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長距離ランナーの孤独 神宮寺寂雷と波羅夷空却についての考察

 


神宮寺寂雷と波羅夷空却の違いは何か
もしくはシンジュクとナゴヤの違いは何か

 

ということがセカンドバトルからずーっと心に引っかかっていました。どちらもリーダーが助ける/導く/救う/補うといった思想を持っている、宗教色が濃い目のチームというイメージがあるけれど、このチームが『Light&Shadow』で戦ったわけです。

寂雷も空却も、より良い世界を目指しているはず。寂雷はみんなを救おうとしているし、空却はみんなを導こうとしている。ふたりの見ているゴールは近い。

なのに、なぜ空却は『Light&Shadow』で寂雷に「救うなんておこがましい ただ補うだけ」と返し、寂雷の姿勢をちょっとディスったんだろう???なぜ寂雷と空却は似ているようで違うんだろう???

というのがずーっと謎だった訳ですが、最近もしかしてこういうことかも!と自分なりの決着がついたわけです。

それは、寂雷は大乗仏教的な考えの人で、空却は上座部仏教的な考えの人なんじゃないか、ということ。

仏教というのはざっくり大乗仏教上座部仏教に分けられます。
大乗仏教とは、そのうちすげー存在が我々を救ってくれるから、そのために我々は祈りましょうという感じ。
上座部仏教とは、救いは自分でがんばらないと到達できないものだから、我々はおのおの個人で修行しましょう、という感じ。

寂雷は大乗仏教側で、しかも自分を救う側だと定義してるっぽいので寂雷は個人ではめちゃくちゃがんばる。でも寂雷の世界では、寂雷以外はそんなにがんばらなくていいのです。だって寂雷が救うから。寂雷ががんばることで全員が幸せになる。

一方空却が上座部仏教側ならば全然話が違う。空却の世界で全員が幸せになるためには、全員が個人でがんばらないといけない。空却が無条件に全員を幸せにすることはできないのです。

寂雷はバスの運転手みたいなもので、空却はマラソンランナーみたいなもんだろうか。寂雷の世界では乗客は座って祈っていたら寂雷が目的地まで連れて行ってくれるけど、空却の世界ではみんな自分で一歩一歩テクテク歩いて走ってゴールを目指さないといけない。
空却は寺の子で僧侶見習いだから、一般人よりはマラソンのコツをしっているから、そっとドリンクを手渡したり地図を渡したりはできるけど、空却がゴールまでおんぶして連れて行くことはできない。

だから空却は「救うなんておこがましい ただ補うだけ」と言う。空却の世界では、自分を救えるのは自分だけだからです。空却は手助けし、補うことしかできない。

だから空却はことあるごとに十四を(獄も)修行させる。なぜなら空却は十四と獄に幸せになってほしいから。空却の世界では、救いは自分で見つけないといけないもので、修行こそが救いへの唯一の道だから。

もちろん寂雷もみんなに幸せになってほしい。だけど寂雷はひふみや独歩に修行しろとは言わない。修行し、がんばるのは寂雷だけでいいからです。寂雷ががんばってがんばって人間を超えて強くなれば、全員救えるからです。(だからセカンドバトルのナゴヤとシンジュクのドラマにはスーパーマン(超人)という語が頻出したのかな?)

 

寂雷と空却はふたりとも人類の幸せを追求する人たちなんだけれど、その方法論が全く異なっているのです。だから意見が食い違う。

TOMOSHIBIで寂雷は救済を金魚掬いにたとえていたけれど、寂雷は無数の金魚を救うためにたった1人で孤独な金魚すくいをやり続ける人なのだ。一方空却は金魚なので、空却金魚は他の金魚たちと修行してジャンプ力や肺活量(?)を鍛え、自力で水槽から出ようとしているということなんだろう。


というのがセカンドバトル『Light&Shadow』における寂雷と空却の意見交換会だったのかなぁと。その後寂雷は乱数や獄を知ることでなにか心境の変化があったみたいだけど、それは寂雷の今後のスタンスに生きてくるんだろう。
7連続CD、楽しみですね。

(空厳寺の宗派は上座部仏教だ、ということではありません。あくまで、空却は個人的に上座部仏教的な考え方をしてるのかもなー、だとしたら寂雷とのバトルに辻褄があうなー、といった話です。現在の日本の仏教はほとんどが大乗仏教由来です。)

ヒプノシスマイク10thライブ≪LIVE ANIMA≫感想

 

2024年4月6日土曜日&4月7日日曜日、二日目にわたって幕張メッセでヒプマイの10thライブが開催されました

というわけで感想です。

ところで今回は幕張メッセという場所に土地勘がなく、おまけに気力体力もまったくないので、ライブ需要でそこそこお値段の上がっている最寄りのホテルを思い切って二泊とり(財布が痛い)、空き時間はベッドでダラダラ過ごすというプランにしました。

ヒプマイのライブには4thから参加しているんですが初の遠征両日ということで大興奮です。たしか4th7thは両日参加できない仕組みになっていた記憶があり9thも両日参加はちょっと難しかったような?

今回10thはセトリがホーミーズとフッズに分かれており、day1day2で大幅に変更される予定なのでどうしても両日見たかったのでした。

新幹線に乗りながら思ったんだけれど、ヒプのライブを見に西から東海道新幹線で来るオタクが目指す降車駅が

7th 新横浜 (ぴあアリーナMM)

9th 品川  (有明アリーナ)

10th 東京  (幕張メッセ)

と順調に一駅ずつ東に進んでるの面白いですね。

スタンプラリーしているみたい。そしてだんだん中王区に近づいてるのがまるでじわじわ王手を狙っているみたいで殺意が高くてめちゃいいです。

 

day1セットリスト

RISE FROM DEAD

Hypnotic Summer

Bring it on

ジンギ (Pay Respect)

SANITY

New World

Dive in

AN IDOL

We go with the flow

PUMP IT UP

FIGHTER'S ROAD

Femme Fatale

Verbal Justice

WINK

Rivals!

毎度!生きたろかい! ~OSAKA Big Up~

Get busy

夢の彼方

Move Your Body Till You Die!

HIPHOPPIA

楽園ベイベー

JUMP with chay

SUMMIT OF DIVISIONS

Next Stage

Hoodstar +

 

こんな感じだったかと思います。

今回はなんといってもセンターステージの存在が大きかった!私はC10というブロックにいて、こういうのはAブロックしか勝たんのだ相変わらず自分は席運が悪すぎるなぁという気持ちで入場したら超びっくり。センターステージの真横でした。いつの間にか理鶯の声優さんが10mしか離れてない場所にいて、肌の質感までわかりました…。理鶯と三郎、独歩、帝統の声優さんは10mの至近距離で見えました。C10側には3番手が来るのかと思ったけど天谷奴・獄の声優さんは記憶にないからたまたまなのかも。変わりに盧笙の声優さんをよく見た気がします。

センターステージはおおよそ4割くらい?の確率で使用されたので声優さんがめちゃくちゃ近い。なのでC4とC10、さらにD5〜9はセンター前なので地味に激アツブロックなんだと思います。C10 はトロッコが真横を通る場所でもあるので左を向けばセンターステージ真横、右を向けばトロッコ真横という感じでした。ありがとうFCヒップスター

今回はトロッコが走りまくるので後方も楽しそう。これまでは後方天井席は小指大くらいの声優さんを見続けることが多かったんだけど、トロッコがぐるんぐるん走りまくることでいい意味で緊張感のあるライブになったなぁという印象です。むしろ、センターステージと爆走トロッコは高低差のないフラットな大箱である幕張メッセという場所を生かしたライブの最適解だと思う。今回のライブを考えた方すごい。

セトリもいいんですよね今回。なぜか、これまでライブであまり披露しなかったアニメ曲を中心にし、さらにEP曲も盛り込むことで新鮮さ抜群になっていました。ステラとかあゝオオサカ〜とか、大大大好きですが毎回聞いていると、贅沢な話だけどちょっとマンネリズムに飲み込まれがちだったからなぁ…いやほんと贅沢な悩みなんですけどね。普通そんなに名曲って出ないのにSSR曲をヒプはポコポコ抱えてるからすごいコンテンツなんですよ本当に…

また、中王区が3曲だけ歌って下郎どもの監視をするからという理由でさっさと帰ったの爆笑しました。個人的には中王区の曲大好きなんだけど、中王区って苦手な人もいるだろうなぁとも思うので、ちょっと物足りないな、もっと聞きたいなって思わせる塩梅がうまい。

そして毎回1ヶ月前くらいに発表されるゲストが当日まで発表されず、シークレットとしてRIP SLYMEが来たのも最高だった。スー氏とペス氏はいなかったけれど、これでもう日本のチャート系有名ヒップホップチームは網羅したんじゃない?

