ヒプノシスマイク3DCGライブ感想 12/18インテックス大阪

 


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行ってきましたヒプマイ初の3DCG ライブ。

12月大阪と1月幕張で開催されますが今回行ったのは2021年12月18日 10:00、つまり最速公演です。

地元からライブ会場に近づくにつれ、どんどん電車内ヒプマイ濃度が上がっていくあの感じが最高に好き…!ライブに向かうヒプマイ好きの人たちを見るのが、ライブ本体と同じくらい好き。みなさん缶バッチとかバッグとかぬいぐるみやキーホルダーや服装をばっちりきめていて眼福です。

 

ところで大阪の地下鉄というのは日本でいちばんアングラ感のある鉄道ではないかと乗るたびに思う。古い、きたない、異臭の宝石箱であり、ライブに向かうヒプ女たちが阿波座の中央線に向かう長く暗く不案内な通路を歩きながら、絶対この道間違ってるってといって途中で引き返したのを見てしまった。正解なのに間違いの匂いがする空間それが大阪メトロ

 

セットリスト

1.ヒプノシスマイクDivision Rap Battle+
2.survival of the illest+
3.おはようイケブクロ
4. Re:start!!!
5. Yokohama Walker
6. シノギ
7. Shibuya Marble Texture
8. Stella
9.パピヨン
10.TOMOSHIBI
11.笑オオサカ
12.なにわ☆パラダイ酒
13. Bad Ass Temple Funky Sounds

14.R.I.P.
15. IKEBUKURO WEST GAME PARK
16. HUNTING CHARM
17. Black Journey
18. Shinjuku Style
19. あゝオオサカdreamin'night
20.開眼
21. Hoodstar+
22. SUMMIT OF DIVISIONS

えっ『Shinjuku Style』とか『あゝオオサカdreamin'night』やらないの…?と途中でドキドキしたがラストでやってくれた。

SS1から5が最前ブロック、私はSS6だったのでそこそこ前のほうなんだけど、この中途半端な近さが今回はよかったように思う。なぜなら、サイドモニターの画質がガビガビなのです。

サイドモニターは演者を拡大してくれるんだけど、CGなもんだから拡大すると正直作り物感が見えてしまう…のであまり見ない方がいいやつだった。世界観に没入するために序盤でサイドを見るのはやめました。だから中央の本物を眺めるんだけど、こちらは微妙に遠いため表情などの細かい部分は見えない。逆にいうとアラも目立たない。

最初30分くらいはいつもの声優さんのライブとの違いに頭がついていけなかったんだけど不思議なものでStellaくらいから目が慣れてきて、笑オオサカになった時には完全にキャラクターが「居るわ」というのがわかった。『おはようイケブクロ』でくるくる回る山田たちなど、キャラクターの動きは声優さん準拠だった気がするんだけどあんまり自信ないです。

 

個人的な見どころ

・『パピヨン』にて一二三がジャケットなしで登場し、女性の観客を見て怯えるという一幕がむちゃくちゃアツかった。観客、つまり私(たち)を見て悲鳴をあげる一二三を見ることで、我々の女性性とそれにともなう加害性に向き合わされるという、楽しいライブを見に来ただけなのになぜか針のように刺される体験であった。一二三ごめん。

しかしなんと一二三、寂雷と独歩のサポートにより途中までそのままジャケットなしで歌いきったからすごい。えっいらんのジャケット。たぶん来年は一二三の女性恐怖症に焦点があたり、恐怖症の解消も近そうだなぁという雰囲気。

さて、なぜ一二三がジャケットを持ってなかったというとそれは「観音坂独歩のせい」だったんだけど、この二人の一連のやりとりがすごくエモい雰囲気で震えたので是非いちど見てほしい。この寸劇を見た瞬間に、今回ライブに来てよかったと心から思った。そして前も書いたけれど一二三が女性恐怖症になったのもなんとなく独歩が一枚噛んでいるような気がする…

・山田三郎がすごい塩対応な時と優等生なコメントをするときがあり、二面性が出てきたなぁという印象だった。結構わかりやすくぶりっこするのがなんだか可愛くてほほえましい。最後の観客への挨拶の時もぶりっこサブローザだったけど無理しちゃって…とにやついてしまった。

・乱数の声優さんがすごく背が高いのに対し、本物?の飴村乱数はメンバーでいちばん小柄(155cm)である。小さな乱数がStellaやBJを歌うと曲の悲壮感がより引き立つなぁと新たな発見だった。

