HYPNOSISMIC-Division Rap Battle- 2nd D.R.R Bad Ass TempleVS麻天狼感想

 

 

セカンドディビジョンバトル第2回戦はナゴヤディビジョンとシンジュクディビジョンの対決。

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楽天だったのでポーチがついてきました。(右)

左上は2019年ナゴヤCDのELR特典缶バッジ、左下はダースを3つ買ったら1枚もらえるステッカーです。6ディビジョン分買ったため18個のダースを前にうなっています。

 

 

感想

Light&Shadow

ゴヤとシンジュクのバトル曲。オオサカとイケブクロがjoyjoyしてたのとは別世界のようにシリアスな戦いが繰り広げられている。

シンジュクもナゴヤもリーダーが生死を取り扱う職業だという共通点があり、そういう彼らの特に真面目な面が今回は抽出されたなぁという印象だ。

 

私は全て救う

と神宮寺寂雷(35歳医師)が宣言したもんだから

救うなんておこがましい

ただ補うだけ

と波羅夷空却(19歳僧侶)が返してしまう、という緊張感のあるやりとりになってしまった。

ただこれは漫画「ブラック・ジャック」で本間医師がブラックジャックに言った「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」という超有名シーンのオマージュだと思われる。いつだってお医者さんはおこがましさと、またそれを指摘される辛さと戦っているということだろう。

それにさ、「補う」でも「救う」でも、相手を助けたいと思う気持ちは同じなんだ。同じなんだよ。

 

個人的には、天国獄(一流弁護士)が観音坂独歩(年収600万円サラリーマン)を「お前とは年収の桁がちがうから出直せ」とディスったり、独歩が獄を「お前には庶民の地獄はわからんだろ高慢エリートリーゼントめ」とののしるといった、ふたりの経済格差にまつわるすさんだ悲しい戦いが発生しなかったのでもうそれだけで健闘を称えたい気分でいっぱい。なんとなくヒプノシスマイクでそういうのは禁じ手な気がするし、遺恨が残るだけで何も生まないからだ。

お互いよく耐えた。

 

一番好きなリリックは十四くんの

社会に削られて見る影もない

そんな中年の暴言には騙されないっす

というところ。かわいい口調でひどいことを言っていてとても好き。

 

 

開眼

ゴヤディビジョンの新曲。

さっきも言ったけど、特にナゴヤの3人はああ見えて根が真面目で素直なんだと思う。

俺の怒りや痛みは俺だけのもんだ

誰も触るな

悪いが神や仏じゃねえんだよ

単なる通りすがりのお坊さん

この世の全てが暗闇ならば

瞼を開く意味などないから

上から天国、空却、十四だけどすごく世の中に対して正直で真摯に生きているなぁと感じ、でもこんなに自分をさらけ出していたら辛いだろうなぁとも思う。そんなヒリヒリした部分がナゴヤの良さなのかもしれない。空却は19歳、十四は18歳とかなりメンバーが若いというのも荒削りな魅力の一助となっている気がする。天国獄は35歳だけど、この人はお兄さんが亡くなってから時が止まってしまっているようにも感じる・・・。

天国獄さんはお兄ちゃんが亡くなって時間が止まってしまった。傷ついた心の中にはまだ十代の獄が生きていて、空却と十四はその部分に共鳴したから天国獄は三十代のおじさんなのに十代ふたりの世界に迎え入れられた。ということでナゴヤディビジョンは実は全員十代、実質バスターブロスです(?)

 

 

開眼というタイトルは五眼についてかなぁ。

仏教に五眼という概念があって、修行の段階に応じて得られる五つの能力を眼に喩えたもの。肉眼・天眼・慧眼・法眼・仏眼。菩薩が持ってる超絶すごいパワーでもある。
ゴヤが三人そろって開眼して本気出せば

六つの眼

になるから五眼も超えられるんだぜ、ということを空却は言いたいのかなぁと思っている。

 

 

TOMOSHIBI

シンジュクの新曲は「迷宮壁」のGADOROさんが手がけられました。

言葉のチョイスがとっても素敵。

困難も全てフローになる

2度と破れない金魚すくい

俺は木綿豆腐のメンタルの恐怖症

どうにもならないことがどうにかなる

いい・・・!土着的なセンスと遊び心が結びついた詩で、GADOROさんの作家性にただただ拍手です。

 

 

ドラマトラック

「和衷共同」

「錆びつけば進めず、臆すれば誇りを失う。故に我々は己に否を焼べ、火を灯し続ける」

 

もうわざとだと思うんだけど、寂雷がひふみに「周りは先生をスーパーマンだと思ってますよ」なんて言われて、それを寂雷が否定するシーンがあるんですよ。

一方で、裁判でミスした獄がそれを指摘されて「俺はスーパーマンじゃないミスもするさ」って、いまそんな話してないし誰も言ってないのに自分をいきなりスーパーマンと比較するシーンがあって、ものすごい可笑しかったです。天国さんのそういうところほんと大好き。

 

ソラお兄ちゃんにまつわるエピソードや邪答院仄仄の大活躍が描かれました。仄仄は今年のヒプノシスアカデミー助演女優賞確定です。無茶苦茶うまいしあまりに素晴らしすぎてリリックを書き写してしまった

そんな想ってくれてたの嬉しい
貢いじゃおっかな高価なジュエリー
トラウマなの?なんか可哀想
治らないよアンタは弱いもん
そんな女性が怖いなら

私がしてあげようかアドバイス
また仲良くしたいな一二三と
ねぇ仲直りのキスしよ?

こりゃやべえわ。勝てる気がせん。

 

 

ところで2本のドラマトラックを聴きながらぼんやり考えていたんだけど、神宮寺寂雷が暗殺者ill-docだという設定ってどうなったんだろうか。

なんとなくうやむやになってますが寂雷先生って過去に殺人をおかしていますよね。

対テロリストの殺し屋を請け負っていた過去があり、命の贖罪を求め、医師に転身した。

って公式サイトから引用しましたが、対テロリストだから命を消してもいいって話でもないだろう。テロリズムの文脈だって勝てば官軍、歴史によって変わるだろうし。

 

ということは神宮寺寂雷には今後、人を殺めた罪を問われる可能性が存在している。

どうするイルドック。

 

いつか寂雷が裁かれることになるならば、法廷で寂雷の罪を弁護するのは天国獄なんじゃないかな。

みんなを救おうとしていた寂雷を、天国獄が法という力で救おうとする。

天国獄がなぜ、「勝てない裁判は引き受けない」無敗の弁護士という設定なのかというと、将来、大罪で裁かれる友人のために、彼ははじめて「勝てない裁判を引き受ける」から、かもしれない。


ヒプノシスマイクのガイドブックの年表の始まりは「寂雷と獄が中学校で出会う」。

なら年表の終わりは「獄が寂雷を弁護する」だったりしてね。