 

幕張メッセの構造を生かしたみんなが楽しめる演出

・アニメ曲EP曲を中心にした斬新なセットリスト

インパクトを残しさっさと帰った中王区(中王のロゴのレーザーすごく良かった。winkも大好きなので生で聞けて大感激)

RIP SLYMEを隠し通す

たぶん、今回かなり演出を練った人たちがいるんだろうな…関係者の方の頑張りに敬礼です。

 

声優さんのステージングで記憶にあるのは、生ヒップホピアは迫力があったこと、近くで見るとヨコハマみんな肌が白くて綺麗でびっくりしたことや銃兎の声優さんがジンギの高速ラップを成功させて盛り上がったこと、乱数の声優さんが耳のある服を着ていてデカくて可愛かったこと、独歩の声優さんがファイターズロードの入りで野球のスイング?のような動きをしていて大変面白かったこと(銅鑼を叩く真似だったのかも)、盧笙の声優さんのリオーズブートキャンプのヘロヘロ具合が面白かったこと(簓と盧笙の漫才曲も良かった。どついたれ本舗第一部完って感じ)、十四くんの声優さんがトロッコの上から手を降ってくれて可愛かったこと…など。

最後に、day1の裏MVPだと思ったのはリオーズブートキャンプの際に柱の側で真剣にブートキャンプされていた半ズボンのダンサーさんです。動きにキレがあって見ていてとても楽しかった!途中のゲテモノメニュー陳列コーナーのときも一つ一つパントマイムのような動きをしていて細かいなーと感動しました。それにブートキャンプを一切笑わず真面目な顔で真剣にやっているのが凄くて、それがこの曲のユーモラスな世界観にぴったり合っている。そもそも理鶯というキャラクターが「真面目にヤバいことをやる」という時に生まれる可笑しさを体現しているような人なので、ダンサーさんの理鶯観、ブートキャンプ観の解釈はまさに大正解なんだよな。素敵な仕事を見せていただきました…

 

day2セットリスト

RISE FROM DEAD

Hypnotic Summer

Bring it on

ジンギ (Pay Respect)

SANITY

New World

Dive in

AN IDOL

We go with the flow

PUMP IT UP

FIGHTER'S ROAD

Femme Fatale

Verbal Justice

WINK

白と黒 

悪魔の華

Viva la liberty

Closer

ポジティブ my life

燐火

楽園ベイベー

JUMP with chay

SUMMIT OF DIVISIONS

Next Stage

Hoodstar +

 

day2です。

時間に余裕があったのでキッチンカーに行きクリアカードを引き換えたりしました。
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なぜ今回の下郎どもは裸にされているのだろうか…

ところでカバンなどにししゅうマスコットをつけているヘッズが何人か見受けられたのがとても興味深かったです。すごく可愛いし私もコンプリートしてますが、2019のグッズなので息の長さにびっくり。確かに他にはないデザインなんですよね。ARBのちびキャラにとても似ているので親戚なのかもしれません

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幕張という場所に初めて滞在したんだけど、メインの建築物同士が歩道橋で繋がっていてものすごく便利で楽しかったです。まるでドラクエの街みたい。駅もすごく近くホテルは多く飲食店もあり(プレナ最高)ライブ会場として理想的な立地。インテックス大阪に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいよ…(ごめん)

day1はC10という、そもそもがすごく席運がない中で過去最大の神席だったのに対して、今回はH11という後方よりの席。なぜここになったかというと理由があって、ヒプ初の機材解放席にあえて座ってみたかったというわけです。好奇心に負けた。その結果どうだったかというとなんにも見えませんでした。どれくらい見えないかというと4th城ホールアリーナくらいなんにも見えない。(わかりにくい例え)

すごく遠くはないんだけど段差がないのがやはりキツくて、背の高い人なら親指くらいになった声優さんがメインステージやセンターステージで見えたと思います。私は早々にあきらめてモニターと会場の様子とトロッコに注力し、day1で眼の前でリオーズブートキャンプをやってくれたダンサーさんの名前をダンスコーナーを必死に見て把握することをday2の目標にしました。(→Protecterさんというお名前だとわかりました)

 

ロッコで近くに来た盧笙役の声優さんがこっち方面に向けて指ハートをしてくれて、私個人に対してじゃないけれどぶっ倒れそうになりました。

毎回思うんだけどヒプのライブって本当にレーザーが綺麗だし炎やスモークも盛り上がるし今回はラストに金銀の吹雪まで飛んで素敵ですよね…特に今回はモニター上部に円形に曲目と名前や所属ディビジョンがくるくる回っているのがめちゃくちゃカッコ良かったです。

2日通して聞くと、特に

・ジンギ

・PUMP IT UP

・FIGHTER'S ROAD

の地肩が半端無く強くてめちゃくちゃ楽しいし盛り上がる。アニメ曲だからと言ってこのままライブで封印されるのは本当に!もったいないと感じました。AN IDOLもシブヤの小悪魔的な雰囲気に合っててすごく好き。特にジンギはどうにかしてヨコハマの正規曲?に昇格できないもんだろうか…アニメの挿入歌の域を超えた名曲だと思うんですよね…

思えばヒプアニ1期の時にもFallin’という大名曲が生まれたんだけど、その後ライブで一度も披露されることはなく幻の名曲となっている(個人の感想です)ので、ジンギもこのまま消えていくんだろうな…とさみしく思う。ところでFIGHTER'S ROADを制作したCHI-MEYさんはナウサデズイクとかdropsとか他にもいろいろヒット打率が高すぎるでしょ!今回ロビーにCHI-MEYさんからのお花が来ていたのもあって実力確かすぎるだろ…と震えた。

フッズのセットリストは燐火が最高で会場でじーんと泣きそうになりました。左馬刻様という人のこと一生大好きで忘れないかもしれない。なんか今回ヨコハマの話ばっかりしている気がするけど2023年のヒプマイはヨコハマ曲が旬だった気がする。ジンギ、PUMP IT UP、燐火、Move Your Body Till You Die!、白と黒…と全部良すぎた。いまのヨコハマはシナリオ上のキャラクターのカッコよさとコミカルさの配分がいい感じなのかもしれないですね。winkも最高だったし10thの碧棺兄妹楽曲方面でもつよすぎるでしょマジで。

6月から7ディビジョン連続CD発売も告知され、新しいスマホゲームの告知もされ(ヒプアニとかヒプステとかヒプ米とか、なんでも4文字に略すのが大好きなヒプ公式がヒプマイドリンクを「ヒプドリ」と呼ばなかったのは同名のゲーム開発中だったからって伏線回収激アツすぎた)2024年もヒプマイイヤーとなりそうです。ラップってたのC!

 

泊まっているホテルのコーラが220円で、リアルに「コーラが220円?高すぎんだろ…なんでホテルの自販機って高いんだろうな…」って言ってしまったf:id:pyonkospica:20240421083052j:image

白膠木簓小論 合鍵

 

みなさまこんにちは

2024年2月26日から始まったヒプマイARBの最新シナリオ「BQ Cinema Star 前編~シャークVS死霊VS極道!!!~」を読んだら妄言が止まらなくなったので、興味のある方はお付き合いください。

白膠木簓は映画出演のオファーをするために伊弉冉一二三の家に行き、そこで初めて一二三と独歩は同居しているという事実を知ります。そこでまず出たのがこのセリフ
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「……ケンカとかして、チームの士気が下がったりせぇへん?」

 

いきなりなんというネガティブな発想なのか。しかしこれには理由があって、

・簓は幼少期にケンカの絶えない家庭で育った

(そして母親は家を出ていった)

・簓と左馬刻のコンビは洗脳により解散している

・簓と盧笙のコンビは一度解散している

という過去があるのです。若い頃の簓の人間関係、解散オチばかり。

だから簓は他人とずっと一緒に居続けることにどうにもポジティブなイメージを持ちにくいし、もし誰かと住んだらケンカになるのではないかという可能性をついつい考えてしまうのだと思う。(ケンカをした結果、チームの士気が下がることまで一瞬で考えているあたり、リーダーとして立派だなぁとも思う)

 

Twitterでこのシーンについて呟くと、この一二三と簓はよく似たポーズをしているとリプライを下さった方がいました。確かに、かたや子猫ちゃんを笑顔にする超人気ホスト、かたやお茶の間を笑顔にする一流お笑い芸人。チームメイトと同居する男とチームメイトの部屋の合鍵を作りまくる男。どちらも高収入のマンション住まい。一二三は明るく社交的でありながら女性恐怖症があり、簓は明るく社交的でありながらプライベートではなぜか芸人仲間にあまり誘われないという寂しい裏面もあり、2人は少し似ているような気がする。

 

簓は一二三に質問しました。

「……ケンカとかして、チームの士気が下がったりせぇへん?」

簓の知っている人間関係はさよならだらけ。夫婦ケンカの絶えなかった母は家を出ていって戻ってきませんでした。左馬刻とはなぜかケンカになりコンビは解消されました。盧笙とのコンビは解散になってしまいました。簓と仲の良い人々はなぜだかどんどん消えていくのです。だからもしかして、せっかく組んだどついたれ本舗も、盧笙から(または天谷奴から)いつかまた解散を告げられてしまうのかもしれないのです。簓にとってケンカは人間関係のテロメアデウス・エクス・マキナ、避けられない終わり。

