで聞けない高難易度曲になってしまうので五体投地でお願いします。

ディビジョンラップバトルについてはファイナルだから本当に終わるんだろうけど、新たな別の興行バトルの可能性も、理鶯が『NO WAR』で「争いはエンタメやshowじゃない」って静かにNOを突きつけているのでもう開催しにくい気がする。バトルをスポーツ的フェス的な方向に再定義すればワンチャンいけそうだけれど。個人的には幕間的に、優勝チームはカニ食べ放題とかのゆるい理由でバトルする彼らの姿が見たいです。フェスも地味に好きだったのでファイナルバトル記念にもう1回開催してくれませんか山田一郎。そして2026年もラップってたのC!世話になるぜヒプノシスマイク!という年になりますように。

UMAJO MEETS HYPNOSISMIC -D.R.B-に行ってきた

2025年11月から12月にかけて、JRA日本中央競馬会ヒプノシスマイクのコラボイベントが開催されました。その名も「UMAJO MEETS HYPNOSISMIC -D.R.B- 週末のバイブスアゲてこうぜ!」

11月は東京競馬場、12月は阪神競馬場でコラボ。

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私が行くなら阪神競馬場なのだけれど、阪神競馬場は普通に遠い。距離的にはそうでもなくても精神的に遠い。当初、現地には行かずにグッズ通販で終わるつもりだったのですが、ちょうど仕事の都合がついたこと、なぜか忘年会(しかも幹事だった)の日付けがずれて空白の日が出現したこと、また12/20は十年に一度の高温日で晴れ予報だったという好条件が偶然揃ったことから12/20土曜日に急遽参加しました。寒いのが苦手。

 

阪神競馬場兵庫県の仁川という場所にあります。9時オープンで10時前に到着。(すでに遅刻している)

G1の日は外したけれど朝から人、多い!

仁川駅は9割男性で1割女性かなーという印象で、普段ヒプノシスマイクのイベントでは女性を見慣れてるので少しドキドキした。本当にこのような、おっちゃん兄ちゃん盛りだくさんなところでヒプノシスマイクのコラボが行われているのだろうか⋯?と不安になりながら競馬場まで歩く。

グッズ購入には競馬場イベントアプリというものが必要だと知りダウンロード、午前の枠が取れた。とてもラッキーなことに、ヒプノシスマイクバージョンのビギナーズセミナーも午後枠が空いていたので申し込む。

しかしその後は勉強不足により、どのような動きをすればよいのかまったくわからずフラフラとさまよっていた。グッズを買う場所すら把握していない。たしかスタンプラリーがあるはずだけど場内にそういったインフォメーションはとくにない。完全に自業自得である。台紙すらない絶望感の中で迷子になっていると偶然パネル発見。ありがとうシンジュク麻天狼。スタンプラリーの台紙も貰えた。台紙さえ手に入れたら後は大丈夫、なぜなら台紙に今回のコラボに必要な全ての地図と概要が描いてあったのだ!

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地図を見ながらエッホエッホとパネルをめぐりスタンプを押してもらう。楽しい。スタンプはディビジョンごとに6色に分かれていたけれど、色の組み合わせが微妙にはずしてあった。シブヤとナゴヤだけ合っている。

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(スタンプを押してくれる方が博報堂の札を下げていたので、UMAJOプロジェクトは博報堂系なんだろうなーと推察。ヒプマイをコラボに採用してくれてありがとう)

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左馬ベビーカステラを左馬刻さまと食べたり

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かすうどんを食べたりしてグッズ購入時間を待つ。

ところでイギリス王室所有のアスコット競馬場という場所をご存知ですか?事前に食事処を調べた時に、ここ阪神競馬場にもASCOTという店があるのを知り、これはぜひ貴族の社交の一環として乙統女さまをお連れしなければと思ったのだけれど阪神競馬場のASCOTは指定席ゾーンにあるため入るのを諦めてしまった。指定席は取れなかったし貴族への道は遠い。ごめんね乙統女さま

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せめてアスコット気分をと、アスコットダンスという馬の馬券を買ったけれど大ハズレであった。

 

さて、グッズも購入しビギナーズセミナーも受けた。セミナーを受講するとヒプマイコラボの紙袋にヒプマイチケットホルダーまでもらえてほくほくである。セミナー参加は予約が数分で終わる激戦だという話をXで見かけたので最初からあきらめていたが、阪神も後半となると少しセミナー枠に余裕が出てきたのかもしれない。気がつくと場内には同じ紙袋を持ったヘッズがたくさんいる。みんなたぶんちゃんと朝から来ていたから、駅で出会わなかったんだな。

 

今回の個人的メインイベントの一つは11レースの枠色マスキングテープチャレンジである。本日の11レースで1位になったジョッキーの帽子の色がランダムに貰えるカードの色と一致したら非売品のコラボマスキングテープが貰えるという非常にバクチ性の高い催しである。なので11レース(15時半)までは絶対にこの場にいる必要がある。どうやって時間をつぶす?スマホ?グルメ?いや、もっとこの場でしかできないことがあるような?さて、ここはどこ?

 

そう、ここは競馬場。となればやるしかない。

勝馬投票券の購入、つまり競馬を⋯!

というわけで

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が ん ば れ !

ビギナーズセミナーの講師のお姉さんも一押しの、スマッピーというシステムがすごく簡単で良かった。スマホで選んで券売機にかざすだけで馬券が買えるのだ。とにかく長くドキドキ感を味わえるように浅く安く買ってみた。

・「ゴーイングムーン」、十四くんのMC NAME(14th Moon)でもあり、天国獄さんの格言「月に手を伸ばせ たとえ届かなくても」It is my belief that reaching out to the moon is my goal. Even if it does not arrive.でもあり、こんなん絶対勝つやろと思って興奮して自分なりに高めに買ったが、結果はかすりもしなかった。

・「ジュウリョクピエロ」も、伊坂幸太郎やんけ!(『重力ピエロ』という小説がある)と大興奮して買ったが、もちろんかすりもしなかった。

 

・そして「ソウテン」。

雲外蒼天!?『HUNTING CHARM』(ヨコハマに同名のリリックあり)やな!「雲の向こうは、いつも青空」There is always light behind the clouds.(碧棺合歓の格言)やな!とロマン枠で買ったらこれは大当たり。ソウテン、12番人気の40.4倍だったのが見事2着になった。

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結果発表

当たった券にラインを引いてみた。

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地味〜に勝てており、2800円購入し1860円払い戻し。ゴーイングムーンの値段をもっと控えていたら良かった⋯ていうか11レースはソウテンとヤブサメを2着3着で当てたためこれをワイドか3連複にしていたら一攫千金だったのでは⋯?と、早速ビギナーズセミナーで学んだ知識を駆使して後悔しています。

 

というかマルチケース全種買ってる時点で家計の採算とれてないからね!

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このウマ耳の絵柄ほんとにかわいいですね⋯

 

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その他にも、日本酒のイベントをやっていたので飲んだくれたり(阪神競馬場には「ホルモン人」という肉吸いとホルモンの名店があるのに帰ってから気づいてくやしくて転げ回っている。絶対リベンジする)

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ウマを見たり

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ウマを見たり

(パドック側の巨大モニターってなんでレースを流さないんでしょうね?最初、このモニターでも中継があると思っていて待ってたら普通に1レースが終わっていた)

初めての競馬場、初めての投票、初めての経験だらけだったけどとても楽しかったです。競馬場、すごく広いし綺麗だし飲食店もあるし、近所にあったらギャンブル性の高い公園みたいな使い方ができて楽しいだろうな⋯とうらやましくなりました。ギャンブル性の高い公園ってなんだ?

まさに

ウマにときめく、とっておきの週末

を体験することができました。いつも新しい世界に連れて行ってくれるヒプノシスマイクありがとう、ありがとうJRA日本中央競馬会さま!

 

ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 11th LIVE ≪Final D.R.B≫MAD TRIGGER CREW & どついたれ本舗 感想

 

みなさまこんにちは

2025年9月21日日曜日、ヒプマイ11thライブ(ヨコハマ&オオサカ2日目)に行ってきました。

ヒプノシスマイクのナンバリング付きライブ、11回目は2ディビジョン合同ライブとなっています。そんなの全部行きたいよねえ!?と思うのはやまやまなのですが、休みの都合や休みの都合、そして休みの都合などによりすべて参加することは叶わず。そもそも全部当たるんかいなという話でもあります。

ヒプムビの超ヒット、ランニングホームランにより、新しいヒプノシスマイクのファンがおそらくたくさん生まれているために、今回のライブも激戦となったと思われます。そもそもキャパシティが今回は1日4000人らしいので(シブヤシンジュク会場は10000人)、10thライブで2万人×2日間がやってきたヒプノシスマイクとしては結構小さめの会場だったのもSNSで阿鼻叫喚が生まれた理由だったのかもしれません。

 

私のヒプノシスマイク名義はひとことで言うと「最速で確実に当たるが席の場所は全く保証しないし、なんならほぼ天井より」です。これまでで一番の良席は8thの前から10番目だったかな?後はもう小指のような大きさの声優さんが前の人の肩からチラチラ見えるのを必死で食らいつくというスタイルでした。

しかし今回、ヒプライブ初の奇跡がおきました。受け取ったチケットにA3列と書かれていたのです。どうやら前から3列目だと知って倒れそうになり、いそいで美容院を予約。そして現地に到着すると⋯

なんと、1列目と2列目は撤去され、3列目が最前となっていました。プレッシャー(何の?)で再び倒れそうになりましたがなんとか座席に到着。めちゃくちゃよく見えるやんけ!!!