・乱数と簓がチャカチャカした動きで賑やか。理鶯も腰を落として視線を低くするモーションが多くて面白い。

ベスト姿で肩を張り背筋をのばし鷹揚にツッコミを入れ続ける躑躅森盧笙のたたずまいがオードリーの春日にそっくりでずっと見てしまう。盧笙はなにわパラダイス酒でぐでんぐでんに酔っぱらう姿も無茶苦茶かわいくて地味に今回のMVPだと思った。

天谷奴零も動きがゆったり大きくて威厳があって良かったなぁ。意外に、十四くんの存在感が自然で本当に居そうだった。

天国獄がバイクをふかす真似をしたのが(たぶんGODと同じ動き)面白かわいくてちょっと笑う。

・演出の話をすると、スピーカーのさらに上のレイヤーで数人が重なって移動するのがほんとに自然で、実在感がすごい。どういう技術なんだろう?また、レーザービームや火柱というヒプマイライブでお馴染みの演出も盛りだくさん。生演奏でコントラバス弾いてたの最高に格好よかった。

・銃兎や一二三のスーツに比べて独歩のスーツが安そうな雰囲気が出ていて、なんかいい…というか独歩は全般的にしょぼくれていてとってもよかった(ほめ言葉です)

 

幕間

ディビジョンごとにもちょっとした掛け合いがあって楽しいんだけど、なんと番手ごとにも集合会話がある。

一番手

→乱数が観客にマナーを教えると言い出し、観客はぴょんぴょんぴょーんなどのポーズをやらされる。それを見た左馬刻がつっこみ、簓が駄洒落をいい(調子と緊張しいひんをかけた駄洒落)、寂雷がそこに医学的根拠を求めて食いつく…というやりとり。一番手は基本的に全員やりたい放題でツッコミ不在なので話の流れがえらいことになるということがよくわかった。

 

二番手

→幻太郎無双です。DJの一族の末裔だから皿を回したくて仕方ないと自己紹介したり、二番手はトンチキな面子だとのたまう幻太郎、幻太郎の冗談を信じてひとりで息を180秒止める盧笙、十四に訳わからないことを言うなと凄む二郎…など。DJ一族のくだりがものすごく面白くて笑ってしまったけど会場はまったくそんな雰囲気ではなかった。

 

三番手

→僕と軍人以外は疲れてるんじゃない?などと指摘する山田三郎。どうでもいいが理鶯は観客のことをお前たちと呼ぶのでちょっとしょんぼりした。はやく一人前のソルジャーとして認めてもらい、貴殿らと呼ばれたい。

 

などなど全体的にとっても盛りだくさんでした。細かいところを見たいので明日のチケットも買おうか一瞬悩んだんだけど、家からだとコスモスクエアまでの道程に乗り換えが無茶苦茶多いのでこらえました。とにかく数千人のヒプマイファンと過ごすあの時間が楽しくて、3DCGを観ながらも結局現実の善男善女とマイクを光らせるという謎の祭りの一体感が最高にいい。

 

なぜ普段いがみあっている彼らが協力して今回ライブをしたのかがいまだによく判らないけれど、いつものライブのような“推しディビの存在証明を示すぜ”という感じではない。だからか、自由にディビジョンの色を変化させるクラップマイクというものが配られた。これを使い『おはようイケブクロ』の時は全員赤のライトを振り、『開眼』の時は全員紫のライトを振る、というシステム。こっそり周りを見ていたが、見る限り全員がきちんと適した色に適宜切り替えていて、よほどの信仰心がなければ推しディビカラーのままライブを貫くのは不可能な空気であった。ヒプノシスマイク公式はファンをゆるい箱推しに誘導したいのかもしれない。

さてインテックス大阪のキャパは1万人、今回は50%制限として5000人。チケットが平均1万円としたら1回のライブで売り上げは5000万円。しかし彼らは今回非実在青少年なので1日3回のライブを2日間行えます。なので大阪だけで総売り上げは3億円!!!なかなか経済が回る感がする。どうかこのお金でヒプマイも末永く活躍してほしい。

 

ずっと思ってたんだけどヒプマイってキャラクターに確固とした実体がなくて、楽曲を暫定的な中心として声優さんやコミカライズや舞台が楽曲のまわりをぐるぐると回っているように思っている。そのぐるぐる回るイメージの重なりでぼんやりと造られているキャラクターの輪郭をファンは感知しているというか。(大げさにいうと「神」なんかもそういうシステムじゃないか?)

それが今回、キャラクターが実体を持って歌い出したからさあ大変。神は死んだどころか、神降臨ですよ。この3Dライブというものは、後から振り返るとなんかすごい意味のある転換点になるような気がする。ライブ前日に「各キャラクターの筆跡が公開された」というのもキャラクター実存主義の方向性に一歩進んだのではないだろうか。まぁ考えすぎかもしれないけれど。