しかし一二三の答えはこれf:id:pyonkospica:20240227000351j:image
そもそも「ケンカなんてほとんどしない」「あったとしても長引くこともない」というまぶしすぎる内容でした。大事な人間関係はケンカで終わり、長引きまくり尾を引く簓は内心びっくりしたことだろう。

ところで「同居すること」と「合鍵で侵入すること」は何が違うのかというと、合鍵の方には自分の帰る家があるんですよね。だからケンカをして空気がわるくなったらいつでもさっと自分の家に帰れる。ピリピリと険悪な雰囲気が苦手で、大切な人間関係ほどケンカ別れになる簓には合鍵を持って自由に出入りするスタイルは精神的にもぴったり合っているのだろう。今さらながら、合鍵というシステムには、簓の大胆さ、ためらい、強さ、弱さ、理性、等々、白膠木簓の白膠木簓らしさのようなものが詰まっていたんだなぁ、と感じ入ってしまう。いや、合鍵を大量に複製することが理性的かといわれたらそれはまああれなんだけど。

 

チームメイトの部屋の合鍵を作りまくる男・白膠木簓とチームメイトと同居する男・伊弉冉一二三。少し似ている2人だけれど、その間には深くて長い河があるんだろうな。

 

 

 

※勝手な妄想ですが、時系列的にこのイベントの後に舞台DHvsBBが続いたら美しいだろうなぁと思います。簓は盧笙と殴り合いをしてお互いの気持ちを知り、ケンカをしても人間関係は復活できるんだということを学んでいたらいい。そしてそこから「六色が交わる時、『』が始まる」に続くと簓は左馬刻とも和解することができるので、白膠木簓の人生補完ルートになるのであった。

ヒプアニ2期 感想

 

ヒプアニ2期です!

1期でも局所的に旋風を巻き起こしたあのどえらいアニメが帰ってきた!

ということで感想を書いていきます。

金曜24時が基本の放映時間となっています。地方によって差があるのでABEMAで観るのが手っ取り早い。

1期の感想文はこちら


毎週更新ヒプアニ感想 - pyonkospicaの日記

 

#01 Revenge is a dish best served cold.

ABEMAで先行配信があったので1000円払って観たら強盗の五斗山さんがまた出てきてびっくりした。というか、18人をオリジナルアニメで好きに動かすのは難しいからオリジナルキャラで話を動かすスタイルにしたんだろうか。違法マイクを身体中に巻いて目出し帽を被った五斗山さんが登場すると話のリアリティラインがゆらぐのを感じる。さらに五斗山さんというキャラ自体、登場するだけでどうにもギャグ寄りになってしまう宿命があるように思うけど、今回洗脳されて目を血走らせながらバスターブロスを襲うという妙にシリアスな役割をしていたのでどういう情緒で観ればいいのかよくわからなかった。けど五斗山さん人気あるんですよね、たぶん。

乱数がわりと謎のキャラクターになっていて、アニメ初見の人は違法グッズ屋さんだとかお金大好きキャラみたいに思うんじゃなかろうか。

エンディングはめちゃくちゃ可愛いです。ヒプマイの、「コンテンツの要所要所でものすごいいい仕事をする人がいる」という法則が発動している。

 

#02 Side with the weak and crush the strong.

ヨコハマ回。左馬刻様がイライラしていたのはヤニ切れのせいだった…というオチの話。風呂井戸宙二という渡世のヤクザ(伝説の強者だと思われているが実はカラオケ好きのただの木端ヤクザ)が火貂組に滞在しているのですが、初見の風呂井戸のことを

・どこかでみたことがある、窃盗犯を疑った銃兎

・ただならぬ殺気をまとった男と評した理鶯

・タダメシ食らいのロートルヤクザと判断した左馬刻

結果、左馬刻が大正解だったのはハマのリーダーの面目躍如だなぁと感じました。左馬刻様はなんだかんだ勘がいいしリーダー適性が高いのである。ということなんだろう。

銃兎はヤニ切れで攻撃性が増した左馬刻のことも何か変な催眠にかかっているに違いないと案ずるシーンがあり、風呂井戸の正体も外したのでシナリオ上では二連敗の様相を呈し、考えすぎキャラみたいに描かれていた。理鶯は殺気センサーが敏感すぎて虚勢をはる風呂井戸にも反応してしまった、ということだろう。シンプルな生き様の左馬刻様が一番見る目があった…という『はだかの王さま』みたいな回でした。また、劇中歌『ジンギ』はめちゃくちゃ良かった特にイントロから裏に続く弦。早くフルで聴きたい

ところでヒプノシスマイクの生みの親の1人である百瀬裕一郎さんは今回アニメに参加しないのか?と調べたら、ちょうど今秋から『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』というアニメの脚本をされているようでした。ライバルじゃん!

 

#03 Happiness depends upon ourselves.

ゴヤ回です。「赤味噌ブラザーズとBATが戦う」「イケブクロヨコハマシブヤシンジュクが集まり今後の作戦を練る」「ベリアル紹介」「明と悟紹介」「人探し(キジタニ)」「人探し(サルハシ)」「ナゴヤとイケブクロ出会う」「寂雷と獄出会う」「ベリアル戦」と、はちゃめちゃに密度が濃くてよくこれ30分でやったなと脱帽しました。前回、風呂井戸のハッタリと左馬刻のヤニ切れで30分やった回との落差がすごい。(今思うと風呂井戸回はそれはそれでゆるくて良かったと思う)

・地道にコツコツ人探しをする空却

・意地悪された相手に手を差し伸べる十四

・学生の相談も受け付ける頼りになる大人の獄

と、アニメらしくナゴヤがほんの少しよそゆきに描かれているのも面白く、前回ヤニ切れで車をボコボコにしていた左馬刻様は一体なんだったんだろうかと不思議な気持ちになる。

獄はもっとネタに振ったキャラになる予感がしていたけど我慢ならんモンもふざけてなくて意外であった。(「未決済の書類」と「理不尽に人のものを奪う奴」、曲中では「青いバナナ」と「甘え」)

獄はEDのリリックもとても良くて、

俺の言葉は俺よりも素直だったな

口を閉ざせど心は黙らなかった

と素敵にエモな独白をしている。

 

ストロベリーのくだりでファンシーないちごを背景に描かれた波羅夷却がめちゃくちゃ可愛くて変な扉が開きそうになった。あと、アマンダを誘拐されたというのにその犯人と友達になろうとする十四くん本当にすごい。十四くんがアマンダと喋るシーンって今回初めて描かれたような気がするけど以前にもあったのかな?

「空却さんも獄さんもさっさと帰っちゃったすね」

無言のアマンダ

「そうなんすよ、ふたりとも最近忙しいみたいっす」

と、十四くんには間違いなくアマンダの声が聴こえている描写がされていて、とてもとても切なくてほんのり哀しくて良かった。

 

#04 There is little success where there is little laughter.

オオサカ回。躑躅森盧笙の作画の美麗さにびびった。どこを切っても麗しい。盧笙って描きやすいのかな?

簓と盧笙がかつて漫才コンビだったこと、シマシマの服を着た盧笙が雨の中で解散を伝えたこと、等の過去エピソードがしっかりと描かれながら本筋が進んでおり、こんな初見に親切な話作りができるのかヒプアニ…とびっくりする。キャラ紹介を赤毛坊主、ぬいぐるみ少年、リーゼント野郎、以上!で話をグイグイ進めたナゴヤ回との差がすごい。

 

今回のゲストキャラは雄鶏屋我虎羅さん。勝手に思ってるんだけど、もしかして雄鶏屋さんって実は読書とか映画とか好きなタイプなんじゃないかな。「恥の多い人生やった」というセリフは太宰治の「恥の多い生涯を送ってきました」ぽいし、オオサカ人である雄鶏屋がキメ顔で「どついたるねん」というのなら、それは「どついたれ本舗」という名を持つチームへのアンサーであると同時に、赤井英和の自伝(阪本順治の映画)タイトル『どついたるねん』からの引用だとしても全然おかしくない。

たぶん誰かが、もしかして盧笙が、雄鶏屋が文系漫才師であることを察したんじゃないかなーと。(盧笙は雄鶏屋が人を笑わせる志向のある人間だと早々に気づいているシーンがあり、この回では鋭い人物として描かれている)(いや別に簓でもいいんだけど。天谷奴かもしれないし)

だからどついたれ本舗の劇中歌『New world』に

あんたならどう生きるの?

というリリックが選ばれたのではないかと。「あんたならどう生きるの?はオオサカ翻訳すると『君たちはどう生きるか』なので、文化系ならうおおおおと大興奮だし刺さりまくることだろうよ…策士だなどついたれ本舗…

ちょっと面白かったのが、天谷奴さんが、ものものしいフルフェイスの防護服?を着ながらパソコン入力をする人々のすぐ横でいつもの格好でくつろいでおり、あの場所は清潔区域なのか汚染区域なのかがわりと謎であった。おいちゃん管理者なら防護服脱がせてあげて。

 

#05 As soon as you trust yourself, you will know how to live.

