ヒプアニ2期 感想

 

ヒプアニ2期です!

1期でも局所的に旋風を巻き起こしたあのどえらいアニメが帰ってきた!

ということで感想を書いていきます。

金曜24時が基本の放映時間となっています。地方によって差があるのでABEMAで観るのが手っ取り早い。

1期の感想文はこちら


毎週更新ヒプアニ感想 - pyonkospicaの日記

 

#01 Revenge is a dish best served cold.

ABEMAで先行配信があったので1000円払って観たら強盗の五斗山さんがまた出てきてびっくりした。というか、18人をオリジナルアニメで好きに動かすのは難しいからオリジナルキャラで話を動かすスタイルにしたんだろうか。違法マイクを身体中に巻いて目出し帽を被った五斗山さんが登場すると話のリアリティラインがゆらぐのを感じる。さらに五斗山さんというキャラ自体、登場するだけでどうにもギャグ寄りになってしまう宿命があるように思うけど、今回洗脳されて目を血走らせながらバスターブロスを襲うという妙にシリアスな役割をしていたのでどういう情緒で観ればいいのかよくわからなかった。けど五斗山さん人気あるんですよね、たぶん。

乱数がわりと謎のキャラクターになっていて、アニメ初見の人は違法グッズ屋さんだとかお金大好きキャラみたいに思うんじゃなかろうか。

エンディングはめちゃくちゃ可愛いです。ヒプマイの、「コンテンツの要所要所でものすごいいい仕事をする人がいる」という法則が発動している。

 

#02 Side with the weak and crush the strong.

ヨコハマ回。左馬刻様がイライラしていたのはヤニ切れのせいだった…というオチの話。風呂井戸宙二という渡世のヤクザ(伝説の強者だと思われているが実はカラオケ好きのただの木端ヤクザ)が火貂組に滞在しているのですが、初見の風呂井戸のことを

・どこかでみたことがある、窃盗犯を疑った銃兎

・ただならぬ殺気をまとった男と評した理鶯

・タダメシ食らいのロートルヤクザと判断した左馬刻

結果、左馬刻が大正解だったのはハマのリーダーの面目躍如だなぁと感じました。左馬刻様はなんだかんだ勘がいいしリーダー適性が高いのである。ということなんだろう。

銃兎はヤニ切れで攻撃性が増した左馬刻のことも何か変な催眠にかかっているに違いないと案ずるシーンがあり、風呂井戸の正体も外したのでシナリオ上では二連敗の様相を呈し、考えすぎキャラみたいに描かれていた。理鶯は殺気センサーが敏感すぎて虚勢をはる風呂井戸にも反応してしまった、ということだろう。シンプルな生き様の左馬刻様が一番見る目があった…という『はだかの王さま』みたいな回でした。また、劇中歌『ジンギ』はめちゃくちゃ良かった特にイントロから裏に続く弦。早くフルで聴きたい

ところでヒプノシスマイクの生みの親の1人である百瀬裕一郎さんは今回アニメに参加しないのか?と調べたら、ちょうど今秋から『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』というアニメの脚本をされているようでした。ライバルじゃん!

 

#03 Happiness depends upon ourselves.

ゴヤ回です。「赤味噌ブラザーズとBATが戦う」「イケブクロヨコハマシブヤシンジュクが集まり今後の作戦を練る」「ベリアル紹介」「明と悟紹介」「人探し(キジタニ)」「人探し(サルハシ)」「ナゴヤとイケブクロ出会う」「寂雷と獄出会う」「ベリアル戦」と、はちゃめちゃに密度が濃くてよくこれ30分でやったなと脱帽しました。前回、風呂井戸のハッタリと左馬刻のヤニ切れで30分やった回との落差がすごい。(今思うと風呂井戸回はそれはそれでゆるくて良かったと思う)

・地道にコツコツ人探しをする空却

・意地悪された相手に手を差し伸べる十四

・学生の相談も受け付ける頼りになる大人の獄

と、アニメらしくナゴヤがほんの少しよそゆきに描かれているのも面白く、前回ヤニ切れで車をボコボコにしていた左馬刻様は一体なんだったんだろうかと不思議な気持ちになる。

獄はもっとネタに振ったキャラになる予感がしていたけど我慢ならんモンもふざけてなくて意外であった。(「未決済の書類」と「理不尽に人のものを奪う奴」、曲中では「青いバナナ」と「甘え」)

獄はEDのリリックもとても良くて、

俺の言葉は俺よりも素直だったな

口を閉ざせど心は黙らなかった

と素敵にエモな独白をしている。

 

ストロベリーのくだりでファンシーないちごを背景に描かれた波羅夷却がめちゃくちゃ可愛くて変な扉が開きそうになった。あと、アマンダを誘拐されたというのにその犯人と友達になろうとする十四くん本当にすごい。十四くんがアマンダと喋るシーンって今回初めて描かれたような気がするけど以前にもあったのかな?

