ヒプノシスマイク SHOWDOWN Hoodstar+ 2nd D.R.B NON-STOP DIVISION MIX感想

 

2021年9月8日、ヒプノシスマイクセカンドDRBの最終決戦CDが発売されました。正式名称は

HYPNOSISMIC-Division Rap Battle-2nd D.R.B

Buster Bros!!!VS麻天狼VSFling Posse

です。その名のとおりイケブクロとシンジュクとシブヤの三つ巴対戦となっています。

そういえば二年前の9月7日はヒプノシスマイク4thライブの日でした。大阪城ホールの場でオオサカディビジョンの参戦が発表され、翌9月8日はナゴヤディビジョン参戦が発表されたのだった。偶然なのかどうなのかはわかりませんが、新ディビジョンが決勝に残っていたらちょうど決勝CD発売日が2歳の誕生日(?)だったということになります。だいぶ盛り上がったかもしれない。

 

いつものようにゆるく感想を書いていきます。

 

SHOWDOWN感想

Dragon Ashが決勝曲を書くと聞いてひっくり返ったよ!すごくないかヒプノシスマイク。先日の7thライブでDAとスチャダラパーがゲスト参加したために小さなフェスのようになっておりライブがえらいことになってましたね。

決勝用に3ディビジョンにキャッチコピーがついたんですが

 

シンジュクの「哀を背負い、愛を分ける戦士たち」が『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』ぽくてむちゃくちゃ喜んでしまった。ガンダムまったく不勉強なんだけど麻天狼とガンダムの親和性に大興奮です。そういや独歩の赤毛の癖毛もアムロに似てる気がしてきた。

 

それでSHOWDOWNの感想なんですが、BBとFPと麻天狼って声質が似てるね!?もちろん神宮寺寂雷なんかは明らかに違うんですが、私の腐った耳では初見で誰が歌っているのか把握するのがすごく手間取ってしまった。

今回、左馬刻とか銃兎、簓や天谷奴、空却みたいな分かりやすく声質や歌い方の違う人たちが負けちゃったから、いっそう勝者3ディビジョンの声の相似が明らかになったのかもなぁ…と妙なところで感動しました。声優さんの年齢もアラサーが固まったからよけいにそう感じたのかもしれない。

 

詞はkj氏とインビジブルマナーさんの共作のようです。すごく面白いと感じたところがいくつかあって、

今日も逃げ込むTeensが言うんだ

「暮夜の大空戻れるかどうか」

シンジュク・ネオンの航空灯火

この灯決して消しちゃいけないんだ

伊弉冉一二三の担当はむちゃくちゃいい詞ですね。いろんな事情があり夜のシンジュクにやってきた若い鳥たちが、いつか普通の世界に羽ばたいて戻れる日まで僕は羽を休める場所をつくり誘導し続けるよ…という、ティーンズと鳥と飛行機をかけた美しいお話。セーフティーネットとしての水商売というテーマについて考えさせられる深い詞は、さすがインビジブルマナー節という印象。とかいってkj作だったらどうしよう。

しかしこんな胸を打つリリックに対する山田二郎のアンサーはなんと

経年劣化、お前の滑走路

なんだな。けっこういい話だったのに切り捨てっぷりにもう泣いちゃうよ。まぁ確かに17歳からしたら、29歳のホストの話なんて興味ないだろうけどさぁ。

よく考えると山田二郎だって寄る辺ない孤児だし、一歩間違えばシンジュクに逃げ込むTeensであってもおかしくなかった。だけど、二郎は頑張り屋の長男山田一郎に金銭的にも精神的にもしっかりと守られていたから山田という家からシンジュクに逃げる必要がなかった。だから二郎には一二三の話が、不幸な十代の話がいまいちピンときていない。それはとても幸せなことだし山田一郎の努力のたまものであって、一郎はすごいなぁ、ということです、つまり。

また、「シンジュク・ネオンの航空灯火
この灯り決して消しちゃいけないんだ」
って思想で個人的に思い浮かんだのは『ライ麦畑でつかまえて』の主人公、ホールデン。一二三はライ麦畑で遊ぶ子どもたちが崖から落ちそうになったときに捕まえてあげるライ麦畑のキャッチャー=シンジュクのセーフティーネットなんだな…

 

あとは飴村乱数が

この逃避行では無視で行こうね!