そりゃそうだ。前に人はいないし目の前がステージ=声優さん。一生分の運を使った気がします。というか、確率的にもう今後は最前席はこないので、今回が私のヒプのライブのピーク点だと言うのは間違った話でもないのです。あとは下がる一方だよ⋯

全然関係ないですが、行きしなに昼ご飯でも買おうと新幹線の駅をぶらぶらしていたら、超貴重行列必至百貨店での予約案件な有名スイーツ「出町ふたばの豆餅」がなぜかたまたま入った駅弁屋に入荷したという呼び込みをしておりそれも超絶ラッキーであった。生きてるとたまにいいことありますね⋯

 

セットリスト

ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-+

Hoodstar +

シノギ (Dead Pools)

HUNTING CHARM

Scarface

笑オオサカ!~What a OSAKA!

なにわ☆パラダイ酒

縁-ENISHI-

ヒプノシスマイク-Division Battle Anthem-+

Out of Harmony

Choice Is Yours

笑門来福

Yokohama Walker 

あ > オオサカdreamin'night 

SUMMIT OF DIVISIONS

Hypnotic Summer

Next Stage

MIC AS ONE

https://open.spotify.com/playlist/1blYJLYNazwLyXEfE0nsDs?si=DRY5KerzQ2etirIezq_x6w&pi=6afm3iK4T5u9s

 

 

個人的なイメージですが、ヨコハマとオオサカは、ともに節制の効いたチームだと思っていて、やはりヨコハマのリーダーが演出家や俳優など多彩な才能を見せる舞台人であることと、オオサカのリーダーがバランス感覚の魔神であることが関係していると思う。もちろん天谷奴さんの声優さんが自分の世界観をしっかり持ったタイプのベテランなことや、ヨコハマの二番手三番手は声優以外の顔も持っていること、オオサカの二番手は声優として着実にキャリアを重ねている方だと言うのも関係している。全員わりとクールな大人の仕事人であるというのが共通点かもしれない。なので、そんなヨコハマオオサカのライブが楽しくないわけはなく、エンターテイナーのプロフェッショナルが集まった、長い素敵な映画を見ていたような幸せな気分でいた。しかも歌もめちゃくちゃうまいんだわ6人とも。

 

特にあらためていいな、と思ったのが

シノギ

ハマにーハマれー⋯と淡々とした曲の印象だったけど理鶯声優さんが上手くてアクセントとしてすごくよかった。こんなにかっこいい曲だったんだ⋯とびっくり。タバコを吸う演出や水を飲む演出も舞台のようで、完成された物語として観ていた。ていうか今回の理鶯声優さん全体的に歌がめっちゃくちゃ良かったですよね?仕上がりがキレっキレで本当に素敵な歌声だった。

HUNTING CHARM、Scarfaceのヨコハマ三部作?と続くセットリストが、クールでかっこよく、でも少し熱いヨコハマの世界観を表現していてとにかく眼福耳福だった。

・縁

エニシもいい曲だなー。「会うは別れの始め」がテーマでもあるので本来はちょっと寂しい曲でもあるのを、オオサカの知性と力技でハッピーエンドに持ち込むのがとにかくエモ。(そもそも笑いというのが知的な営みなので、オオサカは知性のチームだとおもっている。)

・Choice Is Yours

今回のライブの白眉はこの時だったんじゃないかと。サマトキ声優さんが拳を振り上げ、おーおおおおー♪と歌え〜!と会場を誘導してくれたのが前列にいるとすごくよくわかった。とにかく拳をあげろ!声を出せ!MTCと一緒に行こうぜ!というあの一体感は何だったのだろうか。あの瞬間確実に会場がうねり、一つになっていた。ジョン・レノンがイマジンでやろうとしたことをヨコハマはあの瞬間に蒲田で達成していたのだと思う。

 

楽しかったこと

たしか10thでリオーズブートキャンプの係だったダンサーさん(Protecterさん?)を10th以来でお見かけできてとても嬉しかった。とても目を引くコミカルな動きをされていて半ズボンなのでつい目で追ってしまう。うまく身体を動かすことや人の前でパフォーマンスをすることが苦手なので、ダンスってすごいなーと、運動って良いんだろうなーヒプマイのライブに行くたびにしみじみ思う。

 

面白い寸劇がたくさんあって本当に楽しかった。私が好きなのはヒプマムビ興行収入22億円→俺の3食分(天谷奴声優さん)→こんどご飯連れてってください(サマトキ声優さん)→なに食ってんねんタワマンか!(簓声優さん)という流れ。最後に、タワマンて饅頭じゃないぞ!タワ饅か!という話になっていて即興だろうに上手すぎてオチもついてびっくりした。

 

・人肉王座に座るサマトキ様

・間近で見るとみなさん衣装がかわいい!ファニーなTシャツとジーンズのサマトキ声優さん、テカテカ黒手袋の銃兎声優さん、EW02そっくりの理鶯声優さん、全身キラキラオレンジの簓声優さん、タイトなベルトがすっきりした盧笙声優さん、白いファーが素敵な天谷奴声優さん(ファーをぬいでカーディガン様の服を着ているのもすごく綺麗だった)。銃兎声優さんが膝下までのえらい長いブーツはいてるな〜と思ってたから最後に自分でツッコんでいたことに大笑いしたが、よく考えたら現地で普段演者さんの足元とか見えないんだよね、だってあんまり見えないんだから。前方にいてくっきりはっきり見えて、靴についてのネタに笑える贅沢さに震えた。

・すきあらば出てくる千鳥格子のハンドタオル

・「メロい」「可愛い」からのぶっ殺すぞを浴びれる

・理鶯声優さんの銃刀法違反疑惑ネタ

・東西眼鏡交換

・イレぶーんをかたくなにやらない理鶯声優さんとジャンケンに負けたからやらされた天谷奴声優さん(さんざんゴネて最後の退場の時にやったのがとても綺麗な終わり方で良かったですね⋯)。DJU-ICHIさんはいつも空気を読むのがうまくてリアクションに安定感がある

・ぶつかって人格が入れ替わったサマトキと簓。サマトキ声優さんのコミカルで軽やかな動きが可愛らしくて素直に笑ってしまった

などなど見どころがたくさんで笑いの絶えない2時間弱だった。

最後、マイクアズワンの時にアルミ色の紙吹雪が射出され、それが長い間ずっと舞い続けていたのが夢のようにきれいでまるで天国のようだった。普通にオレンジの1枚がフワフワと腕に乗ったので捕まえた。ライブ後に自分の椅子をみると青やオレンジのアルミ吹雪が永遠に溶けない雪のように数枚積もっていたので記念に持ってかえってきた。

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昨日のライブ後に学校の周りに滞在しすぎだと苦情が来たらしく、絶対に速やかに帰るようにとアナウンスがされていたが、そういう内容のアナウンスは4thライブから参加していて初めて聞いたので少しびっくり。片柳アリーナはヒプマイやカリスマなどのキングレコードコンテンツのライブでも使われることが多く、そもそもが学校施設なので、そこら辺のマナーは守らないと貸してくれなくなるかもしれないし、そもそも近隣に迷惑をかけるのはよくないし、なかなか悩ましい問題だなぁと考えさせられた。蒲田といえば「蒲田行進曲」(駅のメロディも蒲田行進曲で感激した)。虹の都 光の港 キネマの天地、と歌われる場所で、キネマではないけれどヒプノシスマイクのライブが行われるのはすごくありがたく尊いことである⋯厳密な話をすると蒲田にあったのは松竹なのでヒプムビの東宝は関係ないのだけれど⋯

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ライブが終わってからも物販をしていたので、記念にランダムのリフレクターを1つ買ったら銃兎が出てにっこり。ヨコハマオオサカライブらしいお土産になった。

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遠征に来たら必ず崎陽軒シウマイ弁当を買うのだけれど、初めて買ったとき(7thライブ?)は800円代だったのが1070円になっており驚きを隠せない。遠征でインフレーションを学んでいる場合ではない。