「空却さんも獄さんもさっさと帰っちゃったすね」

無言のアマンダ

「そうなんすよ、ふたりとも最近忙しいみたいっす」

と、十四くんには間違いなくアマンダの声が聴こえている描写がされていて、とてもとても切なくてほんのり哀しくて良かった。

 

#04 There is little success where there is little laughter.

オオサカ回。躑躅森盧笙の作画の美麗さにびびった。どこを切っても麗しい。盧笙って描きやすいのかな?

簓と盧笙がかつて漫才コンビだったこと、シマシマの服を着た盧笙が雨の中で解散を伝えたこと、等の過去エピソードがしっかりと描かれながら本筋が進んでおり、こんな初見に親切な話作りができるのかヒプアニ…とびっくりする。キャラ紹介を赤毛坊主、ぬいぐるみ少年、リーゼント野郎、以上!で話をグイグイ進めたナゴヤ回との差がすごい。

 

今回のゲストキャラは雄鶏屋我虎羅さん。勝手に思ってるんだけど、もしかして雄鶏屋さんって実は読書とか映画とか好きなタイプなんじゃないかな。「恥の多い人生やった」というセリフは太宰治の「恥の多い生涯を送ってきました」ぽいし、オオサカ人である雄鶏屋がキメ顔で「どついたるねん」というのなら、それは「どついたれ本舗」という名を持つチームへのアンサーであると同時に、赤井英和の自伝(阪本順治の映画)タイトル『どついたるねん』からの引用だとしても全然おかしくない。

たぶん誰かが、もしかして盧笙が、雄鶏屋が文系漫才師であることを察したんじゃないかなーと。(盧笙は雄鶏屋が人を笑わせる志向のある人間だと早々に気づいているシーンがあり、この回では鋭い人物として描かれている)(いや別に簓でもいいんだけど。天谷奴かもしれないし)

だからどついたれ本舗の劇中歌『New world』に

あんたならどう生きるの?

というリリックが選ばれたのではないかと。「あんたならどう生きるの?はオオサカ翻訳すると『君たちはどう生きるか』なので、文化系ならうおおおおと大興奮だし刺さりまくることだろうよ…策士だなどついたれ本舗…

ちょっと面白かったのが、天谷奴さんが、ものものしいフルフェイスの防護服?を着ながらパソコン入力をする人々のすぐ横でいつもの格好でくつろいでおり、あの場所は清潔区域なのか汚染区域なのかがわりと謎であった。おいちゃん管理者なら防護服脱がせてあげて。

 

#05 As soon as you trust yourself, you will know how to live.

シンジュク回。ナゴヤ店に出張に来た一二三があっさりナンバーワンになってしまい、憤慨したホストたちが集団で店をボイコット。困った一二三をなんやかんや助けるためにホストになるヒプメンたち…という大サービス回。ホストになったのは一郎、寂雷、独歩、十四、獄。空却もスタンバイしたのだが来店時の挨拶をヘイラッシャイ!にしたら即退場になってしまい皿洗いに回った。この空却がアウトになる流れが1分もなかっただろうにすごくスピーディで面白くて大笑いしたので未視聴の方は一度観てほしい。

ホストになった男たちがキメ顔で花を背負っているシーンがあり、普段花言葉にはあんまり萌えないタイプなのだが(花言葉は意図してたり偶然だったり、そもそも言葉自体も定まってない気がするのであまり根拠にはしづらいと思っている)、Twitterで制作スタッフの方が“今回は花と花言葉にこだわったのでひまな人は調べてね”的なつぶやきをされていたので暇人としては俄然張り切る。根拠があるとわかったら張り切るんだから我ながら現金である。

