ヒプステTDDの新曲について。飴村乱数=我王=猿田博士=科学者乱数説、火の鳥に寄せて

 

ヒプノシスマイクの舞台化であるヒプステ。

すでに1から4まで公演されており、次は5つ目のお話となります。

そんなヒプステtrack.5
“The Dirty Dawg”新曲<King of Kings>
というのが先日公開されました。


新曲の歌詞によると
一郎は「帝王」
左馬刻は「覇王」
寂雷は「魔王」(←ぴったり)
そして乱数は「我王」

我王?

個人的にちょうど『火の鳥』を再読してたのではっとしたんだけど、火の鳥鳳凰編に我王という人物が出てくるのです。そして、我王は火の鳥の主役といってもかまわないキーパーソン。古代から未来まで輪廻転生を繰り返し火の鳥と対峙する罪人。
我王は殺人悪行を繰り返し罪悪感などまったく持っていなかったけれど、途中で命の儚さと尊さを知り改心するというキャラクターです。もうこの時点でちょっと飴村乱数っぽい。


その我王、火の鳥未来編では猿田博士という人物として登場するんだけれど、猿田博士とは
“誰もいない吹雪の地球の地表でたったひとりドームで暮らす天才科学者”なのです。

その天才科学者の彼が研究しているのは何なのかというと、「クローン」。

どっかで見た設定のような…?

そうなんだ、これはStellaの

氷に覆われたここで生命は私だけ
研究は気が付けば人の道を外れた

と同じシチュエーションなのだ。

 

Stellaの歌詞はさらに

誰が為かも忘れた紙くずのようなラブレター

と続くんだけど、実は猿田博士の研究も愛ゆえで、愛する人類と地球の未来のためにひとりでクローンを作り続けている…と火の鳥本編に記載がある。

 

ならば
乱数=我王=猿田博士=科学者乱数

つまり
Stellaの科学者乱数の正体は猿田博士ではないのか。

ということは

飴村乱数は我王である

我王は猿田博士である

猿田博士は科学的乱数である

(そして科学的乱数は飴村乱数であり、ここに円環が完成する。)

 

もちろんこの話は単なる個人的な解釈です。だけどひとつ気になる点があって、以前ヒプラジにて弥之助さんが“シブヤの曲を作るのにイメージした作品”をいくつかあげていたんですが、それが、『上を向いて歩こう』『甘き死よ来たれ』『ドラえもん』『プラネテス』そして『火の鳥』なんですね。えっ『火の鳥』?

ということで『火の鳥』がシブヤに影響を与えているという弥之助さんのお墨付きはちゃんとあったりする。


大きな輪廻転生の輪から外されてしまったようなクローンの飴村乱数が、輪廻転生を描いた物語である『火の鳥』的なモチーフを与えられているのがなんとも哀しい。いや、クローン乱数たちはかわりばんこに死に生まれ、彼らの中で輪廻転生を繰り返しているのだろうか。

“乱数=我王=猿田博士=Stellaの科学者乱数”説でした。