シンジュク回。ナゴヤ店に出張に来た一二三があっさりナンバーワンになってしまい、憤慨したホストたちが集団で店をボイコット。困った一二三をなんやかんや助けるためにホストになるヒプメンたち…という大サービス回。ホストになったのは一郎、寂雷、独歩、十四、獄。空却もスタンバイしたのだが来店時の挨拶をヘイラッシャイ!にしたら即退場になってしまい皿洗いに回った。この空却がアウトになる流れが1分もなかっただろうにすごくスピーディで面白くて大笑いしたので未視聴の方は一度観てほしい。

ホストになった男たちがキメ顔で花を背負っているシーンがあり、普段花言葉にはあんまり萌えないタイプなのだが(花言葉は意図してたり偶然だったり、そもそも言葉自体も定まってない気がするのであまり根拠にはしづらいと思っている)、Twitterで制作スタッフの方が“今回は花と花言葉にこだわったのでひまな人は調べてね”的なつぶやきをされていたので暇人としては俄然張り切る。根拠があるとわかったら張り切るんだから我ながら現金である。

おそらく

四十物十四

トルコキキョウ紫

「希望」

 

天国獄

クレマチス

「精神の美」「旅人の喜び」「策略」

 

山田一

ガーベラ赤

「限りなき挑戦」「前向き」

 

神宮寺寂雷

ユリ白

「純潔」「無垢」「威厳」

 

伊弉冉一二三

バラ黄

「友情」

 

ナンバーワン

バラ紫

「誇り」「気品」「尊敬」

 

だと思う。難しいのが十四くんで、最初はラナンキュラスかと思ったけど

・葉の形が明らかに違う

・紫の花だけどつぼみが白い

ラナンキュラスは花芯が見えない

なのでトルコキキョウだと判断した。

 

ナンバーワンくんの花が「紫」のバラでその花言葉が「誇り」「気品」「尊敬」なのがとても良いと思う。彼もれっきとしたナゴヤの一員であるということや、ナゴヤ店のトップなことに誇りを持っていたのに、一二三の登場でトップを失いヤケになってしまったが本当は気品のあるホストなんだ…というバックグラウンドがグッと伝わって来た。

 

#06 Friendship is a single soul dwelling in three bodies

シブヤ回。フリングポッセにそっくりなフリングポッセのファンが登場し乱数がイライラする。この偽ポッセのリーダー「ラブタ」はオオサカの人なため関西弁を喋るんだけど、それがもう近年まれに見るものすごい偽関西弁ですごかった。特に関西人には、ラブタのウザさが5倍くらい増幅して伝わったと思われる。

ただ、ラブタ自体は本来ただの乱数の熱烈ファンで、洗脳された時を除くと、1度嘘をついた以外は特に悪い人間でもない。なのに“なんか鬱陶しいから”“ニセモノの自分を思い出すから”という理由で乱数に邪険にされていて少し気の毒になった。もっとツッコむと、乱数の可愛いキャラクター自体が舞城華灯にインスパイアされたものだよね。

あのキャラクターは

華灯→乱数→ラブタ

と受け継がれたものであるので、乱数がラブタをうざったく思うのもあまり道理が通った話ではない。乱数のやつあたりで自傷である。

 

乱数が自分のニセモノ性やコピー性に向き合う超重要シリアス回でありながら、

偽フリングポッセの

乱数(ラムダ)→愛太(ラブタ)

幻太郎(ゲンタロウ)→健太郎(ケンタロウ)

帝統(ダイス)→ダイスケ

という名付けの巧みさや、ダイスケの名前を聞いた瞬間に「俺に毛が生えたようなもんだ」と返した帝統の頭の回転の速さに大興奮回でもある。

会っていきなり抱きつかれる、腕をつかまれる、可愛いお店を教える等の、普段自分がやっている仕草をいざラブタにやられると心底うざそうにする飴村乱数が非常に興味深いし、もう消滅したかと思った乱数の喫煙設定も生きていてダークな飴村乱数を堪能できるナイス回だった。18人そろうとどうしても優男キャラになる幻太郎だけど、ヒプアニの幻太郎は体つきが非常にがっしりしているので妙にときめいてしまう。

 

#07 Hell is empty and all the devils are here.

18人が揃い、爆弾解除のために3チームに別れて謎を解きテーマパーク内を駆け巡る回。テーマパークのモデルはたぶんUSJなのかと思うが、予告で見た時は志摩スペイン村ぽくて謎に興奮した。

まずはイケブクロとナゴヤが組んで3ルートのうち1つを目指す。

【個人的な7話の見どころ】

・爆破によってかけていた眼鏡がどこかに行ったが、慌てずにスーツのポケットから剥き出しの新しい眼鏡を取り出す銃兎

・ガラスが刺さり破れた羽織の換えを持っている幻太郎の準備の良さ。というかその羽織、何枚も替えがあるんだね…オバケのQ太郎みたい

・天才教育の新進気鋭美形集団(設定盛りすぎ!)

・「これはサメじゃないシャチだ!シャチは攻撃するとき横一列に並ぶ!」「そういえば水球は7人!」と豆知識を披露する三郎

爆弾解除スイッチ探しに奔走する18人を見てふと思ったんだけど、ヒプアニだけじゃなくヒプマイ本体も含めた話なのだが、ヒプマイって大事なシーンをボタンとか爆破とかスイッチ早押し競争にゆだねる傾向がある気がする。一郎と左馬刻のアレとか。もしかしたらヒプマイ本編のラストバトルも、全員で協力してスイッチを探して罠を解除しボタンを押す話になるのかもしれないな…比喩ではなく…

 

#08 Each of us bears his own Hell.

一方その頃ヨコハマとオオサカの6人は謎解きしないと出られない部屋にとじこめられていた。アンダーグラウンドディビジョンラップバトルとはテーマパークでの謎解きのことだったのだ?

ちょうどこの日(2023年11月24日)に更新されたARBのイベントシナリオが、

“盧笙は遊園地でめちゃくちゃ謎解きに行きたい”的なストーリーだったのですごくうまく連動していた。百瀬祐一郎さんは今期は別アニメの脚本を担当しているのでヒプアニには関わってなさそうだけど、ARB方面からエールを送っているみたいに感じられて嬉しい。(個人の妄想でありまったくの偶然な可能性もあります)

ヒプアニ内のテーマパークの舞台ってUSJなんだろうなってうっすら思ってたんだけど、巨大ぶんぶく茶釜タヌキやファンシー巨大ウサギに巨大カメ、巨大キツネがのしのし闊歩する世界観的にもしかして生駒山上遊園地なんじゃないかって気がしてきた。ウサギは荷物を背負っていたのでカチカチ山モチーフ(タヌキもいるし)のような気もするが、カメとセットで「ウサギとカメ」なのかもしれない。キツネはワイングラスを持っていたからおそらく酸っぱいブドウモチーフのキャラなんだろうと思う。

ヒプアニ名物よくわからないキャラデザのモブラッパー(犬の被り物・猫みたいなピエロみたいなの・北斗の拳的なヒャッハーの人たち)が偽合歓と偽少佐と偽生徒のホログラムを使いヨコハマオオサカチームをおびき出すが、騙されたのは盧笙だけで左馬刻も理鶯もニセモノだと判断したよ…というオチ。ヒプアニの左馬刻様は他媒体よりキレやすさがアップしているけど理知的な面も強化されていておもしろいなーと思う。

あと、謎解きを放棄して座り込んだ(ように見えるが内心では迷路の攻略法を1人で考えていた)左馬刻様の横に一緒に座り込んだ簓にオッとなった。左馬刻と簓ってどちらも機能不全家庭に育った傷ついた子どもで、外に出さないけど内心は真面目なこと考えてたりして、わかり合う部分があるんだよね…

 

#09 The North Wind and the Sun.

シブヤとシンジュクが西遊記のコスプレをする話。(?)

いつも思うんだけど、ヒプアニの英語タイトルってシナリオと内容がいまいちわかりにくい…「The North Wind and the Sun.」でまさか「シブヤとシンジュクが仮装して西遊記やる話」だとは思わないじゃん。「ポッセと麻天狼のヒプノシス西遊記~乱数はめっちゃ変な声になるしセーラー服着るし、ひふみと独歩ずっと馬のままだったけど大丈夫か?FIGHTER’S ROAD~」みたいな感じでした。そう考えると最近のライトノベルのタイトルが長いのも、視認性がよくなるという面ではアリなのか???