おそらく

四十物十四

トルコキキョウ紫

「希望」

 

天国獄

クレマチス

「精神の美」「旅人の喜び」「策略」

 

山田一

ガーベラ赤

「限りなき挑戦」「前向き」

 

神宮寺寂雷

ユリ白

「純潔」「無垢」「威厳」

 

伊弉冉一二三

バラ黄

「友情」

 

ナンバーワン

バラ紫

「誇り」「気品」「尊敬」

 

だと思う。難しいのが十四くんで、最初はラナンキュラスかと思ったけど

・葉の形が明らかに違う

・紫の花だけどつぼみが白い

ラナンキュラスは花芯が見えない

なのでトルコキキョウだと判断した。

 

ナンバーワンくんの花が「紫」のバラでその花言葉が「誇り」「気品」「尊敬」なのがとても良いと思う。彼もれっきとしたナゴヤの一員であるということや、ナゴヤ店のトップなことに誇りを持っていたのに、一二三の登場でトップを失いヤケになってしまったが本当は気品のあるホストなんだ…というバックグラウンドがグッと伝わって来た。

 

#06 Friendship is a single soul dwelling in three bodies

シブヤ回。フリングポッセにそっくりなフリングポッセのファンが登場し乱数がイライラする。この偽ポッセのリーダー「ラブタ」はオオサカの人なため関西弁を喋るんだけど、それがもう近年まれに見るものすごい偽関西弁ですごかった。特に関西人には、ラブタのウザさが5倍くらい増幅して伝わったと思われる。

ただ、ラブタ自体は本来ただの乱数の熱烈ファンで、洗脳された時を除くと、1度嘘をついた以外は特に悪い人間でもない。なのに“なんか鬱陶しいから”“ニセモノの自分を思い出すから”という理由で乱数に邪険にされていて少し気の毒になった。もっとツッコむと、乱数の可愛いキャラクター自体が舞城華灯にインスパイアされたものだよね。

あのキャラクターは

華灯→乱数→ラブタ

と受け継がれたものであるので、乱数がラブタをうざったく思うのもあまり道理が通った話ではない。乱数のやつあたりで自傷である。

 

乱数が自分のニセモノ性やコピー性に向き合う超重要シリアス回でありながら、

偽フリングポッセの

乱数(ラムダ)→愛太(ラブタ)

幻太郎(ゲンタロウ)→健太郎(ケンタロウ)

帝統(ダイス)→ダイスケ

という名付けの巧みさや、ダイスケの名前を聞いた瞬間に「俺に毛が生えたようなもんだ」と返した帝統の頭の回転の速さに大興奮回でもある。

会っていきなり抱きつかれる、腕をつかまれる、可愛いお店を教える等の、普段自分がやっている仕草をいざラブタにやられると心底うざそうにする飴村乱数が非常に興味深いし、もう消滅したかと思った乱数の喫煙設定も生きていてダークな飴村乱数を堪能できるナイス回だった。18人そろうとどうしても優男キャラになる幻太郎だけど、ヒプアニの幻太郎は体つきが非常にがっしりしているので妙にときめいてしまう。

 

#07 Hell is empty and all the devils are here.

18人が揃い、爆弾解除のために3チームに別れて謎を解きテーマパーク内を駆け巡る回。テーマパークのモデルはたぶんUSJなのかと思うが、予告で見た時は志摩スペイン村ぽくて謎に興奮した。

まずはイケブクロとナゴヤが組んで3ルートのうち1つを目指す。

【個人的な7話の見どころ】

・爆破によってかけていた眼鏡がどこかに行ったが、慌てずにスーツのポケットから剥き出しの新しい眼鏡を取り出す銃兎

・ガラスが刺さり破れた羽織の換えを持っている幻太郎の準備の良さ。というかその羽織、何枚も替えがあるんだね…オバケのQ太郎みたい

・天才教育の新進気鋭美形集団(設定盛りすぎ!)

・「これはサメじゃないシャチだ!シャチは攻撃するとき横一列に並ぶ!」「そういえば水球は7人!」と豆知識を披露する三郎

爆弾解除スイッチ探しに奔走する18人を見てふと思ったんだけど、ヒプアニだけじゃなくヒプマイ本体も含めた話なのだが、ヒプマイって大事なシーンをボタンとか爆破とかスイッチ早押し競争にゆだねる傾向がある気がする。一郎と左馬刻のアレとか。もしかしたらヒプマイ本編のラストバトルも、全員で協力してスイッチを探して罠を解除しボタンを押す話になるのかもしれないな…比喩ではなく…

 

#08 Each of us bears his own Hell.