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今回のライブは正式名称が「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 11th LIVE ≪Final D.R.B≫MAD TRIGGER CREW & どついたれ本舗」であり、Final D.R.Bだと明言されている。ディビジョンラップバトルが終わったら別の章が始まるのかもしれないし、始まらないのかもしれない。しかし、こんなに楽しく皆に望まれているコンテンツをこれでおしまいにしてしまうのは本当にもったいない話だと、ライブに参加してつくづく実感した。だから、どうか、世話になるぜヒプノシスマイク、の世界が続くことを願ってやまない。

MIC AS ONE 感想

 

2025年6月11日は映画ヒプノシスマイクのアルバム『MIC AS ONE』の発売日でした。

全員集合絵柄の特典いいな〜と思って今回はじめてタワレコで注文したら、フラゲ日に届きませんでした。フラゲしたいなら安定の楽天かアマゾンだということがわかった。

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今回も長々と感想を書いていきたいと思います。

というかですね、ヒプムビ、MIC AS ONE発売までに秘匿されていた内容が多すぎてやっと全てを語れるようになったか⋯!という感じです。2月の上映開始からいままで、わりと重要なことが隠されていた。

例えばオープニングに『ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- +』が 使用されていることや、エンディング曲『MIC AS ONE』 が存在し、なんとinvisible manners様が描き下ろしていること、同じくinvisible manners様が決戦曲『Claim Victory』を6パターン描き下ろしていることは少なくとも4月中旬になるまで公式アカウントで触れられていなかったし、『MIC AS ONE』『Claim Victory』に加えて『Last Man Standing』『Out of Harmony』『Stick To My Mic』のリリックが正式に公開されたのも6月11日。

映画を観て歌詞を知って、あっ!と思っても4ヶ月間それをクリアに呟けない状況にあったのです。王様の耳はロバの耳状態であった。

 

Last Man Standing

イケブクロvsナゴヤの曲。タイトルがLMSでLarge/Medium/Smallみたいでかわいい。山田三兄弟の年齢のようにも見えるし、ナゴヤ3人の身長の話のようにも見える。コーラのサイズの話みたいでもある。全然関係ないけれど、Last Man Standingという言葉を知ってから、職場って結局Last Man Standingだよなぁ、飛び抜けて優秀じゃなくても出世しなくても最後まで立ってたらそれだけで勝ちなんだろうなぁと思うようになったので個人的に汎用性の高い概念として思い入れが深い。(もちろんイケブクロとナゴヤはもっとソリッドかつ真面目な意味合いで使っています)

十四くんが

3,2,1 子ヤギの三兄弟

と言ったら二郎が

ヤギの兄弟だ?つまりは GOAT

てっぺんの Flowsに 着いてきな DAWGS

と返すのがクール。GOATは動物の「ヤギ」を指す名詞であり、スラングとして使われる「Greatest Of All Time(史上最高)」の略語でもある。ちなみにDAWGSは犬である。

 

Out of Harmony

ヨコハマvsオオサカ。地獄の花いちもんめみたいな曲調。Last Man Standingがスポーツ的な展開だったのに対し、こちらは特に左馬刻さまの湿度が非常に高い楽曲になっている。

特に左馬刻さまのリリック

お前が砕いたダイアローグ笑いごとじゃ済まないだろう?かつての相棒が踏みにじった信頼をハマの仲間がまたくれたんだ

に対する簓のリリック

進んどるようでムーンウォーク昔話うるさいっちゅうの!今が楽しないんかあほんだらほな あん時みたいに遊んだらぁ

ここが白眉です。なんという切迫した哀しいやりとりなんだ。このやり取りを聞き、ヨコハマ優勝ルートを見たら左馬刻さまに対する激重感情で激重怪ブログ記事を書いてしまったくらいの事件でした。

ヒプムビ 感想 - pyonkospicaの日記

うまく前に進めない左馬刻さまに対し、昔話うるさい!今が楽しないんか?と答える簓の気持ちもすごくわかる。簓はしんどい出来事をそれはそれとして処理し、楽しいことを探して日々の笑いに昇華して生きてきたんだろうな⋯と。

 

(MTC)地獄へ共にいける仲間と!
(どついたれ本舗)天下取りいける仲間と!

リリック的にもMTCが「地獄へ共にいける仲間」であり、どついたれ本舗が「天下取りいける仲間」で、一緒に底まで落ちて不幸になってもかまわないチームと、一緒に頂上を目指し幸せになりたいチームであるという全く正反対のベクトルをお互いが志向しているのも本当に良くてですね⋯

 

Stick To My Mic

来ましたシブヤvsシンジュクStick To My Mic。もう小ネタの宝庫すぎて拾い切れる気がしない⋯

まず前提としてヒプノシスマイクの主要キャラクター21人はそれぞれに歴史的人物の格言を背負っています。もしかすると映画から入ってこられた方はそれをご存じないかもしれない。ヒプノシスマイク公式サイトで簡単に見れるので調べてみてください。

そして、Stick To My Micには彼らシブヤ&シンジュクチームが背負う格言の人物からの引用/オマージュが含まれています。

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幻太郎の灯すページは違うのかもしれない、幻太郎だけ2つ引用してあることになるから。でもあえて「灯」という言葉を使ったのは意味があるのかもしれないので上げています。そして、実は幻太郎のチャールズ・チャップリンは初期〜中期幻太郎の格言であり、今は

正直者であることは、沢山の友人を得ることはできないかもしれないが、常に正しい友人を得ることができる。

ジョン・レノンに変更されています。

だとしたら、作詞を担当した弥之助さんなら必ずジョン・レノン成分も入れるだろうと探したのですかジョン・レノン要素はわかりませんでした。ヒプムビ、制作が4年前からだという話なので、その頃は幻太郎がジョン・レノンになる話がまだ確定していなかったのかもしれません。

勝手に思ってるだけですが、乱数の「何もかもが違ったが間違えたとこだけは似てるな」は『アンナ・カレーニナ』の冒頭「幸福な家庭はすべて互いに似通ったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである」に似た概念だなぁと。

つまり、最初にカレーニナの名詞を出してぐいぐい来た寂雷に対して、乱数は、“お前も俺も間違え方のおもむきは異なっているが間違った人だという属性は同じだな”とトルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の冒頭を匂わせて返歌した、ということなんだと思っている。

 

Claim Victory

6パターンもあって嬉しいClaim Victory。

個人的に合歓さんの

頭冷やせと言っても聞かない キミは干からびたウーパールーパー 

というリリックがめちゃくちゃ面白いなと思っていて、これに3番手の6人がどう返事したのか気になって集めてみた。

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(毎度おなじみガビガビの表)

さらなる若さで科学的に対抗する三郎が最高だし、律儀にウーパールーパーと韻を踏んで2倍にして返す理鶯に大喜び。かと思ったら帝統もウーパールーパーで韻を踏んでいるのもラップ野郎って感じでアツいし、独歩が中央線と掛けて返してるのもサラリーマン独歩にしかできない技で上手い。天谷奴さんが昭和の語彙で煙に巻いてるのも、獄がものすごく正攻法で若者を諭してるのも大人のやり方って感じでたまらない。

ところで、Claim Victoryのクエスチョンマーク「?」の登場頻度も数えてみたらなかなかおもしろかった。

独歩 4回(最多)

俺タゲられ過ぎ?

意味不明どうよ?

ぴえん奨励?

弱いのが割り食う伝統芸?

 

十四 2回

誰がアダムで誰がイヴ?

甘い言葉を誰が聞く?

銃兎 1回

三権分立知らないのか?

理鶯 1回

覚悟は決めたつもりか?

 

0回

一郎・二郎・三郎

左馬刻

乱数・幻太郎・帝統

寂雷・一二三

簓・盧笙・零

空却・獄

乙統女・無花果・合歓

独歩は文末のクエスチョンマーク「?」の使用頻度がかなり高いことがわかった。自問自答的な性格もあるのかもしれないし、営業職という職業柄、ラップバトルでも対話形式のコミュニケーションを好むのかもしれない。

 

6パターン通してみると、リリックのこの部分は特にこのキャラクターがぴったり上手いことを言っていて、リリックのあの部分はあのキャラクターが最高かも、と思うことがあるので、6ディビジョン分をつぎはぎにコラージュして1曲にして「My Claim Victory」的な曲を作ってみたいような気がする。

 

MIC AS ONE

もしかしたらヒプノシスマイクディビジョンラップバトル編最後の楽曲なのかもしれないMIC AS ONE。私が最初に聞いたのは2月10日の試写会でした。その時からどうしても言いたかったのが山田一郎の歌詞。

少し不思議な Sci-Fi

なくても平気じゃね? 再配布

これ完全に藤子・F・不二雄〜!!!