 

飴村乱数→孫悟空

夢野幻太郎→沙悟浄

有栖川帝統→猪八戒

神宮寺寂雷→三蔵法師

伊弉冉一二三→三蔵法師の馬(前脚)

観音坂独歩→三蔵法師の馬(後ろ脚)

というコスプレをしている。一二三と独歩が常に馬のハリボテの中にいたという伝説の回であった。

 

「ヘリウムを吸って声が変になる乱数」というシーンがあるんだけど、乱数の平時の声もわりと上ずってて高いため、あんまり違和感のない仕上がりになっていてもったいなかったように思う。もっと明らかに声が変わるキャラで観てみたかったな。

神宮寺寂雷は、「暴力に明け暮れ少年院から闇社会の王になったが妹の死によって改心し医者を目指す」が偽史で「医学生時代に衛生兵として紛争地へ行きながら殺し屋を請け負っていたが贖罪のために多くの人々を救うことを目標としており酒癖が悪く酔うとべらんめぇ口調で暴れだす天才医師」が正史なんだからやっぱりすげーなヒプマイ…と震える。

また、ひふみと独歩が入った馬に寂雷が乗ることで主題歌のリリック「韻潜ませた木馬トロイアの上に跨りロデオさ ロッキン・バトルロイヤル」が地味に達成されたのがめちゃくちゃおもしろいし、よりによって達成したのが獄と因縁のある寂雷だと言うのがさらにおもしろさに拍車をかけていた。

どうでもいい話なんだけど、あれだけ大々的に告知していた「アンダーグラウンド・ディビジョン・ラップバトル」の実態が今のところ「夜のテーマパークを貸し切って花火を打ち上げ、アトラクションや謎解きやコスプレをさせられる(ちょっとラップもする)」なのでえらい華々しいアンダーグラウンドで笑ってしまう。

 

#10 Every new beginning comes from some other beginning's end.

えらい話になってきた。開闢門は不良少年・行き場のない少年の更生施設としてビギニングゲートを作り、明と悟と健司(TBH)はそこの社員であったと。お片付け検定やお料理検定を学び未来を語る明と悟を中王区の棕櫚(1話でやっつけられた人)が難癖をつけて連れていき、死体袋に詰めて返してよこしたのであった…

なんという悲しい話なんだ。これを聞くと開闢門と明と悟と健司への気の毒な想いがつのる…

フロイドとか夢見るだるまの話を丸々1話使ってやるよりも、ビギニングゲートまわりの過去をちょくちょくやったほうがこのアニメの収益的に良かったのではないかと素人ながら思ってしまった。それくらいオタクの心をつかむポテンシャルのあるチームだと思ったよビギニングゲート…

ところでH歴の東大(仮)が輩出した人材、

・ひふみと独歩を興味深くスカウトした寂雷(35)

・チームメイトは10代2人な獄(35)

・明と悟を更生させたかった&亡き後にAI化した開闢門(35)

なのでたぶん若者ふたりを見守りたいおじさん養成機関も兼ねてるんだと思う。この3人が同期で知り合いというのもすごい話にだ。

 

ここにきてオープニングテーマの意味がなんとなくわかってきた。

寂雷が劇中で言ったように“人は2度死ぬ”ので、開闢門が明と悟のことを忘れたら2人は本当に死んでしまう。開闢門はそれが悲しくて彼らを蘇らせた

=RISE FROM DEAD

でもその考えはやっぱり歪んでいて、みんな死から立ち上がり、明も悟も健司も開闢門も自由にならなければならない

=RISE FROM DEAD you'll be free

ということで、RISE FROM DEADには二重の意味が持たされていた、ということなんだろう。

 

いや、それにしても悲しい話だなヒプアニ2期。前半との落差がありすぎて視聴者びっくりだよ…

 

 

#11 There are no goodbyes for us. Wherever you are, you will always be in my heart.

18人は国家安全治安法の名目で中王区に拘束され3つのヘリに番手ごとに乗せられ、ついでに中王区の口車にもうまく乗せられキアロとスクーロと開闢門の制圧に向かうのだった。今話では3番手のチームがキアロのサーバーを壊しキアロを消滅させる。消えるキアロがスクーロのところに向かい自分のデータを譲るシーンは涙なくしては見れなくて、18人許すまじ…!となりかける。いや、18人のほうが正義で主人公側なんだけどね。

ところでこれ棕櫚が明と悟を亡き者にしたのを実は乙統女様は知ってて、なんなら過去のビギニングゲート逮捕を命じたのも乙統女様で、全部知らんぷりして18人と開闢門をぶつけて対消滅狙ってる(もちろん天谷奴はその狙いに気づいてる)だとしたらすごい怖い話ですね。

「酔った獄を回収しにくる寂雷」という面白いものが見れた。寂雷、ラッパーたちに開闢門のことを説明する時に、彼は貧困の中から這い上がり…的なことを言っていて、いや貧困って!知人を説明するならもっと言い方あるでしょ!とハラハラしていたら、アニメの後半で開闢門に「お前ほんとうに嫌な奴だな」と面と向かって言われていたのが面白かった。アニメ1期の時も寂雷の言動には、ん?と思うことがありそれも文章に残してあるんだけど(一番上に1期感想のリンク貼ってあります)、アニメの寂雷は“ちょっと失礼なところのある人”という解釈でいいんだと思う。

理鶯にカンガルーみたいにされてスカイダイビングする三郎、毒島小隊になり明らかにイキイキとしている(しかもみんなそれがバレてにつっこまれてる)理鶯、動体視力がすごい帝統、蹴られた上に想像上の一二三と寂雷を生み出した独歩、切れ者の天谷奴、泥酔して眠る獄…とみんな可愛く愉快な見せ場が用意されていて、キアロとスクーロの話もしみじみ悲しく、このクオリティでできるんだヒプアニ…とびっくりした。先週からいきなり面白くなっている。

 

#12 Tears come from the heart and not from the brain.

2番手はシンジュクへ向かいます。待ち受けるのはキアロと融合したスクーロ。ピンクと緑の髪が肩までのオールバック気味になり、ゆめかわ海原雄山みたいな様相を呈している。

夢野幻太郎が「ワラワは走るのは嫌でおじゃる〜 着物を汚しとうはない〜」と小粋なボケをかましたら「裸で走ればええやろ」と躑躅森盧笙に切られ、場がヒエッ冷えになったことで何かを察したのか、次のシーンでは「シンジュクは伊弉冉さんの地元ですものね…」とボケキャラを完全封印し、いたわりと友愛の人になっていて少し笑ってしまった。ひふみと幻太郎って服をディスった一件から不仲みたいなイメージが地味にあるんだけど、実際はARBで協力して山を歩いたり本を贈ったりしており別に仲が悪いわけではないのだ。

このタイミングでエンディング曲『Next Stage』が配信されたんだけど、自分のチーム(オオサカ)は初戦敗退するわ乱数は死にかけるわオタクはCDを積みまくるわ、時系列的には血で血を洗う2ndディビジョンラップバトルの後に出てきた躑躅森盧笙のリリックの第一声が「ラップってエエなぁ素直になれる」なの本当にすごいし只者ではないと思った。たくましすぎる。

 

#13 Where there's hope, there's life.It fills us with fresh courage and makes us strong again.

最終回です。中王区の門は暴徒たちによって突破された。ビギニングゲート跡地では、開闢門が当時の若者が働く映像をホログラムにして流し続けていた…(開闢門かわいそう)。しかし開闢門は治安維持のため倒されなければならないのであった。開闢門は手術では切除不能な脳腫瘍を患っており自暴自棄にもなっている…

でまあ、最終的には18人が開闢門をボコり、開闢門の治療は寂雷が引き受けることになり、一時は共同戦線を張っていた18人もまたいがみあうのであった。

お約束の冗談パートでもあるんだけど、ラストバトル後に即座に「ブクロに住んでるならしっかり見張っとけ、そうしねえからこんなことになったんだろうが!」と山田一郎を詰めた左馬刻様って基本的に因果をはっきりさせたい理性の人だし、組織人の適性がめちゃ高そうで笑ってしまった。再発防止策を考えるスピードが早すぎる。

 

というわけでヒプアニ2期も終わってしまいました。毎週あれこれ感想を書くの楽しかったので寂しいです。最後まで気になったのは開闢門まわりの話が救いがなさすぎたこと…

・アキラとサトルをシュロに殺され

・復讐は阻止され

・脳腫瘍

って気の毒すぎた開闢門。たぶん脳腫瘍のため通常の判断力思考力ができなくなってしまい、クーデターを起こしてしまった…ってことなんだろうけど。元々はシュロが全部悪いのに当のシュロは第一話で倒されてから意識不明のままなのでいまいちカタルシスがなくしょんぼりです。開闢門の右腕TBHが最終話に出てこないのもびっくりした。あと、2期の話って別にヒプマイじゃなくても成立する話のような気がしましたが気のせいかな。キャラクタがヒプマイじゃなくても、それこそ今流行りのゲゲゲの鬼太郎でもいいしドラえもんでも同じ話ができたような気がする。