一方その頃ヨコハマとオオサカの6人は謎解きしないと出られない部屋にとじこめられていた。アンダーグラウンドディビジョンラップバトルとはテーマパークでの謎解きのことだったのだ?

ちょうどこの日(2023年11月24日)に更新されたARBのイベントシナリオが、

“盧笙は遊園地でめちゃくちゃ謎解きに行きたい”的なストーリーだったのですごくうまく連動していた。百瀬祐一郎さんは今期は別アニメの脚本を担当しているのでヒプアニには関わってなさそうだけど、ARB方面からエールを送っているみたいに感じられて嬉しい。(個人の妄想でありまったくの偶然な可能性もあります)

ヒプアニ内のテーマパークの舞台ってUSJなんだろうなってうっすら思ってたんだけど、巨大ぶんぶく茶釜タヌキやファンシー巨大ウサギに巨大カメ、巨大キツネがのしのし闊歩する世界観的にもしかして生駒山上遊園地なんじゃないかって気がしてきた。ウサギは荷物を背負っていたのでカチカチ山モチーフ(タヌキもいるし)のような気もするが、カメとセットで「ウサギとカメ」なのかもしれない。キツネはワイングラスを持っていたからおそらく酸っぱいブドウモチーフのキャラなんだろうと思う。

ヒプアニ名物よくわからないキャラデザのモブラッパー(犬の被り物・猫みたいなピエロみたいなの・北斗の拳的なヒャッハーの人たち)が偽合歓と偽少佐と偽生徒のホログラムを使いヨコハマオオサカチームをおびき出すが、騙されたのは盧笙だけで左馬刻も理鶯もニセモノだと判断したよ…というオチ。ヒプアニの左馬刻様は他媒体よりキレやすさがアップしているけど理知的な面も強化されていておもしろいなーと思う。

あと、謎解きを放棄して座り込んだ(ように見えるが内心では迷路の攻略法を1人で考えていた)左馬刻様の横に一緒に座り込んだ簓にオッとなった。左馬刻と簓ってどちらも機能不全家庭に育った傷ついた子どもで、外に出さないけど内心は真面目なこと考えてたりして、わかり合う部分があるんだよね…

 

#09 The North Wind and the Sun.

シブヤとシンジュクが西遊記のコスプレをする話。(?)

いつも思うんだけど、ヒプアニの英語タイトルってシナリオと内容がいまいちわかりにくい…「The North Wind and the Sun.」でまさか「シブヤとシンジュクが仮装して西遊記やる話」だとは思わないじゃん。「ポッセと麻天狼のヒプノシス西遊記~乱数はめっちゃ変な声になるしセーラー服着るし、ひふみと独歩ずっと馬のままだったけど大丈夫か?FIGHTER’S ROAD~」みたいな感じでした。そう考えると最近のライトノベルのタイトルが長いのも、視認性がよくなるという面ではアリなのか???

 

飴村乱数→孫悟空

夢野幻太郎→沙悟浄

有栖川帝統→猪八戒

神宮寺寂雷→三蔵法師

伊弉冉一二三→三蔵法師の馬(前脚)

観音坂独歩→三蔵法師の馬(後ろ脚)

というコスプレをしている。一二三と独歩が常に馬のハリボテの中にいたという伝説の回であった。

 

「ヘリウムを吸って声が変になる乱数」というシーンがあるんだけど、乱数の平時の声もわりと上ずってて高いため、あんまり違和感のない仕上がりになっていてもったいなかったように思う。もっと明らかに声が変わるキャラで観てみたかったな。

神宮寺寂雷は、「暴力に明け暮れ少年院から闇社会の王になったが妹の死によって改心し医者を目指す」が偽史で「医学生時代に衛生兵として紛争地へ行きながら殺し屋を請け負っていたが贖罪のために多くの人々を救うことを目標としており酒癖が悪く酔うとべらんめぇ口調で暴れだす天才医師」が正史なんだからやっぱりすげーなヒプマイ…と震える。

