わりと長かったセカンドバトル(2020年末から丸1年くらいやってたかな?)を経て、第2回ディビジョンラップバトル優勝チームはシブヤFling Posseでしたおめでとうございます!
ヒプノシスマイクはすごい。何がすごいかというと、優勝チームは日本のヒップホップのレジェンドから書き下ろし楽曲がもらえるのだ。前回優勝チーム麻天狼はなんとZEEBRA氏から楽曲が提供され、それがまあすばらしく神曲であった。Champion大好き。
そして今回の楽曲提供者はKREVA氏です。KICK THE CAN CREWのKREVAですよ。ヒプ追いかけてて本当に良かった…
というわけで2022年3月16日発売の優勝CD『キズアトがキズナになる』の感想です。
キズアトがキズナになる
まずはKREVA氏提供の楽曲『キズアトがキズナになる』。ポップで可愛らしいトラックのループがとっても聞き心地がよく、さすがKREVA節という感じ。浮遊感のある雰囲気がフリングポッセにぴったりでした
UNITED EMCEEZ -Enter the HEXAGON-
リーダー6人が歌うという、ももクロ歌合戦の時以来ありそうでなかった楽曲。6人をヘキサゴン=六角形になぞらえている。
どうでもいい話なんだけど、『SUMMIT OF DIVISIONS』(2020年)のロゴ、中央の部分にすでに六角形=HEXAGONが描かれている。
一方中王区のロゴも中央に六角形があったり
つまりディビジョン側も中王区も六角形なわけです。ヒプマイってヘキサゴン対決なのかなーと思ったり
六色が交わる時、『』が始まる
ドラマパートその1。びっくりするくらいいろいろなことがおこり、因縁が解決する。バトル後の各ディビジョンの光景が描かれました。
イケブクロは二郎の精神的成長がエグい。完全に三郎をコントロールしているし、下手したら精神面で一郎に並んだかもしれない。
次は根性を努力で鍛えて勝利!その具体的方法は頭のいい三郎にまかせる!と二郎が言うのを聞き、合理的すぎてクレバーすぎて鼻血が出そうになった。
ヨコハマはとてもかわいい。左馬刻は語彙力を強化すべき、と言う銃兎にオレサマが馬鹿だっていうのかとキレる左馬刻。そこに乗っかる理鶯。馬公ウサ公を叱りつけ、馬とウサギは大好物な食材だとスピーチ。これたぶんみんな好きなやつ
シンジュク。一二三はお客さんから電話の嵐、独歩は課長(ハゲ)からの嫌味メールに情緒が壊れている。
オオサカ、ここも良かった。特に天谷奴零の映画の下りが最高に良くて、そうそう天谷奴はこういうキャラでいてほしいんだわ!とにんまり。3人ともマイペースなゆるさがあってしみじみ良い…
ナゴヤは爽やかな後日談が描かれた。敗北を悔しがる獄の元にやってきた十四は前向きにランニングを始めることにしたらしい。ついでに走らされる獄。天国獄の十代に混ざって同じレベルで活動している感じ本当に好き
シブヤは夢野幻太郎の快演が光る。ラジオよりヤバいものが聞けるとは思わなかった。頭のネジを全部外した幻太郎はギガントメガント必聴です。ゲロゲーロゲ
今回新たな謎として提示されたのは東方天乙統女の目的は何なのか?ということでした。えっ、武力の根絶と男性排除以外にもさらに目的があったの乙統女様?
ヒントも明かされている
・乙統女には理想とする世界がある
・今のままの真正ヒプノシスマイクでは意味が無い
・勘解由小路無花果は何も知らない
・邪答院仄仄は乙統女のやりたいことがなんとなくわかる
・しかし乙統女のやりたいことは退屈だから仄仄は邪魔したい
はてさて東方天乙統女は何をするつもりなんだろうか。神宮寺寂雷によると邪答院仄仄の立ち位置は「邪悪」なので、邪悪なる仄仄が邪魔したいということは、乙統女は真正ヒプノシスマイクを使って世界にとってわりと好ましいことをしようとしているのか?