3期もあったらいいなーと思うんだけどどうなんだろう。もし3期があるのなら、これずっと悲願なんだけれどARBのイベントシナリオをそのままアニメ化したのが観てみたい!あと、ヒプマイの原作者的存在の百瀬裕一郎さんが、ヒプアニ2期と全く同じタイミングで別アニメ『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』のシリーズ構成と脚本をされていたためか2期は全くノータッチだったのが残念。なんかいろいろ大変そうだなヒプノシスマイク…

 

ヒプノシスマイク ガイドブック+ 感想

 

2020年ぶりにヒプノシスマイクのガイドブックが発売されました。アニメイト店頭で買ったらイケブクロのポストカードが貰えた。

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ヒプマイはストーリーの進みが遅いという噂もあるけれど、個人的にはそんなに言うほどでもないと思っている。だって3年前のガイドブックでは、東方天乙統女が有栖川帝統を産み育てたことや天谷奴零が軍の科学者山田零だったことが確定したレベルだったわけです。そこから3年で中王区は失墜するわヒプノシスマイクはオフノシスマイクになるわ山田那由多は生きてるわ天谷奴は一郎にボコられるわ、もうシナリオフル回転。

CDつき5390円は安い値段ではないし、キャラクターのプロフィールにあっと驚くような情報はないけれど(天谷奴の血液型が確定したくらいかな?)かなり面白いです。なぜなら99ページからのMEDIA&DISCOGRAPHYの欄がめちゃくちゃ役に立つから。全CDジャケットと全ドラマトラック、全曲全作詞作曲者が載ってるのものすごく助かる!!!

ツイッターでドラマトラックについて呟きたくなった時に、あれ?そういえばあのドラマトラックって正式には何ていうタイトルだったかな…どのCDに入ってたやつだっけな…という作業をしょっちゅうしているのでとても嬉しい。欲を出すならば、発表年月日もあると最高の資料集になっただろうな(強欲)

そして、なぜ今年の4月にいきなり中王区の単独CDがポツンと出たのかの謎も解けた。ガイドブック中にある発売順ナンバリングが

22.どついたれ本舗-No double dipping-

23.Bad Ass Temple-戒定慧-

24 .中王区-Verbal Justice-

という順番になっていたのだ。22と23が発売されたのが9月だったので連続しているイメージがなかったけれど、長い目で見るとソロCDの発売シーズンだったんですね。なので順番的に中王区のCDが出るのは必定だったわけです納得。

あと、EWシリーズもキャラ毎に網羅されており、カラーはランダムな様に見えて毎回厳密にデザインされてたんだということがよくわかる。銃兎は黒青赤の縛りがあるんだな、とか理鶯はアースカラーでまとめてあるんだな、とか幻太郎は紺のグラデーション内なんだな、とか天谷奴は徹底してゴールド担当なんだな、とか。すごく面白い。

私は中王区も好きなので、間に挟まれたプロパガンダ的な中王区の章もあわれで儚くて涙を禁じ得なかった。でも無花果さんがスイーツと雑貨が好きでジェットコースターとカレーが苦手なのはちょっと類型的キャラクターすぎるような。元女子アナとしての公式プロフィールをそのまま出してるのかな?

乙統女様が炭水化物大好きなのは大笑いしてさらに乙統女様のこと好きになりました。炭水化物はいいものだ。

 

今回は三曲入りのCDが付属しています。

『絆+』はオオサカとナゴヤのトラックが最高。オオサカのお囃子もソウルフルなナゴヤも聴き応えありすぎ。サブスクまだかな

オレンジレンジが提供した『Hypnotic Summer』も楽しい。

ヒプノシスマイク要らない小細工

というリリックがあったので、ヒプノシスマイクが要らない!?すわオフノシスマイクから連なる脱ヒプノシスマイク宣言再びか!と心臓が止まるかと思ったけれど、これは「ヒプノシスマイク」 「要らない小細工」って区切るんですよねきっと。

(ヒプノシスマイク物語、最終的には脱ヒプノシスマイク=大切な言葉はマイクを通さず自分の力で伝えよう的な大オチになるんじゃなかろうかと思っているので、脱マイク的なストーリーになると終わりの予感がして勝手に怯えている)

今回は『WINK』が一番好き。ガイドブック買って良かった…ヒプマイ最高…とあらためて思った。シナぷしゅの映画曲を作った方たちが提供してくれましたが、これライブで歌ったら映えるだろうなー泣けるだろうなーと何回もリピートしている。中王区に流れてる通奏低音って喪失の物語だと思っているので、

瞬きしてるその合間に

パッと消えるそこにあったのに

という歌詞がほんとにもうドンピシャで悲しくてたまらない。

乙統女様の(馬鹿耳なので無花果かもしれない)

結局乗りそびれたタイムマシーン

とかさあ、もう…!もう…!タイムマシーン乗れたらどうするつもりなんですか、どうしたいんですか乙統女様。どこからやり直すんですかウェーンってオイオイ泣きそうになった。

で、そこからの

願いが叶ったその時はまた

ここで集まってTea time

でまたオイオイ泣く。ここのパートは乙統女様と無花果さんが歌ってるんだけど、こんなのもう「俺戦争から還ったら結婚するんだ」的な死亡フラグにしか思えない。非人道的なことをやりすぎた中王区のトップ二人がティータイムする時なんて、あるとしても処刑の前日とかになるんじゃないですか…ウェーン

 

最後に2つだけ気になったのは山田一郎の目の色が違う箇所があるのと、超重要舞台スタッフの方のお名前が誤植されていること。改名されたのかとも思ったけど、そのような雰囲気もないから不思議。ヒプステが大成功で終わったこのタイミングでよりによってそこ!?と一読者ながら今後の対応を想像して胃に穴が開きそうになった。

ヒプノシスマイクThe Block Party 感想

 

 

ヒプマイの初EP、ブロックパーティ発売ですよ!

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楽天ディビジョンで注文したからオリジナル配送パックでやってきた

 

思えば2023年4月、9thライブで山田一郎の声優さんが“オフヒプノシスマイクEP発売”と宣言して幾星霜。EPとはなんぞや、オフヒプノシスマイクとはなんぞや、2種類とはどういうことや、とヒプ男ヒプ女の頭をハテナで埋め尽くした問題作であります。

 

というわけでいつものように感想です

ところで今回、彼らはHOMIEsとHOODsに分かれています。

H歴の

HYPNOSISMICの

Hypnosis Microphoneが停止した世界で

HOMIEsと

HOODsがフェスをする、というH尽くしの企画ですね。

H歴のH自体が元来

Hiphop

Hear

Heaven

Hierarchyの頭文字でもあるので、中王区の「H」に代わる新しい俺たちの「H」を提起する…みたいな感じだろうか。

ちなみにホーミーズとフッズのメンバーはこんな感じです

【-HOMIEs-】平均年齢23.1歳

山田一郎・山田二郎 ・毒島メイソン理鶯・夢野幻太郎・有栖川帝統・観音坂独歩・白膠木簓・躑躅森盧笙・波羅夷空却

 

【-HOODs-】平均年齢28.3歳

山田三郎・碧棺左馬刻・入間銃兎・飴村乱数・神宮寺寂雷・伊弉冉一二三・天谷奴零・四十物十四・天国獄

フッズのほうが少しアダルティな面子になってるようです。

 

楽曲感想【HOMIEs】

Rivals!

作詞作曲 ビッケブランカ

有栖川帝統&観音坂独歩

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本編では1stバトル前に幻太郎の服装の件でモメたペア。ARBではわりと絡みがあり、独歩は帝統を「無慈悲で酷いことを言う馬鹿餓鬼」だと評しているというまあそんな関係。

結論からいうとこの二人の曲はむちゃくちゃ美声でした…!特に独歩の声優さんの歌のうまさがたまらん。ビッケブランカという方を今回初めて知ったのですが、楽曲の調理、素材の生かし方がうますぎる…!

 

每度!生きたろかい!~OSAKA Big Up~

作詞 大西ユカリ銀シャリ

作曲 新宮虎児

白膠木簓&躑躅森盧笙

大西ユカリ来ちゃったよこれ、何気に今回一番びっくりしたのが大西ユカリの参戦でした。新世界のソウルシンガーがまさかヒプマイにやってくるなんて関西勢ビビり散らかしてます。

この曲、試聴では漫才部分がメインになっており、正直不思議な歌だなぁと思ってたんですが、フルで聴いたらめちゃくちゃいい曲じゃないですかこれ。

細かいことはトンボリへ ネオンと光れ

幸せ?それとも不幸せ?

さあ、知らんけど OSAKA

カタルシスに涙出そうになった。

その前に盧笙が

さて皆さん!不自由・不満足と向き合いましょう!