まずSci-FiというのはSFのことで、すこし・ふしぎというのは藤子・F・不二雄大先生による有名なSF解釈。なので山田一郎パートは非常に藤子イズムにあふれたリリックなのである。では、なぜ山田一郎が藤子・F・不二雄をリスペクトした歌を歌っているのかというと、山田一郎の声優さんはジャイアンの声優さんと同一人物だから。

しかしヒプノシスマイク、これまでそんなにジャイアン山田一郎を絡めることはなかった。山田一郎のファーストソロ曲「俺が一郎」が、ジャイアンの持ち歌「おれはジャイアンさまだ!」のタイトルオマージュかな?というくらい(あとARBというゲームで一度だけジャイアンを意識したイベントシナリオがあった。)

それで最後の最後、ここにきての直球の藤子・F・不二雄です。山田一郎と藤子・F・不二雄の物語が、ファーストソロ曲の「俺が一郎」で始まり、「すこしふしぎなSci-Fi風」で締めるの、本当に美しすぎんか!?!?

しかしヒプノシスマイク、過去にも似たようなケース、声優さんの他作品を匂わせたケースがひとつだけあったと記憶している。それはヒプノシスマイク -Division Rap Battle-+の天谷奴零パートで、

融和を説く

You はお得情報に

ゆうに慄く

龍が如くで韻を踏んだのだ(天谷奴零の声優さんは龍が如く桐生一馬役)。山田一郎と天谷奴零、この二人は因縁深い親子なわけで、こういう部分でも山田の業を感じざるを得ない。

 

あとは理鶯パートもじーんとした。理鶯ってこれまで全体曲ではわりと淡々としたパートを毎回担当していたので、今回メロディアスな部分を歌い上げていて本当にびっくりしている。

そして一二三。ものすごく辛い体験は、その体験ごと記憶をなくして忘れてしまうというのが一番幸せなことだと思うので、「何怖れたか忘れた!」とひふみが言えたのはひふみにとって最高のハッピーエンドなのだと思う。まさかわずか数行の言葉でこんなに優しい結末が描かれるなんて思わなかった。思えばシンジュク編の始まりは一二三の女性恐怖症を軸にした物語だったので、コンテンツ内でこんなに幸せな決着がついて本当に良かったね一二三⋯という気持ちでいっぱい。

そして独歩は、

そりゃでけえ戸建で

家族持ちはそりゃ偉え(エラい!)

でも人生それだけじゃねえ(じゃねえ!)

自己肯定感の育てゲー

でかい戸建てはともかく、家族をもつのもうっすら別の世界だと思ってる雰囲気があるのはなぜなんだろうか。まだ29歳/男性/有名ディビジョンラッパー/だからやろうと思えば簡単に結婚できそうな気がするんだけど。

 

中王パートも泣ける。

決して出来ない嘘くさい贖罪

いつか支払う独裁の負債

乙統女様のリリックから感じる確実な未来の不幸の匂い、

真実も嘘も愛し過ぎたか?

この性格変えないから

明日明後日もアイラインは鋭角

乙統女様の信者かと思いきや、清濁も酸いも甘いも自覚した覚悟の人になった無花果さん。invisible manners様はどこまで泣かせるんや

 

おまけ

MIC AS ONEで全員がマイクなしで歌っていたことに動揺した話

ヒプノシスマイク、それは、あの厄介で魅惑的なマイクについての物語。18人の男たちと3人の女たち、その外にいる何人何百人何万人以上の人々を興奮の渦に巻き込んだ、すべての中心にあるマイク。

しかし2022年の楽曲『CROSS A LINE』には

マイクを通せない いまだ不完全な理想

という歌詞があった。また同じく2022年には山田一郎が

ヒプノシスマイクを使わないフリースタイルバトルをやってみたい」

と発言した。どうやらこの頃から物語内に“ヒプノシスマイクを使わない”というテーマが浮かび上がっている。ヒプノシスマイクの脱ヒプノシスマイク化である。

さらに2023年、天谷奴零が全ヒプノシスマイクを機能停止し、フェスが開かれる。フェス路線は一見急カーブに見えるけど、今思うと2022年から脱ヒプノシスマイク化への流れはあった。ヒプは意外にフェアに伏線を張るジャンルなのだ。

そして2024年にはイケブクロ編最新話で「ドラマ内でヒプノシスマイクが使用されずに話が解決する」という金字塔が建ってしまった。

じわじわと災害級のあのマイク、ヒプノシスマイクが物語から旅立とうとしている。

近年の脱ヒプノシスマイク化の流れ、これはたぶん自分の言葉はマイクを通さず伝える、言うならば「卒ヒプノシスマイクエンド」への予備動作なのだ。さて、卒ヒプノシスマイクエンドとは何ぞや?

おそらく「ヒプノシスマイク」が終わる時、それは、自分の声というのは最後にはヒプノシスのないただの肉声で伝えなければいけないんだ…ということに全員が気づくときである。結局、マイクのないそのままの声、そのままの言葉、そのままの自分で相手と、世界と対峙しないといけないのだ。

 

ドラえもん」の最終回が「さようならドラえもん」であるように、幸せな子ども時代の最終回はサンタクロースの真実を知ることであるように、ヒプノシスマイクの最終回はヒプノシスマイクとの別れになるはずなのである。マジックアイテムありきで始まった物語というものは、最後にはマジックアイテム無しで世界と向き合わないといけない。卒ヒプノシスマイクである。「ヒプノシスマイク」とはヒプノシスマイクとの別れをもって完結する、少しほろ苦い成長物語なのである。

 

 ⋯と、いうようことをずっと考えていたし、ずっと信じていた。ブログにも度々書いた。もちろんオタクの戯言である。

だからヒプムビのED『MIC AS ONE』で、本当に全員がマイクを持たずに歌っていた時には頭がくらくらした。全員手ぶら。盧笙は元から手ぶら。「ヒプノシスマイク」という名を冠した物語で、マイクすら使わない歌唱が本当に成立してしまった。21人の卒ヒプノシスマイク化が果たされてしまったのだ。スクリーンを眺めながら、もうこれで本当にヒプノシスマイクという物語は終わるのだと思った。

でもですね、最後の最後に山田一郎はあのマイクを取り出してくれました。良かった、本当に良かった。山田一郎があのマイクを握るかぎりヒプノシスマイクは終わらない、と信じて。それでは皆さんご一緒に

 

世話になるぜヒプノシスマイク!

ヒプノシスマイクの個人的に好きな曲を涙を流しながら各チーム2曲だけ選んで紹介する

 

 

日本初のインタラクティブ映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie』が公開され、ヒットを飛ばしています。

映画をきっかけとしてヒプマイに興味をもった方もいらっしゃると思うんですが、なんせヒプノシスマイク、2017年からの歴史があり曲数もたくさん存在する。アニメ曲も入れたら200曲くらいある。

しかもその楽曲たちはたくさんの作詞家作曲家さんたちが作っているので、初見の方たちは何を聞いたらいいのかわからぬこと必至。というわけで、いちヒプマイファンとして個人的に好きな曲を、各ディビジョン(≒チーム)何十曲もある中から涙を流しながら各チーム2曲に絞って紹介するという怪企画を始めようと思います。

ちなみに、ヒプマイのチーム数はイケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュク・オオサカ・ナゴヤ・チュウオウの7つ。そして私はただの単なる市井のヒプノシスマイクのオタクなので、私が紹介する曲こそが全ヒプマイオタクが聞くべき正しき曲だ!という話ではまったくありません。単に好きな曲を紹介しているだけです。

 

全体曲


ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- + - song and lyrics by HYPNOSISMIC -D.R.B- (Division All Stars) | Spotify

ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-+

チーム曲を紹介するって話なのにいきなり全体曲ってなんやねんという話ですが、ヒプノシスマイクには全チームの男たち18人全員で歌う曲がたくさんあり、どれも名曲ぞろいなのでまずは全体曲を聞いてほしい。『-Division Rap Battle-+』の何がいいって、ヒプノシスマイクの世界の始まりであるこの曲の第一声が「選手宣誓」で始まるところ!爽やかなスポーツマンシップの香りがして、コンテンツのスケールの大きさが感じられる気がするのだ。まさに「Rapで白黒つけようぜ」(初期のヒプノシスマイクのキャッチコピーの1つ)的世界観を体現しているような。そういう明るさってヒプマイの魅力だと思うのだ。(まあ、選手宣誓の次は万死一生って続くんだけど……治安がわるすぎる……)

余談ですが私は初めて聴いたヒプマイの曲が12人バージョンだった時代のこの曲で、聴いた瞬間に何だこの曲!?とリピートが止まらなくなり沼に落ちました。

 


ヒプノシスマイク -Glory or Dust- - song and lyrics by HYPNOSISMIC -D.R.B- (Division All Stars) | Spotify