また、ひふみと独歩が入った馬に寂雷が乗ることで主題歌のリリック「韻潜ませた木馬トロイアの上に跨りロデオさ ロッキン・バトルロイヤル」が地味に達成されたのがめちゃくちゃおもしろいし、よりによって達成したのが獄と因縁のある寂雷だと言うのがさらにおもしろさに拍車をかけていた。

どうでもいい話なんだけど、あれだけ大々的に告知していた「アンダーグラウンド・ディビジョン・ラップバトル」の実態が今のところ「夜のテーマパークを貸し切って花火を打ち上げ、アトラクションや謎解きやコスプレをさせられる(ちょっとラップもする)」なのでえらい華々しいアンダーグラウンドで笑ってしまう。

 

#10 Every new beginning comes from some other beginning's end.

えらい話になってきた。開闢門は不良少年・行き場のない少年の更生施設としてビギニングゲートを作り、明と悟と健司(TBH)はそこの社員であったと。お片付け検定やお料理検定を学び未来を語る明と悟を中王区の棕櫚(1話でやっつけられた人)が難癖をつけて連れていき、死体袋に詰めて返してよこしたのであった…

なんという悲しい話なんだ。これを聞くと開闢門と明と悟と健司への気の毒な想いがつのる…

フロイドとか夢見るだるまの話を丸々1話使ってやるよりも、ビギニングゲートまわりの過去をちょくちょくやったほうがこのアニメの収益的に良かったのではないかと素人ながら思ってしまった。それくらいオタクの心をつかむポテンシャルのあるチームだと思ったよビギニングゲート…

ところでH歴の東大(仮)が輩出した人材、

・ひふみと独歩を興味深くスカウトした寂雷(35)

・チームメイトは10代2人な獄(35)

・明と悟を更生させたかった&亡き後にAI化した開闢門(35)

なのでたぶん若者ふたりを見守りたいおじさん養成機関も兼ねてるんだと思う。この3人が同期で知り合いというのもすごい話にだ。

 

ここにきてオープニングテーマの意味がなんとなくわかってきた。

寂雷が劇中で言ったように“人は2度死ぬ”ので、開闢門が明と悟のことを忘れたら2人は本当に死んでしまう。開闢門はそれが悲しくて彼らを蘇らせた

=RISE FROM DEAD

でもその考えはやっぱり歪んでいて、みんな死から立ち上がり、明も悟も健司も開闢門も自由にならなければならない

=RISE FROM DEAD you'll be free

ということで、RISE FROM DEADには二重の意味が持たされていた、ということなんだろう。

 

いや、それにしても悲しい話だなヒプアニ2期。前半との落差がありすぎて視聴者びっくりだよ…

 

 

#11 There are no goodbyes for us. Wherever you are, you will always be in my heart.

18人は国家安全治安法の名目で中王区に拘束され3つのヘリに番手ごとに乗せられ、ついでに中王区の口車にもうまく乗せられキアロとスクーロと開闢門の制圧に向かうのだった。今話では3番手のチームがキアロのサーバーを壊しキアロを消滅させる。消えるキアロがスクーロのところに向かい自分のデータを譲るシーンは涙なくしては見れなくて、18人許すまじ…!となりかける。いや、18人のほうが正義で主人公側なんだけどね。

ところでこれ棕櫚が明と悟を亡き者にしたのを実は乙統女様は知ってて、なんなら過去のビギニングゲート逮捕を命じたのも乙統女様で、全部知らんぷりして18人と開闢門をぶつけて対消滅狙ってる(もちろん天谷奴はその狙いに気づいてる)だとしたらすごい怖い話ですね。

「酔った獄を回収しにくる寂雷」という面白いものが見れた。寂雷、ラッパーたちに開闢門のことを説明する時に、彼は貧困の中から這い上がり…的なことを言っていて、いや貧困って!知人を説明するならもっと言い方あるでしょ!とハラハラしていたら、アニメの後半で開闢門に「お前ほんとうに嫌な奴だな」と面と向かって言われていたのが面白かった。アニメ1期の時も寂雷の言動には、ん?と思うことがありそれも文章に残してあるんだけど(一番上に1期感想のリンク貼ってあります)、アニメの寂雷は“ちょっと失礼なところのある人”という解釈でいいんだと思う。

理鶯にカンガルーみたいにされてスカイダイビングする三郎、毒島小隊になり明らかにイキイキとしている(しかもみんなそれがバレてにつっこまれてる)理鶯、動体視力がすごい帝統、蹴られた上に想像上の一二三と寂雷を生み出した独歩、切れ者の天谷奴、泥酔して眠る獄…とみんな可愛く愉快な見せ場が用意されていて、キアロとスクーロの話もしみじみ悲しく、このクオリティでできるんだヒプアニ…とびっくりした。先週からいきなり面白くなっている。

 

#12 Tears come from the heart and not from the brain.