というんですが、個人の不自由不満足に向き合いつつ、精いっぱいかつぼちぼちがんばる、最後は「知らんけど」と言いながら酒でも飲んで寝る…というオオサカディビジョンの生き方の本質みたいなのを突いているようで凄いなぁと感動した。

また、今回は本職の銀シャリ様々が漫才のリリックを考えているということもあり漫才パートが普通に面白い。さすが、漫才のプロ。お好み焼きのくだりとか本当にうまいからみんな聴いてほしい。

 

そして、作中のネタだというのは百も承知なんだけど

あったかいご飯と味噌汁、ほんでちょっとの笑いがあれば十分幸せ

と、「ちょっとの笑い」を志向した盧笙は現実では芸人を諦め教師になり

あったかい炊き込みご飯と豚汁、ほんで大爆笑が、あれば十分幸せや

と貪欲に「大爆笑」を求めた簓は現実で一流芸人になったという符号の一致も、なんだかほろ苦い。

 

Get busy

作詞作曲 WANIMA

波羅夷空却& 山田二郎

これはサッカーの曲なようなダンスの曲のようなエッチな曲なような。みなさんどう思いますか。私はエッチな曲だと思っています。

 

夢の彼方

作詞作曲 Eve

夢野 幻太郎

幻太郎のソロ曲の打率の高さは何なんだろうか。『蕚』も素晴らしく良かったけど、『夢の彼方』もなんというポップでメロディアスでエモの固まりのようなトラックなんだろうか。

私がこれを聴いてまず思ったのは、もしかして夢野幻太郎の本名って夢野かなただったりするのかな、でした。この先幻太郎の本名は明かされることはなかった…と思いきや実は曲目で堂々とバラしていたパターンだと面白いなぁと。もし幻太郎が「夢野かなた」なのだとしたら兄は「夢野はるか」だと嬉しい。海原はるか・かなた大師匠みたいで。

 

Move Your Body Till You Die!

作詞 前山田健一DJKOO

作曲 前山田健一

毒島メイソン理鶯 with HOMIES

リオーズブートキャンプ曲。この曲で確信してるんですが、これ来年ホーミーズとフッズに分かれてライブありますよね?リオーズブートキャンプ、声優参加型の出し物として手が込みすぎているし上演前提な雰囲気がするんだよな…

 

つまり、「みんなー、ブートキャンプかチョリリ〜ス!のどちらかに参加するよ〜」となった際に

ブートキャンプを選んだのは

・一郎

・二郎

・帝統

・幻太郎

・独歩

・簓

・盧笙

・空却

で、

チョリリ〜ス!を選んだのは

・三郎

・左馬刻

・銃兎

・乱数

・寂雷

・天谷奴

・十四

・獄

となる。

さっきキャラの平均年齢を計算したらフッズの方が高めだったけれど、ざっと見た感じ声優さんもフッズの方が年齢層が高いのでホーミーズがブートキャンプするのは妥当な線なのかなぁと思いました。

 

HIPHOPPIA

作詞 好良瓶太郎

作曲 MURO・SUI

山田一

確かに山田一郎、IWGPだとかでもサイファーしてたし2ndバトルのジャケットもサイファーシーンだし、リリックにラップ作品からの引用が多かったりヒプアニで喫茶店でリリック考えてたりもしたけれど、いつの間にかものすごーく度を超えてラップ好きなキャラになってきているなぁ…

 

おままごと

作詞作曲 薔薇園アヴ

邪答院仄仄

仄仄さんの声優さんて歌上手いな!

もう少しお年を召されたら『水星の魔女』のプロスペラマーキュリー路線なんて似合うだろうな〜

 

 

楽曲感想【HOODs】

白と黒

作詞作曲 志磨遼平

天谷奴零&入間銃兎

ホーミーズで大西ユカリが来たのにびびったけど、フッズではドレスコーズこと志磨遼平が来たのが一番びびった。毛皮のマリーズ時代のエッセイを読んだことがあったので身近に感じていたのである。

志磨遼平さんって文筆家でもあるんですよね、だからかわからないけどこの曲はキャラクターの解像度高すぎですんげえです。時間も3分半と短く、これぞ百戦錬磨海千山千職業人の熟練の仕事って感じ。

天谷奴零という詐欺師と入間銃兎という警察官のキャラクターを渡されたら、普通もっと漫才チックなやりとりになったりもっとわかりやすくキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン的な歌詞になりそうなものなんだけど、「この二人は手段を選ばないところが少し似ている」という面を切り出し、もしかして同じ方向を向いているのかもしれないぞ…というメッセージを乗せる。これはこの二人で一曲書いて下さいと言われた時の最適解だと思う。

 

悪魔の華

作詞作曲 HAKUEI

アルゴξ楽団 (四十物十四)

みんな大好き悪魔の華の音源化です!

星が綺麗だね でも少し目を閉じて…

という歌詞があるんだけど、たしか十四くんて星が好きなんですよ。

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今年2023年はヒップホップ生誕50周年でもあり、プラネタリウム生誕100周年でもあるそう。さらに悪魔の華が音源化された年でもあるし、今年は四十物十四くんの年だなぁとほっこりする。

天谷奴零、オフノシスマイクにしたことで帝統と独歩を組み合わせてキャッチーな曲を歌わせ、簓と盧笙に再び漫才をさせ、幻の曲『悪魔の華』を音源化し自分は銃兎とムーディーな昭和歌謡を歌いあげ…って、みんなを笑顔にする単に音楽好きのいい人なのではないかとも思う。

 

Viva la liberty

作詞 TOPHAMHAT-KYO

作曲 TeddyLoid・TOPHAMHAT-KYO

飴村 乱数&山田 三郎

耳馴染みがよくてかわいい!

Viva la 系、唐突にまとめると

『Viva la liberty』

→飴村乱数と山田三郎のユニット曲

Viva la revolution

Dragon Ashの曲名・アルバム名

『Viva La Vida』

Coldplayの楽曲

『VIVA LA LIBERATION』

→天堂天彦のブレイク曲別名ボボンガリンガ

となります。

 

Closer

作詞作曲 小出祐介

神宮寺寂雷 & 天国獄

この曲聴いて思ったんだけど、寂雷は殺し屋として何人か殺めた事実は消えないし、亡くなった獄のお兄さんも決してかえってくることはないですよね。この二人は絶対に戻らない過去について苦しんでいるわけで、普段は酔っ払って暴れたり黒歴史を暴露されておもしろおじさんとしてギャグ的な華を添えてくれているんだけど、実はものすごく救いがない闇の中にいる、悩み多くしんどい人たちだったな…ということをふと思い出させてくれました。ARBでも本編でも、寂雷と獄はおもしろおじさんとしてキャラが立ちすぎている(それはそれでとても偉業だと思います)ので、寂雷と獄の辛さを正面から捉え、とことん暗い面を描いたこの曲は本当に貴重で稀有な楽曲だと感じました。

 

ポジティブ my life

作詞 宮田俊哉

作曲 月蝕會議

伊弉冉 一二三 with HOODs

ラストの歌詞がすごい。

見つけた!お前がラスボス

仲間になろうぜ(P・T・My Life)

誰も傷付けず全クリしちゃおー!!

ポジティブ my life (your life)

いやもう、ひふみの心は綺麗過ぎるだろう。ラスボスが仄仄さんだったらどうすんだこれ、ていうか仄仄さんのことなんだろうけど。でもひふみが=ヒプマイのオチがこの路線だと悪役が悪役として全うできなくなり、途端に仄仄さんの存在がチープになる危険性があるので、悪い仄仄さんや中王区(中王区はすでにそっち側に堕ちかけているような)が好きな自分としてはドキドキしている。

 

燐火

作詞作曲 石崎ひゅーい

碧棺左馬刻

個人的に左馬刻様のソロ曲も好みの曲が多い。『Gangsta‘s Paradise』もいい曲だったな…

この曲とか二郎空却の『Get busy』なんかは、本当は提供の方本人用の曲だったんじゃないだろうかと思ってしまうような完成度の高いのが来たからびっくりする。燐火、少し前ならドラマの主題歌になったりCMに使われそうなキャッチーかつ男臭さのある仕上がりがたまらんし、

墓場まで行く

の「行く」で歌が終わり無音になる箇所なんてもうギャァァァァですよ。ギミックが気持ち良すぎる。

燐火というのはヒトダマのことなんだけど、燐(リン)の火だからたぶん燐寸(マッチ)の火のことでもあるんだと思っている。左馬刻様もわざわざ曲中で

タバコに火をつける

って言ってるし。左馬刻様の人生はヒトダマやタバコの火、数多くの燐火とともにあるんだろうな。燐の火って青いので、ヨコハマの左馬刻様にぴったりですね

 

Bounce Back !

作詞作曲 m.c.A.T

帳残星&帳残閻

この企画はやばい。大物声優大塚明夫中尾隆聖アサインしてあるものすごい雑魚モブキャラに歌を歌わせてしまおう!というすごいノリの企画を『Bomb A Head!』というトラックの説得力と歌唱力の二点のみでねじ伏せている。

 

 

ということで全14曲の感想になります。メタい話になりますが、山田一郎が「フェスをやるってのはどうだ?」とぽろっと言ったら

石崎ひゅーい

Eve

大西ユカリ

好良瓶太郎

銀シャリ

月蝕會議

小出祐介(from Base Ball Bear)

志磨遼平

DJ KOO

TeddyLoid

TOPHAMHAT-KYO (FAKE TYPE.)