ヒプノシスマイク -Glory or Dust-

ヒプマイGODこと「ヒプノシスマイク -Glory or Dust-」、むちゃくちゃ好みの曲。ストリングスを効かせたちょっとオーケストラ風味の伴奏+ブラスのバルバルした低音の組み合わせがたまらない。ヒプマイは数多の才能溢れる音楽家が参加している、と同時にその核となるのはinvisible mannersさんだと思っているので、インビジブルマナーさんありがとうございますという気持ちでいっぱいです。ちなみに『ヒプノシスマイク -Glory or Dust-』『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-+』もインビジさんたちの制作曲。

インビジさんたちは何がすごいって、曲がめちゃくちゃのハチャメチャに楽しいだけでなく凝ったリリックもべらぼうに凄い。無理なく韻を踏んで、さらに言葉遊びや匂わせをこれでもかと組み立ててリリックが作られている。初見の方がちょっとヒプマイに慣れてから -Glory or Dust-に戻ると、張り巡らされている伏線や情報にびっくりすると思う。毎回ホームランを打ち続けるインビジさんたちには感謝の気持ちしかない。

 

イケブクロ・ディビジョン


Break The Wall - song and lyrics by Hypnosis Mic -D.R.B.- (Buster Bros!!!), ヒプノシスマイク -D.R.B- (山田一郎) | Spotify

Break The Wall

中期の山田一郎のソロ曲。ピアノとストリングスが効いていてのびやかな印象の楽曲。(私はストリングスが入ったポップスに無条件で好感を持ってしまう癖があります)

I have a dream,one day...のくだりは、おそらくキング牧師の歴史的演説をフィーチャーしているものと思われる。山田一郎のMCネームはMC.B.B(ビッグブラザー)で、『1984年』の指導者ビッグ・ブラザーにもかけてあるんだと思うんだけど、一郎はビッグ・ブラザーだったりキング牧師だったり、良くも悪くも「導く者」としての属性を意味づけされてるんだろうなぁと思ってしまう。

 


BB's City - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- (山田二郎), ヒプノシスマイク -D.R.B- (山田三郎) | Spotify

BB's City

山田二郎と山田三郎が一緒に歌っている曲。探偵物語の『Bad city』をオマージュしてるんだなって気づいたらちょっと嬉しい曲。こういう遊び心があるのもヒプマイの楽曲の面白いところ。初中期の楽曲なので、一郎に頼まれたアニメの録画を失敗したら「殺されちゃう」のではとおびえる二郎と三郎という、今よりも殺伐とした山田家の姿が垣間見える。

 

ヨコハマ・ディビジョン


ジンギ(Pay Respect) - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- Rhyme Anima (MAD TRIGGER CREW) | Spotify

ジンギ (Pay Respect)

アニメ2期の挿入歌なんだけれどアニメで終わるにはもったいないと思うくらい好きな曲。(ヒプマイのアニメ曲って基本的にライブのセトリにあがらないので、この曲が10thで1回披露されたのは奇跡だった。しかしこの先はライブで聴くことはない気がする)

ヨコハマの浜風に含まれた少しの湿度と少しのコミカルさ、怖さと任侠感、スケールの大きさが発揮された名曲だと思っている。入間銃兎さんが途中で超絶長いラップをするのもうおおおおと盛り上がる。

 


Gangsta's Paradise - song and lyrics by Hypnosis Mic -D.R.B.- (MAD TRIGGER CREW), ヒプノシスマイク -D.R.B- (碧棺左馬刻) | Spotify

Gangsta's Paradise

「ここは中王区以外の場所」というシンプルなメッセージが、どことなくユーモラスでありながらまっすぐな正しさを併せ持つ碧棺左馬刻様にぴったり。あえて言葉数を少なくしているのか、同じ歌詞の繰り返しがとても多いんだけど、それがかえって左馬刻様の気迫を引き立てている。上質な食材はシンプルな味付けで勝負、みたいな。(焼き鳥?)

ひとつひとつのセンテンスも短く単刀直入。多くを語らない男・碧棺左馬刻ってイメージでしょうか。格好いいです。

もちろん「ここは中王区以外の場所」以外にも強い歌詞があって、個人的に好きなのは「ママには内緒」。この言葉の存在が、暴力的なような/優しいような/可愛いような/背徳的な/不思議なリアリティをこの曲と碧棺左馬刻に与えているなー、と思う。楽曲も、軽快でのびのびと歌うパートあり、低音を生かした任侠パートあり、仕掛けが多くて楽しい。左馬刻様が気持ちよさそうに歌い上げていてそれも良い。

 

シブヤ・ディビジョン

Shibuya Marble Texture -PCCS- - song and lyrics by Hypnosis Mic -D.R.B.- (Fling Posse) | Spotify

Shibuya Marble Texture-PCCS-

これはもう本当にいい曲。イントロから何かすごい最高の曲が始まる予感がガツンガツンする。3人の声のハーモニーがたまらないし歌詞もいい。「お手を拝借」とかちょっと古めかしい歌詞もかわいい。帝統が「らむだー」って叫ぶのもかわいい。というか本当に音楽がいい。ちなみに「世界はもっと面白いはずじゃない?」というリリックは飴村乱数編の重要なキーワードとなっているのでこれからヒプマイを掘っていく人は覚えておいたほうがいい言葉である。

 


Stella - song and lyrics by Hypnosis Mic -D.R.B.- (Fling Posse) | Spotify

Stella

言わずもがなの名曲Stella。

シブヤは何を言ってもネタバレになってしまうが、この曲を聴いた時に感じる違和感を大切にしつつヒプマイを履修していくと最高に面白いミステリー体験が味わえるので読書好き謎解き好きにとてもおすすめのチーム。ヒプマイ考察系の楽しさを一手に担うチームそれがシブヤ。

シブヤディビジョンはこの曲を手に入れてヒプノシスマイクの風向きを変えたし、シブヤがセカンドバトルで優勝したのはStellaの功績が非常に大きいと思っている。将来ヒプノシスマイクを語るとき、特にシブヤは『Stella前』『Stella後』というタームでくくられる可能性が高いだろう。間違いなくヒプマイ界の歴史に残るであろう曲。いい曲だよ〜

 

シンジュク・ディビジョン


The Champion - song and lyrics by HYPNOSISMIC -D.R.B- (Matenro) | Spotify

The Champion

おそらく日本のヒップホップ界で一番有名なリリックは『Greatfull Days』の「俺は東京生まれHIPHOP育ち 悪そうなヤツはだいたい友達」だと思うんだけど、麻天狼の3人はまったくHIPHOP育ちではない。悪そうなヤツと友達でもない。彼らは穏やかな医師で、女性恐怖症のホストで、社畜のサラリーマンである。毎日真面目に働いているただの社会人であり、あなたやわたしと似た普通の人々である。年齢だって35歳と29歳と29歳なので、ヒプマイでも平均年齢の高い、落ち着いたチームである。

なのに『The Champion』、むちゃくちゃかっこいい。ダークなイントロ、退廃的なバックトラック、それにやっぱりリリックがすごい。不思議に地に足のついた、それでいてソリッドな歌詞がかっこよすぎる。別に東京生まれでなくても(もしかしたら麻天狼は東京生まれなのかもしれないけれど…)、HIPHOP育ちじゃなくても、悪そうなヤツはだいたい友達じゃなくても素晴らしいヒップホップは成立するし、ナンバーワンラッパーになれることを麻天狼は証明したんだな。

もひとつさらにすごいのは、「俺は東京生まれHIPHOP育ち 悪そうなヤツはだいたい友達」というリリックを書いたZeebraさんが、この『The Champion』も手掛けたということ。

 


Fallin' - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- Rhyme Anima(麻天狼) | Spotify

Fallin' 

知る人ぞ知る(?)アニメ1期の名曲。シンジュクは最近は愛や癒やしを描いた曲が多いんだけれど、『Shinjuku Style ~笑わすな~』『The Champion』のように初期シンジュクには暗い夜の闇のような曲もいくつかある。たぶんFallin' はその系譜に連なるんじゃないだろうか。作ったのがODD Foot Worksさんという方たちでヒプマイでは初めて参加の方たちだったのだけれど、あまりにもシンジュクというかヒプマイの解像度が高いので初見のとき聴いてびびった。これはぜひ他の曲も描いてもらいたい…!と祈っていたけれど結局ODD Foot Worksさんの参加はこの曲のみとなっています。

 

オオサカ・ディビジョン


あゝオオサカdreamin'night - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- (どついたれ本舗) | Spotify