まあしかし、乙統女のやることは世界の未来にとってはいいことかもしれないが人間にとっていいことかどうかはわからない。東方天乙統女は武力の廃止をうたって総理大臣にクーデターを起こしH歴を作り上げた革命家であるからして、もともと思想的にだいぶん過激な人物なのだから…
ところで今回、碧棺合歓が全く出てきませんでした。もしかしたら合歓って「中王区の企みを何もしらなかったキレイな党員」枠になって、中王区解体後の政治を担ったりするのかな
クローン飴村乱数たちの気の毒な最期も描かれた。寂雷によると、
・シブヤの乱数の行動には迷いがある、つまり意志がある
・乱数の偽物に意志はなかった
・だから乱数は人間だ
ということらしい。人間と人間以外を分けるのは意志の存在だという、この寂雷式考え方はわりと生命倫理的に深堀りしたら大変なことになりそうなのでそっとしておきたい。たぶんデカルトの心身二元論とかド・ラ・メトリーの人間機械論につながるのだろう。
まあとりあえず、この世に残り3体のクローン飴村乱数の生命機能が全員停止したので、飴村乱数は名実ともに世界でただひとりの飴村乱数になったわけだ。量産品から唯一存在となり、彼はクローンではなくなった。だけど結局乱数が助かる方法はわからずじまいで、乱数が絶対助かるかどうかは優勝しても明言されなかったのもよく考えると怖い話である。
そしてリーダー6人は和解するのであった。左馬刻はドラマパートになると勘が異様に冴えた人物になるのが良いですね…一郎に歩みよって謝るところもほっこりした。
左馬刻が簓を殴る
寂雷が乱数を平手打ち
勢いで一郎に殴られる空却
左馬刻が簓を殴る(2回目)
と、6人はとにかくどつきあう。簓が人が優しくしてたら調子に乗り腐ってと本音を言うシーンで爆笑してしまったし、良かったなぁと思う。いつも本音を隠して場の空気を読んでいた白膠木簓の本心をはじめて聴いたような気がして謎の感動があった。
あと好きなのは、生き残るためには日々の食生活を変えること…健康的な生活で身長も伸び年相応の性格になる…と寂雷が乱数に諭したシーン。24歳の成人男性が食生活を変えたからといって身長が伸びるのかというとこれは医学的に伸びないはずで、医師である寂雷ならそれをもちろん知っているはず。じゃあこのくだりは乱数に対する盛大な嫌味だったのかという解釈もできてしまったり。
Fling Posse Inc.
ドラマパートその2。シブヤの3人が賞金をどう使ったのかというお話。
つまり飴村乱数3500万
夢野幻太郎3500万
東方天帝統3000万→1億
の計1億7000万円でゴダイさんの繊維工場を買い取ったわけだ。
この話、
・もともと賞金で生地の開発をしたかった乱数
・ゴダイさんを援助したい帝統
のふたりは、実は賞金の使い道が本意のルートであるのだが、夢野幻太郎はもともとは賞金で貯金をしようと思っていたわけで、それを変更し会社を買い取った幻太郎はなかなか優しい人物のような気がする。
さて、シブヤは優勝してすごいものを手に入れた。彼ら3人は工場のオーナーになったのである。名前も来歴も何もかも秘密と嘘で彩られたフリングポッセに、工場という確固たる居場所と、オーナーという立場ができた。優勝したおかげで、根なし草である彼らの関係が法的に整備されたわけだ。そしてそれは何十年も未来へと続く最強の絆なのだ。
いろんなことがありすぎて大変なCDでした…リーダーたちは和解したし、ヒプノシスマイク第一部完といった趣だけどまだもう少し続きそうでもある。邪答院仄仄さんの演技むちゃくちゃ良かったですね…鈴を転がす声ってこういう声のことかなぁとドキドキしました。関係ないけど邪答院仄仄の始末書、名前とキスマークしか書いてなさそう。
ところでヒプマイのライブって「プレイグラウンド」と「バトルグラウンド」に分かれてるじゃないですか。そしてバトル期間は公式には「バトルシーズン」と呼称されていました。
じゃあそろそろ「下郎ども!興行のテコ入れのための新企画、シャッフルユニットだ!!」なんて「プレイシーズン」の始まりを無花果さんが告げたりするかも…なんて。
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Fling Posseの冒険と伝説(ヒプノシスマイク 2nd D.R.B 優勝に寄せて) - pyonkospicaの日記