2番手はシンジュクへ向かいます。待ち受けるのはキアロと融合したスクーロ。ピンクと緑の髪が肩までのオールバック気味になり、ゆめかわ海原雄山みたいな様相を呈している。

夢野幻太郎が「ワラワは走るのは嫌でおじゃる〜 着物を汚しとうはない〜」と小粋なボケをかましたら「裸で走ればええやろ」と躑躅森盧笙に切られ、場がヒエッ冷えになったことで何かを察したのか、次のシーンでは「シンジュクは伊弉冉さんの地元ですものね…」とボケキャラを完全封印し、いたわりと友愛の人になっていて少し笑ってしまった。ひふみと幻太郎って服をディスった一件から不仲みたいなイメージが地味にあるんだけど、実際はARBで協力して山を歩いたり本を贈ったりしており別に仲が悪いわけではないのだ。

このタイミングでエンディング曲『Next Stage』が配信されたんだけど、自分のチーム(オオサカ)は初戦敗退するわ乱数は死にかけるわオタクはCDを積みまくるわ、時系列的には血で血を洗う2ndディビジョンラップバトルの後に出てきた躑躅森盧笙のリリックの第一声が「ラップってエエなぁ素直になれる」なの本当にすごいし只者ではないと思った。たくましすぎる。

 

#13 Where there's hope, there's life.It fills us with fresh courage and makes us strong again.

最終回です。中王区の門は暴徒たちによって突破された。ビギニングゲート跡地では、開闢門が当時の若者が働く映像をホログラムにして流し続けていた…(開闢門かわいそう)。しかし開闢門は治安維持のため倒されなければならないのであった。開闢門は手術では切除不能な脳腫瘍を患っており自暴自棄にもなっている…

でまあ、最終的には18人が開闢門をボコり、開闢門の治療は寂雷が引き受けることになり、一時は共同戦線を張っていた18人もまたいがみあうのであった。

お約束の冗談パートでもあるんだけど、ラストバトル後に即座に「ブクロに住んでるならしっかり見張っとけ、そうしねえからこんなことになったんだろうが!」と山田一郎を詰めた左馬刻様って基本的に因果をはっきりさせたい理性の人だし、組織人の適性がめちゃ高そうで笑ってしまった。再発防止策を考えるスピードが早すぎる。

 

というわけでヒプアニ2期も終わってしまいました。毎週あれこれ感想を書くの楽しかったので寂しいです。最後まで気になったのは開闢門まわりの話が救いがなさすぎたこと…

・アキラとサトルをシュロに殺され

・復讐は阻止され

・脳腫瘍

って気の毒すぎた開闢門。たぶん脳腫瘍のため通常の判断力思考力ができなくなってしまい、クーデターを起こしてしまった…ってことなんだろうけど。元々はシュロが全部悪いのに当のシュロは第一話で倒されてから意識不明のままなのでいまいちカタルシスがなくしょんぼりです。開闢門の右腕TBHが最終話に出てこないのもびっくりした。あと、2期の話って別にヒプマイじゃなくても成立する話のような気がしましたが気のせいかな。キャラクタがヒプマイじゃなくても、それこそ今流行りのゲゲゲの鬼太郎でもいいしドラえもんでも同じ話ができたような気がする。

3期もあったらいいなーと思うんだけどどうなんだろう。もし3期があるのなら、これずっと悲願なんだけれどARBのイベントシナリオをそのままアニメ化したのが観てみたい!あと、ヒプマイの原作者的存在の百瀬裕一郎さんが、ヒプアニ2期と全く同じタイミングで別アニメ『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』のシリーズ構成と脚本をされていたためか2期は全くノータッチだったのが残念。なんかいろいろ大変そうだなヒプノシスマイク…