あ> オオサカdreamin'night 

Creepy Nutsが手掛けた曲。これも当時イントロを聴いた瞬間にびっくりして倒れた記憶がある。元漫才コンビが2人いるチームなので「はい、どーもー どついたれ本舗で~す」と漫才の入りから始まってるのがお洒落だし世界観設定がうますぎる。盧笙と簓の掛け合いは感涙もので、立ちすくむ盧笙に対し、自ら道化となり盧笙の言葉を引き出していく簓の姿、そして「赤点」「カマゲン」「かまへん」「あらへん」と、少しずつ重なるおたがいの韻も気持ちがいい。天谷奴さんのパートも最高で、脂の乗った艶やかな声が怪しく、効果的に使われている。

 


Under Sail - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- (どついたれ本舗), ヒプノシスマイク -D.R.B- (躑躅森盧笙) | Spotify

Under Sail

これむちゃくちゃ好きな曲。ピコピコとした電子音の行き急ぐような連なりが印象的なんだけど歌詞は真摯に熱血な雰囲気で、この電波×真面目の組み合わせがまさに躑躅森盧笙のキャラクター性に合ってて最高!妙に切実なリリックと明るい楽曲の組み合わせって大好き。おそらく今、日本で「夢で帆を張るdaydream believer」という歌詞をこんなに説得力をもって堂々と歌えるのは躑躅森盧笙かルフィしかいないだろう。

 

ナゴヤ・ディビジョン


Bad Ass Temple Funky Sounds - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- (Bad Ass Temple) | Spotify

Bad Ass Temple Funky Sounds

オオサカのデビュー曲はCreepy Nutsだったけれどナゴヤのデビュー曲はなんとnobodyknows+が参戦。

リリック「OK 何一つ変わらない光景」以降がほんとに叙情的でぐっとくる。「少年から大人に変わり」から空却と十四に歌わせ、「居ても立っても居られないから」で天国獄が加わるという演出が効いていて、10代ふたりと35歳、というメンバー構成が生きている。空却にノリのいい一番手をまかせ、獄が男性的な野太い声で繋ぎ、十四くんがいちばんメロディアスなパートを歌って魅せる、この連携がとっても心地いい。曲調も疾走感があって、なのに切なくてほろ苦くて唸ってしまう。

 


Continued - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- (四十物 十四) | Spotify

Continued

試聴で聴いた時には可愛い声で「クソみたいな日常」とか「fu×k」とかいうからびっくりしたけれど、全編聴いたら、あの…あのギミックに涙ですよ…声が…歌い方が…!同じ歌詞を違う歌い方にして再び歌う凄みよ…!そういえばキャラ的にこういうやり方も可能なはずだった!と目からウロコがたくさん落ちた。

「そうやっていつも元通り」というリリックの、檻のような呪いのような永遠性に絡め取られる。だけど人が生きるってことは、この曲のように「そうやっていつも元通り」を繰り返してちょっとずつ螺旋を登っていくことなんだろうな。

 

チュウオウ・ディビジョン


WINK - song and lyrics by HYPNOSISMIC -D.R.B- (CHU-OH-KU Kotonoha Party) | Spotify

WINK

中王区から選ぶなら『Femme Fatale』では?という気もするが個人的には『WINK』が一番好き。中王区に流れてる通奏低音って喪失の物語だと思っているので、「瞬きしてるその合間にパッと消えるそこにあったのに」という歌詞がほんとにもうドンピシャで悲しくてたまらない。乙統女様の「結局乗りそびれたタイムマシーン」という歌詞も、タイムマシーン乗れたらどうするつもりなんですか、どうしたいんですか乙統女様、どこからやり直すんですかウェーンって毎回オイオイ泣きそうになる。で、そこからの「願いが叶ったその時はまたここで集まってTea time」でまたオイオイ泣く。ここのパートは乙統女様と無花果さんが歌ってるんだけど、こんなのもう“俺戦争から還ったら結婚するんだ”的な死亡フラグにしか思えない。非人道的なことをやりすぎた中王区のトップ二人がティータイムする時なんて、あるとしても処刑の前日とかになるんじゃないですか。私は中王区が大好きだけれど、決して彼女たちが強く正しいから好きなのではなく、中王区に漂う敗北の匂いが好きなんですよね。平家物語的な愛で方をしている自覚はある。この曲は中王曲の中でもすごく敗北エンド寄りの匂いがするのでたまらなく好き。

 


Mic rewrites the ending - song and lyrics by HYPNOSISMIC -D.R.B- (CHU-OH-KU Kotonoha Party), ヒプノシスマイク -D.R.B- (東方天乙統女) | Spotify

 

Mic rewrites the ending

我らが総裁東方天乙統女様の、今のところ最後のソロ曲。しかもこれまでヒプマイの全体曲を何曲も作っておられたinvisible mannersさまが唯一ただ1人のキャラクターに宛てて作った曲で、それが乙統女様だったという、ヒプマイの民ならエモさに泣いて転がりまわるような意味合いをもつ曲でもある。そういう歴史だけではなくて楽曲自体も純粋に素敵で、乙統女様の陰鬱さや生来の真面目さをビリビリと感じる曲になっている。乙統女様は元を辿れば政治好きのお嬢さんなので、この曲もひたすら自分のやらかしについて自省し、国の未来を思考する内容となっている。最後?のソロ曲としてこの曲を出してきた段階で、21人のうち政治家適性があるのはやはり乙統女様だな…という気がする。

 

番外


Nausa de Zuiqu - song and lyrics by ヒプノシスマイク -D.R.B- (山田一郎), ヒプノシスマイク -D.R.B- (碧棺左馬刻) | Spotify

Nausa de Zuiqu

そもそもがバトルジャンルのヒプノシスマイクにはディビジョンを越えて別チームのメンバーと歌う曲というのもたくさんあって、どれも組み合わせのシナジーににやけがたまらないのだけれど個人的に一曲選ぶならナウサデズイクかな…。山田一郎と碧棺左馬刻がサウナでサウナにまつわるクイズをするという、初期コミカライズの特典CDに含まれていた謎シチュエーションの謎曲なんだけれどこれがネタで済ましたらもったいない聴き心地のよい曲で、ヒプマイの奥深さを感じると同時に、純粋に音楽って楽しいな〜と聴くたびに感じる一曲。

 

終わりに

本当に絞りに絞って各チーム2曲だけ選んだけれど、恐ろしいことにヒプノシスマイクには最高の曲がこの何倍も存在している。各チーム2曲は無茶な話で、冗談じゃなく各チーム3曲でも4曲5曲でも選べるくらいの名曲揃いなのだ。ぜひ素晴らしいヒプノシスマイクの世界に触れてみてほしい。

ていうかヒプノシスマイクってそもそも何なの?ゲーム?アニメ?漫画?という話なのだけれど、ヒプノシスマイクは楽曲(+ドラマトラック)が原作となっているのでドラマトラックを聞いていくとコンテンツの大半は履修できると思う。


HYPNOSISMIC -D.R.B- Drama Track PlayList - playlist by ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- | Spotify

・楽曲

・ドラマトラック

が基本で、本気になるなら

・コミカライズ

も押さえたい。コミカライズでしか明かされない情報が多いから。もっと余力があったら

・ヒプノシスマイクARB

というスマホゲームはイベントシナリオを原案者の方が書いているはずなので押さえたい。

その先はラジオ、ファンクラブ、舞台、アニメ、ヒプノシスマイクDRB(ゲーム)へと限りないヒプノシスマイク坂が続いているので、ともに登っていただけたら幸いです。

 

ヒプムビの少し具体的で好き放題な感想はこちら


ヒプムビ 感想 - pyonkospicaの日記

ヒプムビ 感想

 

日本初のインタラクティブ映画でありヒプノシスマイクの初映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie』の感想です。各チームの優勝ルートについての感想を書いています。

ところでこの「ディビジョンラップバトル」というもの、少なくとも初期は「各ディビジョン代表のMCグループがバトルをし、勝った地区は決められた分の他の領土を獲得することができる」と名言されているので、VOTING STATUSで各地の優勝結果≒陣取り合戦が可視化されるのは初期の設定に非常に忠実だと思う。相変わらずヒプノシスマイクは伏線とその回収を何年も時間をかけて真面目にやるコンテンツである。


イケブクロ優勝ルート感想

イケブクロ優勝ルートは勝った時に3人が床に転がって笑顔で喜びあうのが印象的なルート。頬を赤くして、本来の19歳らしい闊達さで喜ぶ山田一郎には涙を禁じ得ない。

ところでイケブクロ優勝ルートをすごく単純な話にすると、父・山田零と母・山田那由多が作り天谷奴零が世に撒いたヒプノシスマイクという厄介不思議マイクを使って2人の子どもである山田三兄弟が戦い、見事に優勝をおさめたというストーリーである。父母の作った道具を使って勝利し、平穏な世界を手に入れる(そして父を超える)。山田一郎のソロ1曲目がエヴァオマージュだったことを考えると、これはやはりイケブクロルートはストーリー的にも新世紀エヴァンゲリオンのオマージュなのだろう。パパのヒプノシススピーカーもゼーレのモノリスに似ているものな。山田一郎がシンジ、天谷奴零は名前はレイだけどゲンドウ、山田那由多がユイ。ここまではいいとして、じゃあ山田三郎はアスカ???(あんたバカァ?≒低脳)、山田二郎は誰?

