はい出ましたフリングポッセの新アルバム。
最近飴村乱数の身辺に注目が集まっていただけに、期待度が高かった中での発売となりました。
近頃の乱数はとにかく大変だった。
吐血したり、中王区に消耗品だと明言されたり、左馬刻様にマインドハックのことをバラしに行ったり、あげくの新曲ではポッケにしまったアレがなくなったり・・・
乱数推しの方々はどうやって日々を過ごしていたのか心配でなりません。そんなこんなの新アルバム、感想を書いていこうと思います。
飴村乱数 ピンク色の愛
エフェクトがばっちり効いたスケールの大きな楽曲。けっこうストレートにわかりやすくいまの乱数の現状を歌った歌詞です。
一人称が俺になりボクになり、ゆらいでるのもそれっぽい。
夢野幻太郎 蕚
はい、好き。
ファーストインプレッションで「この曲好きだな」って感じる曲はまずイントロを聴いた瞬間から心をもっていかれませんか?蕚もまずイントロが最の高です。
夢野幻太郎、前作が「シナリオライアー」で鬱曲だったので新曲もどうかなー、と警戒していたらむっちゃ素敵で可愛く切ないピースがやってきました。こういう意外性があるからヒプマイはやめられません。
サイタマでは何万もの黄色いポッセのライトの光の中でこの曲が流れるぞ・・・
歌詞で気になる部分は
腕を引く薄紅色の風に舞う賽も踊り追う霞も晴れる
腕を引く薄紅色の風=飴村乱数
賽=有栖川帝統
でしょうか。
ということは霞は夢野幻太郎(の気持ち)かな
紅月と高潔と豪傑
も、乱数・幻太郎・帝統をイメージしてるのかもなぁ・・・
合わせ鏡写す輪郭の影を辿る
は双子の兄の生き様をなぞる、みたいな意味だと思われます
まぁそんな解釈も不要の名曲。
いまほど音楽原作キャラクターラッププロジェクト、というコンテンツに誇りを持てたことはありません。だってこんな豊かな素晴らしい曲を原作として認めてよし!ってことでしょ?単なるキャラソンではなく。
コミカライズやドラマパートなんかも網羅して物語やキャラクターについて考察するのも楽しいけれど、楽曲だけ聴いて個々人のヒプノシスマイク世界とひっそり向き合う、というシンプルな喜びもアリかもしれない。
最初は(今もです)ヒプマイに惹かれたきっかけって、そういえば音楽の良さだったな・・・と、そういう幸せな原点を思い出しました。
SCRAMBLE GAMBLER 有栖川帝統
帝統の前作3sevenと対応している箇所がいくつかあります。
どっかのっけから舐めプのジョーカー
だった有栖川帝統は
唯一無二のACE
に進化しました。
上限MAX三枚のコインでB.E.T
していたのが
上限MAX三本のマイクでB.E.T
となり、仲間とのラップに重点を置くようになりました。
夢かよ・・・
と夢オチだった前作ソロと異なり
溶けて無くなるCANDYでも夢でも幻でもない
と現実を見据えた姿勢を見せました。
帝統の成長が織り込まれた力強く頼もしい歌詞です。
どっかのっけから舐めプのジョーカーが
唯一無二のACE
になったのは有栖川帝統が東方天帝統になる布石かもしれない。
ドラマパート
マリオネットの孤独と涙と希望と
飴村乱数がひたすらかわいそう。
もちろん、お願いしますと泣きながら無花果様にすがりつくのもトラウマ級の悲惨なシーンなんですが、乱数の何がかわいそうって、幻太郎のフラグ・ヒントをみすみす見過ごしてしまったことです。
秘密の共有、のシーンで「小生は夢野幻太郎じゃないんですよ」と言った時、乱数はそこを追及したらよかったのだ。
フリングポッセの夢野幻太郎は本物ではない別人なんです。
たぶん寝たきりの青年=双子の兄がほんとの夢野幻太郎。
幻太郎の衣装もおそらく兄の借り物。
(くわしくはこちらへ)
おれがあいつであいつがおれで 夢野幻太郎考察 - pyonkospicaの日記
幻太郎と帝統に秘密を告白させたのは中王区の弱みをみつけるためなんだよね、
だからメタレベルで逆算すると、今回ほのめかされた幻太郎と兄の秘密は中王区を揺るがす切り札になる話のはず。
しかし乱数はその夢野幻太郎の告白を冗談だと思って切り捨ててしまった・・・せっかく幻太郎が自分の手札を見せてくれたのに、本気にしなかったのだ。幻太郎はお得意の「嘘ですよ」ではなくて、「真面目に話したつもりだ」って言ってくれたのに。
夢野幻太郎は乱数とはじめて喫茶店で会った時にも「自分は夢野幻太郎じゃない」と乱数に言いました。
幻太郎は一貫して自分は本当は夢野幻太郎ではないと乱数に伝え続けているのです。
乱数は「俺たちの関係はどこまでいっても本物になれない」「隠し事をしているもの同士の仲間だ」って言ってたけれど、それは乱数が人間不信気味だったからそう思いこんでいただけで、幻太郎は最初から乱数に真実のメッセージを送っていたのですよ。乱数に今回も届かなかったけれども。
だから飴村乱数がもう少しだけ幻太郎のことを信じていたら、もっと楽な経路で中王区入りできただろうなー、と残念でならないし、幻太郎のことを素直に信じられない環境にある乱数がかわいそうでならない。(もちろん、乱数に非人道的な環境を用意して人間不信(どころか人間皆殺し宣言)にさせているのは中王区なので、乱数がわるいわけでもない)
「蕚」の歌詞に「蓮の台を分かつ」という歌詞がありますが、これはもともとは
「蓮の台の半座を分かつ」という言葉があって、死んでからもなかよく極楽浄土に行って、二人で蓮の台に半分ずつ座るって意味です。一蓮托生って感じ。
いい言葉なんだけど「半座」だったら半分こで二人しか座れません。フリングポッセは乱数、幻太郎、帝統の3人なので仲間はずれが1人でてしまいます。
そこで夢野幻太郎がどうしたかというと、「半座」をとってしまい、この言葉を「蓮の台を分かつ」と言いかえました。おそらく幻太郎はポッセが三人とも座れるようにわざわざ言い回しをかえてくれたんです。さすが小説家。
Stellaも台(=蕚)も三人の居場所をつくる物語だったのでした。ステラとウテナで韻も踏めている。
幻太郎は乱数のために席を用意してくれている。だから乱数は幻太郎をもっと信じたほうがいい。乱数の本体がなんなのか、って聞かれた時に乱数はやっぱり隠してしまったけれど、いつか二人にきちんと話してあげてほしい。(乱数も実は知らないのかもしれないけれど)
今回のドラマパートはStellaを現実に落としこんだもののように思えます。だからまだ3人のつま先が前を向いたばかりだし、長い旅は始まったばかり。
リズムの合間でまたフリングポッセに会える日を楽しみにしています。
(ところで小数点のはるか先にある1の奇跡っていったら学校で同じクラスになって友だちになろうって声をかけてきた人物が実は自分の双子の兄だった、ってことしかないだろう)
あと乱数、君は確かにクローン人間かもしれないけれど、実は自然界にもクローンって存在してて、それは一卵性双生児、つまり双子。
ということは、もしかしたら夢野幻太郎だってクローンなのかもしれないんだよ。びっくりびっくりだね。だから、クローンだってことに関してはそんなに悩まないでも大丈夫。