だってジジイに届くのもう一光年

って言ってるのに対して

怒りが汚した光と影が

君の嘆きを見逃しかけた

荒れ狂う海から掬い上げ救う

と応えた神宮寺寂雷も見所です。

もう無視するよ、って乱数が諦めたタイミングで寂雷は乱数の悲嘆に気づいてしまったようです。「君の嘆きを見逃しかけた」だから、寂雷は今回は乱数の気持ちを見逃さないし、もう救う気まんまんでいる。

しかしながら飴村乱数がなぜずっと寂雷に怒っているのかというと「作り物の存在である君がなぜ私に近づいた?」という寂雷の言葉に含まれた寂雷的倫理観に怒り悲しんでるんだと思うんですよ。クローンなんて作り物じゃん、というメッセージに怒っているのであって、これはそもそも寂雷が救えるものではないし、もし寂雷が救おうとするならば「私のクローンに対する考えは100%間違っていましたごめんなさい」と言うしかない。ヒプノシスマイクが今後そういうお互いの生命倫理観の立ち位置を訂正謝罪するような地味~なストーリーになるのだろうか…???

寂雷と乱数の軋轢が今後どうなるのかはだいぶん謎ではある。

 

決勝チームの名前が歌詞に織りこまれているのがなんか素敵です。

OK!ブクロ西口世界の中心!

シンジュク:痛み打ち克つGroup

永遠に語り継げFling Posse

シブヤだけワードがエモいしチーム名がそのまま入っており、しかも順番的に最後にいるのでどうしても目立っている。今回はシブヤが優勝ターンということでいいと思う。しかしほんとに哀戦士も捨てがたい。

 

Hoodstar+感想

Hoodstar大好き~。ナゴヤオオサカが追加されて6ディビジョンになると聞いた時は大丈夫か?特に最後の三拍子のあたり!?と人様のお仕事ながら心配になったりもしたけれど、もちろんインビジブルマナー様にかかればお茶の子さいさい的な出来上がりなのでした。(そりゃそうだ。白鳥は水面下で足をばたばたしていたとしても水面上では優雅で美しいのだ)

ゴヤパートが軽いシティポップみたいで可愛い。

波羅夷空却が

つんつるてんのままPunkするぜ!

って言ってるから空却はパンクの人なんだろう。パンクとは自分がアウトサイダー・少数派であることを見つめる姿勢であって、批判意識を持った高度な振る舞い…だと捉えているんだけど、山田一郎にかかればかの有名なセリフ「おまえ人格が破綻してんだから時間くらい守れよな」というように単なる人格破綻者として一刀両断されるというのもまたパンクの事実なんだな。

 

あと、四十物十四くんの

僕ら2Pカラーのピーターパンだ

闇属性っぽくていいよね?アマンダ?

フローで描く空中楼閣

スキャンダラスな夢の主犯格

この詞はほんっっとに素敵じゃないですか?

SHOWDOWNのひふみパートと並んでインビジブルマナーさんのヒプマイ傑作リリックのひとつだと思う。ピーターパンがフローで描く夢の主犯格って、こんなキラキラと、しかも意味が通った自然な言葉を浴びることができるなんてあぁヒプマイ者でよかった。またこれを十四くんが外連味のない楽しい様子で歌うのがもう奇跡としかいいようがない。

オオサカは上方を生かした和の音作りになっていて、それもとっても軽快でかっこいいです。

 

2nd D.R.B NON-STOP DIVISION MIX

みんな大好きDJ U-ICHIさんのリミックス。セカンドバトルの9曲をつないであります。ライブ会場で聞こえていたあのテンションあがる曲です。9曲をリミックスで繋いである…といっても、ファスト映画みたいな、「忙しい人のためのヒプマイ」的な感じになるのではなくてむしろ逆。三郎の歌のうしろにレクイエムが鳴っていたり、Black journeyのうしろにPCCSが聞こえていたりと小ネタ満載。むしろ「ヒプマイ好きのためのヒプマイ」の様相です。

曲のアレンジも原曲からがらっと変えてあって、Re:start!!!なんかはさらに叙情的になっていました。好き。#DJ U-ICHIすごい人。

 

 

はまった時からずーっと言ってるんですが、ヒプマイの最終回は下郎どもと中王区でDragon AshのGreatful Daysを歌ったらいいと思っていて。たぶん最終的にヒプマイって

よく晴れた空の真下

悪そうな奴はたいてい友達

マイク掴んだらマジでNO1.

Thank you father,mother,and my friend.

という風な物語で終わるんじゃないかと勝手に思ってるんですよ。

そしたらほんとにZEEBRAさんはやって来るし、中王区の人々は女声で歌い出すし、DAでもちろんkjもやって来るし、ほんとにグレイトフルなデイズに一歩一歩向かっているようでドキドキしてしまう。もちろんGreatful Daysが封印されているというのには大変な事情があるのですが、いつか青空の下でGreatful Daysを歌う18人+αの姿を夢想しています。

雲の向こうは、いつも青空。

 

 

9/25追記

いろんな人がいろんなことを言うSHOWDOWN、要約したらどうなるんだろう…とやってみたら大勢の人が面白がってくれました。決勝戦、つまりはこういう話なんだと思います。