『.Buster Bros!!!』で山田三郎が農村に単身飛び込んで四苦八苦しながら人間の営みを学ぶシーンがあったけど、頭でっかちな14歳が農村へ行って人の絆を知る…というのはシン・エヴァンゲリオンで綾波レイがやっていたのでそのオマージュなのかもしれない。

イケブクロがエヴァなのだったら、彼ら3人が唯一の10代チームだった理由もうなずける。20歳越えたらもうチルドレンではなくなるからだ。

 

ヨコハマ優勝ルート感想、あるいはサマトキさまとササラと青春の終わり

特にサマトキさまについての感想を書きます。長いし情緒がめちゃくちゃです。「なんでも許せる人向け」です。

サマトキさまはMCD時代は簓と組んで快進撃を続けていた人で、MCDの後で一郎・乱数・寂雷と組んだTDDでは全国制覇し頂点にいた人だった。 しかしTDDは解散し、サマトキさまは銃兎・理鶯と組んだMTCの一員となる。 そんなサマトキさまは、MTCになり「過去」の仲間に連敗しまくるという状況になった。 第1回ディビジョンラップバトルではシンジュクに決勝で敗れ、第2回ディビジョンラップバトルではなんと1回戦でシブヤに負けた。 映画内でも本人が言っているように、「2回も土を噛んだ」わけだ。

サマトキさまは面白くないだろう。過去の自分は負け知らずだった。なのに現在は負け続けなのだ。力こそパワー(だった)サマトキさまは人しれず悩んだかもしれない。ひょっとして、もしかして、過去こそが正しくて、現在の自分は間違っているのでは…???

 

なのでサマトキさまの思考は過去へ帰っていく。ヒプムビを観ると、サマトキさまがいまだに簓にモヤモヤとした感情を持っていることがわかる。

「六色が交わる時、『』が始まる」にてサマトキさまと簓は和解したという話だったのだが、どうやらヒプムビのサマトキさまにとっては、まだしこりが残っているのだ。それもでっかいやつが。

 サマトキさまにとって簓は大切な相棒だったから、簓が急に暴言を吐いて消えてしまったことにサマトキさまはすごく傷ついた。サマトキさまはそれをいまだに消化しきれていない。サマトキさまは元来、物事には筋が通っていたいタイプの人で、おまけに情が深いので、乱数の洗脳にせよ何にせよいきなり理由もなく相棒がキレて一方的にコンビ解消されるなんてわけのわからない話は辛いのである。

しかし一方で、簓はその別れをそんなに引きずっていない。たぶん簓は、自分がそこまで誰かに好かれていたということ自体にあまりピンときていない。簓は幼いころに両親の離婚問題に晒されており、そこはかとなくアダルトチルドレン気質のある人なのでどこか自分の存在を軽く考えているように見える。ヨコハマ勝利ルートではサマトキ様が簓に向かい、“俺様が背中を預けた奴は強い。今までもこれからもな”といったことを言うのだが、簓はそれに対し“何や俺のことも入れてくれてるんか、素直に嬉しいわ”といった内容の言葉を返す。ああ簓、君はなぜそんなに、自分が他者の目に入ってないと思う癖があるのか⋯

また、簓の座右の銘はこうである。

俺の人生を変えられるのは俺だけや

誰も俺の為にそんな事やってくれへん

なんという孤独な心意気だろうか。おそらく簓は本質的に誰のことも信頼できないし、誰かが自分のことを考えてくれるなんて思えない人間なのだ。(人間だったのだ、という方が正しいのだと思う。簓もH歴でアイカタがバックアゲインしたりトリオになったりで心境の変化があったのだから)(でも幻太郎は座右の銘が変更になったのに簓は変更されていないので、実は簓は本質的にはあまり変わっていなかったりして)

だから、簓からしたらサマトキさまがなんか知らんけどやたら過去にこだわる人に見えている。だから簓は平気で、今がおもろないんか?進んでるようでムーンウォーク!などとサマトキさまに言ってしまう。サマトキさまは、簓とタッグを組んでいたことを含めて心が過去にさ迷っているというのに…

 

そんな「過去」に悩めるサマトキさまにとってファイナルディビジョンラップバトルでの優勝は「現在」のサマトキさまとMTCを肯定する何よりの祝福でありトゥルーエンドである。サマトキさまのチームは優勝し日本一となった。それは簓との過去や、TDDとの過去を塗り替えた。強いということは正しいということである。MTCを組んだことは正しかったのである。過去を越えられなかったサマトキさまは過去を越えた。サマトキさまは過去を清算し、現在を肯定し、やっと未来に進み出せるのだ。だから優勝したサマトキさまは、あんなに晴れ晴れとした顔で笑ったのである。

ヒプマイのリーダー6人たちの物語って、昔は一番の親友だった人が、時や環境の変化で今はもう一番の仲良しではなくなってしまったな……相手にはもう別の仲良しな人ができているんだな……という哀しさとその受容の物語で、それはみんな「青春の終わり」として大人になると経験することで、だからこんなに大勢の人に共感されるのかもしれない。 サマトキさま、おめでとう。

 

シブヤ優勝ルート感想

シブヤ優勝ルートは非常にいい話である。そもそもシブヤチーム自体が中王の人造人間にして元スパイ、中王に兄を粛清された弟、中王のトップの息子、と全員が中王とものすごい因縁を持つ3人で構成されている。ある意味ヒプノシスマイクDRB編の裏主人公であり物語を牽引する役目のあった人々である(だからシブヤはセカンドバトルで優勝チームにもなった)。そんな風に中王に因縁のありまくるチームが中王に勝つんだからこれはカタルシスしかないルートだし、物語的にもとっても座りがよい。

シブヤ優勝ルートを観るということは確定で『バラの束』のMVを観るということだが、バラの束のMVは他チームのMVに比べると意味が読み解きやすいと思う。

・バラの部屋は乱数の心を表している

・バラの並びは左から幻乱帝

 (チームの標準的構図と同じ)

・バラの開花具合と各人の心の開き具合が連動している

・途中で幻太郎のバラがほころんだ=「マリオネットの孤独と涙と希望と」で幻太郎が正体を明かした

・お互いの素性がわかり蕾に戻ったバラがまた花開く=「.Fling Posse」

最初にバラの部屋にいるのは中王のスパイとしての乱数で、監視カメラを探る幻太郎を止めたりバラの部屋に入ろうとする帝統を止めたりするのはまだ乱数の心は中王側にあることを表している。しかし2人と過ごすうちに乱数は徐々に心を開く。途中、中王に兄を粛清された幻太郎のことを考えてしまいバラはしぼんでしまうが、乱数は意を決して心を開き2人をバラの部屋に迎えいれる。するとバラは3輪とも美しく花開くのだった…

シブヤが優勝したとすると、帝統は前指導者の息子なので中王区の残党狂信者から乙統女様の血を引く新生中王区のリーダーとしてまつりあげられるような気もするし、新しい時代のリーダーというかお神輿として旧政府側の人間からコンタクトがあるかもしれない。そもそも東方天財閥の跡取り候補の1人でもあるし。なんだかいろいろ大変そうな気もするが帝統はうまく逃げていくのだろう。あと、かりにもアナウンサーでジャーナリズムにも足を突っ込んでいた無花果さんに向かって“あんまり賢そうに見えない”と決戦前にディスった幻太郎はもし決戦で負けたならば全著書が無花果怒りの発禁にされると思う。

 

シンジュク優勝ルート感想

近所の映画館で優勝ガチャを回す、という鑑賞方法だったために最後まで観れなかったシンジュク優勝。6/22の一二三誕生日のアベマ配信で観ることができました。びっくりしたのはシンジュクはまさかの飲酒エンドだったこと!一二三が“今日はシャンパンを開けて祝おう”的なことを言い、独歩が“自分も飲みたい。でも先生は⋯”みたいなことを返す。すると寂雷が“今日は私も飲みたい!”と答える。それで本当にシンジュク編の会話が終わる。てやんでいエンドやん!っていう。いや、麻天狼のオチがそれだとは本当にびっくりした。私は酒乱の寂雷ネタは大好きなので嬉しいです。ギャグエンドにも見えるし、ついに酒乱の自己と向き合うのかもしれないエンドにも見える不思議な終わり方。

 