HAKUEI

春野

ビッケブランカ

前山田健一

宮田俊哉

MURO

WANIMA

という豪華メンバーが集まったというのがすごいし、偶然かたまたまか山田二郎を波羅夷空却の元へ、山田三郎を飴村乱数の元へというように、比較的友好的な他ディビジョンのリーダーの所へ弟たちを出向させて武者修行させている形になっているのもすごい。山田一郎のやり手ぶりには興奮しかない。

 

ドラマトラックThe Block Party感想

今回ストーリー進みすぎでしょ!

・山田母の名前と死の真相

・何故一郎は鯖の味噌煮が好きなのか

・なぜ山田一郎はイケブクロに住んでるのか

といった山田関連の謎がほぼクリアになってしまった。もうあとやることないよヒプノシスマイク。

そういえば山田母こと那由多の名前、普遍的な数字の単位だということもあるけれど、2020年の『SUMMIT OF DIVISIONS』ですでに

アルファ ベータ ガンマからデルタ

ちょっと端折ってシブヤから乱数

元気100%いや那由多

と、飴村乱数が言及している。

 

夢野幻太郎有能伝説も盛りだくさん

・夢野幻太郎は中王区告発文を暗記していた

・夢野幻太郎の兄を粛清したのは言浚である

・夢野幻太郎は山田零と山田一郎の関係を知っている

・夢野幻太郎はよつつじ君が真正ヒプノシスマイクで昏睡したのを知ったが誰がやったのかは知らない

・夢野幻太郎はマイク工場捜索組と行動する

・夢野幻太郎はパソコン普通に得意

と今回は完全に夢野のターンだった。これまでフリングポッセの仲間とシブヤでキャッキャしてたイメージだったから、一郎寂雷と肩を並べ完全に中心人物になっていた幻太郎大丈夫かなってハラハラした。もちろん、幻太郎は兄が中王のマイクによって昏睡させられているので実はど真ん中の被害者でありメインを張るにふさわしいキャラクターなんだけど、いままで嘘をついたりふざけてばかりだったから、急にキリッとしだして大変驚いてしまった…

 

今回みんなものすごく真剣にフェス準備したり悪漢倒したりマイク探しに行ってたので、「記憶が無くなるまで酒を飲み、寂雷のピアノに合わせて食器を箸でたたいてドラムプレイをした天国獄」の下りがあーこれこれこういうのでいいんだよとほっとする。

 

山田三郎がフェスの総合演出をしようとして飴村乱数に諭されるやりとりがとても良かった。お金さえ積めば自分だっていい演出がができる、と言う三郎に対し、クリエイターはコネや縁で動くからコネや縁のある自分のほうが適任だ(意訳)と反論する乱数。確かに現実の大人の世界でもコネだとか縁のような要素は大切であり、いくら賢く優秀でもまだ実際に社会に出てない三郎にはそこがわかっていないというのがきれいに描かれたシーンだった。それを言ってるのが生まれたて(でもないけど)のクローンという特殊な出自で、まさにコネと縁のさばき方で生きてきたような乱数であるということも含めてうまい話だし、その後のフェスでこの二人はちゃっかりユニットを組んで仲良くなっているというオチも素敵だった。

 

左馬刻様が言うには、どうもこのフェスは自分で好きな歌を決められるシステムらしい。ということは今回「ヒプノシスマイクを失っても山田一郎は1人でラップをする」と同じ欲望の強度で

・簓と盧笙が再び漫才をする

・銃兎と天谷奴が組み昭和風味歌唱をする

・帝統と独歩がAction PLZ♪する

・三郎と乱数がスワイプする

・寂雷と獄が雨の中で歌う

・左馬刻様がバッドエンド論を語る

・二郎と空却がイメトレする

・悪魔の華の音源化

・幻太郎が夢の彼方について歌う

・ひふみがチョリリ〜スする

・理鶯がブートキャンプを指揮する

等が行われたことになり、それはそれで戦慄の結果である。

 

DJポリスみたいな入間銃兎最高でしたね!入間氏、今回は最初から最後まで1人だけ普通に警察の仕事しててお疲れ様でした。

 

 

 

最後に、見ないふりしたいところですが今回いちばんショックだったこと。これたぶんヒプノシスマイクってそのうち終わるし、風呂敷をきれいにたたみ始めてますよね?「真正ヒプノシスマイクの使い手を探すため」という天谷奴零のディビジョンラップバトルの真の目的も喋っちゃったし。

ヒプマイって何に似てるかというと高橋留美子の『うる星やつら』だとか『らんま1/2』の世界観に似てるなあとぼんやり想っていて、ARBがハチャメチャなコンテストを多発するところなんかは「ミス友引コンテスト」的なノリっぽいと感じている。高橋留美子の凄いところって、終わらない日常モノマンガに見えてキッチリいい感じの余韻を残し完結させる手腕、だと思う。たしかヒプマイの原案の方って高橋留美子が好きだって御本人のTwitterかなにかで言われてた気がするし、ヒプマイも終わらない世界モノのように見えるけど、いつかは綺麗に終わらせたいのかなぁと勝手に想像してしまう。

というかヒプマイ、フェス路線は一見急カーブに見えるけど、去年『CROSS A LINE』で「マイクを通せないいまだ不完全な理想」と歌ったり「ヒプノシスマイクを使わないフリースタイルバトルをやってみたい」と一郎が発言したり、今思うと脱ヒプノシスマイクへの予備動作はあったし、意外にフェアに伏線を張るジャンルでもあったりするし。

そして最後、3rdバトルをやろうとノリノリの碧棺合歓(ところで合歓ちゃん左馬刻が思ってるより遥かにしたたかだし中王区適性高いと思う。3rd バトルをやれば国民がまた纏まるんじゃないかって発想が完全に中王の統治側の人間になってる)

や、勘解由小路無花果さんを横目に「私は政界から退きます」と言ってしまった東方天乙統女様、政治が好きすぎてお見合い中に早口で政治の話をした後に実際に言葉の力で世界を革命した信念の人である東方天乙統女様が、政治家引退宣言をしてしまった。ヒプノシスマイク、東方天乙統女のクーデターから始まった物語なのにこの先どうなってしまうのか…

しかし、天谷奴零を倒したのが山田一郎の「力」だったのに対し。東方天乙統女を倒したのが有栖川帝統の「言葉」だったのは、言の葉党党首にぴったりの悲しく美しい、最高のラストシーンなのかもしれない。

 

寂雷と乱数と国民の健康と鏡について

 

ヒプノシスマイクの話です。

 

ふと思ったんだけど、神宮寺寂雷ってお医者さんじゃないですか。お医者さんとはなにか、と調べたら医師法という法律で定義されていました。以下に引用します。

 

第一章 総則

第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 

つまりお医者さんとは「国民の健康な生活」のために動いてくれる人々のようです。

それで思ったんだけど、医師という職業、”国民の健康な生活を確保するもの“である寂雷にとって、”よつつじ君の健康を損った”という飴村乱数の行為は職業柄どうしても許せない行為なのではないかと思うんですよ。もう生理的に無理なんだと思う。だから医師としての寂雷は乱数のことを手放しで許すことができない。

クロスアライン和解の後に乱数を助けることにしたけれど、口の効き方がどうの年相応がどうのと、乱数には当たりがきつい。一方ミックスアップで寂雷は山田三郎とボードゲームをしていたけれど、三郎が寂雷と獄を「おまえら」と呼んだり「神宮寺寂雷は友達いなかっただろ」なんて言っても寂雷は笑って会話しているので、やはり寂雷は乱数だけに口うるさいように見える。

 

 

しかし、よく考えると以前は寂雷も乱数と似たようなことをしていたのです。寂雷の前職はテロリスト専門の殺し屋だったんだから、相手の健康を損ないまくる。損なうどころではない。

 

さらに、家族同然だったよつつじ君を乱数に傷つけられた時に寂雷は改めて知ったのではないだろうか。自分が損なった人々にも家族がいたのだ、と。自分が殺めた人は誰かにとっては大切な存在だったんだ、と。

寂雷は乱数がよつつじ君にした行為によって、自分の罪の重さに再び向き合うことになってしまった。

 

もちろん乱数だって好きで洗脳の手引きなんかをやっていたわけではないし、寂雷だって好きで殺し屋イルドックだったわけではない。どちらも苦渋の中での選択でしかないんだろう。

だけれど、寂雷と乱数は、どちらも誰かを損なうことを仕事としていた。実はふたりはわりと似ているのです。そして、寂雷はそれに無意識下で気づいているから、寂雷にとって乱数は良くも悪くも特別な存在なのだ。

 

だから寂雷の覗く鏡には、乱数の姿が映っているんじゃないかなぁと思うわけです。
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