オオサカ優勝ルート感想

天谷奴さんの視点で見ると、世間を騒がせすぎた真正ヒプノシスマイクというヤバいブツを開発者として「穏便に」中王から回収するための、実は正当性のある切実な戦いである。また、マスターマインドの二つ名を持つ天谷奴さんが本気を出して絵を描けばH歴の信望を集め優勝することだって簡単にできるということである。天谷奴さんはもしかしたら、最終的にこうなることを見越して、「勝てる人材」として簓と盧笙に目をつけ、勝つために二人をバックアゲインして絆パワーを高めていたとしたならば、それはたいへん怖い話である。

オオサカが優勝した場合、簓は会場に向かって「淑女の皆さん」と呼びかける。というわけであの会場には淑女しかいないのがほぼ確定しており、最後の最後で中王区による政治のグロテスク具合が引き立つのも怖い話である。

 

ナゴヤ優勝ルート感想

優勝ルートとは関係ないのだけれどヒプムビの十四くんって本当にいいキャラクターだと思う。空却がナゴヤ城にやらかしたことを見てヒィッとおびえたり、空却と一郎の関係性を見て自分ケモノにはなれないっすと呟いたり、十四くんは空却を信頼して尊敬してついて行ってるんだけれど、それと同時に十四くんには十四くんの規範があり倫理があるというのが伝わってくる。十四くんは単なる空却のイエスマンではないという部分がとてもいい。あと、天国獄はヒプノシスマイク登場時からずっと我慢ならんものがある人として描かれていたけれど、最後の最後の優勝ルートで我慢を覚えたのがたまらなく面白く、かつ美しいオチだと思った。

 

中王優勝ルート感想

中王区エンドはとにかくアドレナリンが出た。優勝チームが中王区と表示されてからその後のピンクに染まった世界が(実際はそんなことはないのに)ヴィランが勝っちゃったバッドエンド感がものすごくて非常に興奮した。私は中王区は大好きなのだが、しかしながら、ヤバいチームを優勝させちまったぜ……やっちまったな……というあの謎の一体感、同じ回を観た人たちが共犯になったような感覚は何なのだろうか。男たちがあんなに頑張ったのに結局一人勝ちして二度目の革命まで成功させた乙統女様は最高である。『WINK』では負け戦の匂いを漂わせていた3人だが、最後に笑うのは乙女なのであった。

 

追記

久しぶりに中王優勝ルートをみて、これはやはりとんでもないと思ったので感想

(無花果さんと合歓さんの物語についてはまた別の話になるので今回触れていません)

ヒプムビ再上映で、半年ぶりに中王優勝ルートを観ることができました。これで2回目となります。私が通ってる映画館はガチの「毎回優勝がどこになるか読めない館」なので、中王優勝ルートはいつもいきなりやってくる。前回の中王優勝を観たときは初見でわけがわからず脳が焼かれたけれど、それから半年して何回もムビを観て、全チーム優勝も観たあとで中王優勝ルートに接すると、これはやはりとんでもないオチだと思った。

 

なにがとんでもないかというと、乙統女様、優勝後のセリフのなかでしっかり改心していたのだ。うろ覚えだけれど、性差を強調するのはよくない、とか自分はやりすぎた、これからはもっとがんばる、みたいな内容のことを演説する。

これはやばい。乙統女様はひとりで改心してしまった。自分の思想を修正し、これからはよりよき治世者としてがんばるという決意ができてしまった。コンテンツの最初では悪役的存在として登場したのに、勝手に成長し、よい政治家にメタモルフォーゼしてしまった。

 

これでは、もともと12→18人の男たちが中王に争われ競わされ、こんな世界変えてやる!というストーリーとして始まったヒプノシスマイクが、「男たちと中王との長い戦いは全部乙統女様を成長させ、よりよい統治者にするための経験になったよ♡」という話になってしまう。

 

兵器ではなく言葉が

力を持つことになった世界で今、

男たちの威信をかけた

ディビジョンバトルが始まる。

(初期の公式サイトより引用)

という始まり方をした物語が、

紆余曲折あったものの男たちはファイナルバトルで中王に敗北しました。最終決戦を終え、東方天乙統女はこれまでのやり方を反省してよりよい治世を目指すことを誓うのでした

という終わり方をする。

男たちの物語としてスタートしたヒプノシスマイクという物語自体が、中王優勝により、東方天乙統女という人間の政治家がんばり物語として書き換わってしまうのだ。

もちろん、それが勝利ということである。

18人の男たちは乙統女様が成長するための礎となったのだ。映画でも、中王優勝ルートが確定してからは男たちは押し黙ったままである。主体と客体が転換する。当初背景であり敵であった乙統女様はついに主人公となった。東方天乙統女様はヒプノシスマイクという物語自体を、男たちの物語から自分自身の物語に書き換えたのだ。

これぞMic rewrites the ending

(=マイクでエンディングを書き換える)

 

もちろん、ヒプノシスマイクの男たち18人は正しくフェアな人たちなので、平等で平和で安全な世の中になるならば中王が勝っても全然オッケーなのである。たぶん。特に寂雷は初期から、中王区が政権をとったことで紛争がへり、人類全体の歴史からいうとプラスになっている⋯としっかり明言しているし。

 

そして、「男たちを戦わせ続けて最後に勝ち残った男たちのチームに中王が勝つ」&「乙統女様が改心し自らの思想を修正してよりよい治世者になる」を両立してしまった乙統女様一人勝ちエンド、またの名を、男たちの物語から乙統女様の物語になってしまうため「男たちの物語」的には清々しいほどのバッドエンドである中王優勝ルート、これを実装したヒプノシスマイクというコンテンツも、とてもフェアなコンテンツであると、あらためて思う。

 

MIC AS ONEで全員がマイクなしで歌っていたことに動揺した話

ヒプノシスマイク、それは、あの厄介で魅惑的なマイクについての物語。18人の男たちと3人の女たち、その外にいる何人何百人何万人以上の人々を興奮の渦に巻き込んだ、すべての中心にあるマイク。しかし2022年の楽曲『CROSS A LINE』には

マイクを通せない いまだ不完全な理想

という歌詞があった。また同じく2022年には山田一郎が

「ヒプノシスマイクを使わないフリースタイルバトルをやってみたい」

と発言した。どうやらこの頃から物語内に“ヒプノシスマイクを使わない”というテーマが浮かび上がっている。ヒプノシスマイクの脱ヒプノシスマイク化である。

 

さらに2023年、天谷奴零が全ヒプノシスマイクを機能停止し、フェスが開かれる。フェス路線は一見急カーブに見えるけど、今思うと2022年から脱ヒプノシスマイク化への流れはあった。トンチキトンチキと言われる面もあるが、ストーリー的にはヒプはフェアに伏線を張るジャンルである。

そして2024年にはイケブクロ編最新話で「ドラマ内でヒプノシスマイクが使用されずに話が解決する」という金字塔が建ってしまった。

じわじわと災害級のあのマイク、ヒプノシスマイクが物語から旅立とうとしている。

近年の脱ヒプノシスマイク化の流れ、これはたぶん自分の言葉はマイクを通さず伝える、言うならば「卒ヒプノシスマイクエンド」への予備動作なのだ。さて、卒ヒプノシスマイクエンドとは何ぞや?

おそらく「ヒプノシスマイク」が終わる時、それは、自分の声というのは最後にはヒプノシスのないただの肉声で伝えなければいけないんだ…ということに全員が気づくときである。結局、マイクのないそのままの声、そのままの言葉、そのままの自分で相手と、世界と対峙しないといけないのだ。

「ドラえもん」の最終回が「さようならドラえもん」であるように、幸せな子ども時代の最終回はサンタクロースの真実を知ることであるように、ヒプノシスマイクの最終回はヒプノシスマイクとの別れになるはずなのである。マジックアイテムありきで始まった物語というものは、最後にはマジックアイテム無しで世界と向き合わないといけない。卒ヒプノシスマイクである。「ヒプノシスマイク」とはヒプノシスマイクとの別れをもって完結する、少しほろ苦い成長物語なのである。

 

 ⋯と、いうようことをずっと考えていたし、ずっと信じていた。ブログにも度々書いた。もちろんオタクの戯言である。

 

だからヒプムビのED『MIC AS ONE』で、本当に全員がマイクを持たずに歌っていた時には頭がくらくらした。全員手ぶら。盧笙は元から手ぶら。「ヒプノシスマイク」という名を冠した物語で、マイクすら使わない歌唱が本当に成立してしまった。21人の卒ヒプノシスマイク化が果たされてしまったのだ。スクリーンを眺めながら、もうこれで本当にヒプノシスマイクという物語は終わるのだと思った。

でもですね、最後の最後に山田一郎はあのマイクを取り出してくれました。良かった、本当に良かった。山田一郎があのマイクを握るかぎりヒプノシスマイクは終わらない、と信じて。それでは皆さんご一緒に

世話になるぜヒプノシスマイク!